2022年を振り返る

2023年を迎えました。今年も自然災害のブログをよろしくお願いします。大晦日に山形県鶴岡市で、住宅の裏山の斜面が幅100m、高さ20~30mにわたって崩れ、住宅など10棟の建物が土砂崩れに巻き込まれ、2名の方が犠牲になり、周辺の8世帯22人はホテルなどに避難しています。現場は崖崩れの危険がある「土砂災害警戒区域」に指定されていますが、前の週まで降り続いた大雪が溶けて、大量の水が染み込んだことが原因となった可能性が指...
2023年を迎えました。今年も自然災害のブログをよろしくお願いします。
大晦日に山形県鶴岡市で、住宅の裏山の斜面が幅100m、高さ20~30mにわたって崩れ、住宅など10棟の建物が土砂崩れに巻き込まれ、2名の方が犠牲になり、周辺の8世帯22人はホテルなどに避難しています。現場は崖崩れの危険がある「土砂災害警戒区域」に指定されていますが、前の週まで降り続いた大雪が溶けて、大量の水が染み込んだことが原因となった可能性が指摘されています。今年は例年よりも早い時期に大雪が降ったり、雪が少ない地域が大雪になったりと、かなりの雪が予想されています。まだまだ雪のシーズンは続くので、このような地域にお住まいの方は、雪解けシーズンは崖崩れに注意していただきたいと思います。
2022年は自然災害で締め括られた観がありますが、改めて2022年の自然災害について振り返ってみたいと思います。

1.地震について
2022年は、M5.0以上の地震は98回ありました。そのうちM6.0以上は父島近海で2回、あとは日向灘、与那国島近海、八丈島東方沖、沖縄本島北西沖、三重県南東沖、奄美大島近海が震源でした。M7.0以上の地震は福島県沖と台湾付近を震源とした2回だけでした。震度としては、震度5弱が6回、震度5強が5回、震度6弱が1回、震度6強が1回でした。
マグニチュードが大きいと震度も大きくなりやすいですが、最大のものは3月16日に発生した福島県沖を震源とするM7.2、震度6強の地震だけで、あとは震源が海中のため陸地への影響が小さくなりました。9月18日に台湾付近で発生したM7.2の地震は、台湾では多少の建物の被害が発生しましたが、日本では与那国島で震度1でした。反対に6月26日に熊本地方で発生した地震ですが、マグニチュードは4.7でしたが、震度5弱を観測しました。
このように震源地の場所や深さにより、マグニチュードが大きい地震が必ずしも震度が大きくなるわけでもなく、マグニチュードが小さくても震度が大きくなる場合もあります。特に昨年はその傾向が大きかったように感じます。また各地に震度計が設置されていますが、その場所の地盤により、実際に感じた揺れと異なる場合があります。筆者が住んでいる地域は、どうも地盤が固いところに設置されているようで、体感した揺れより大抵「1」小さい震度が表示されます。反対に地盤が柔らかいのか、「1」大きい震度が出る地域もあるようで、たとえば「震度5強」が記録されても、地元の方は「そこまで大きな揺れではなかった」というケースもありました。
昨年の地震で特筆すべきは、「沖縄本島北西沖」を震源とする地震の多さでした。M5.0以上の地震は21回でしたが、それ以下の地震を含めると80回も揺れていました。2022年前半で59回も揺れ、特に2月12回、3月17回、4月16回と、この3ヶ月がピークでした。最大マグニチュードは6.1でしたが、いずれも震源が陸地から離れていたので、最大震度は3でした。
また震源地は異なりますが、マグニチュード5クラス以上の地震が一日の内に2回、3回と発生したケースが14回もありました。3月17日は福島県沖、石垣島北西沖、沖縄本島北西沖の3回、5月9日は与那国島近海で2回と伊勢湾、6月19日は沖縄本島北西沖で2回と能登半島、特に9月18日は沖縄本島北西沖を震源とする地震がM5.0、M6.1、M5.5と3回あり、更に台湾付近を震源とするM7.2の地震もありました。
それ以外にも、台湾付近、石垣島近海、与那国島近海のM5以上の地震も11回あり、沖縄から台湾までの西側に当たる沖縄トラフの動きが非常に活発化していました。昨年後半は治まってきましたが、今後がどうなるか注視する必要があります。

2.火山噴火
(1) 国内の火山
国内では、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)とレベル3(入山規制)が発令されている火山は、諏訪之瀬島、薩摩硫黄島、桜島、西ノ島、海徳海山、噴火浅根、硫黄島、福徳岡ノ場になります。12月には磐梯山で火山性地震が増加し、状況によってはレベル2を発令、スキー場も閉鎖の可能性がありましたが、幸いにも活発化することなく現在に至っています。
桜島の活動も続いており、2022年は85回の噴火がありました。特に7月24日の噴火では、初めて噴火警戒レベル5(避難)が発令されました。現地で観測を続けている研究者や地元の方々は、「いつもと同じような噴火」と捉えており、避難生活も3日ほどで終了しました。今回は落ち着きましたが、自然の動きはいつ大きく変化するか予想が付きません。噴火に慣れているとしても、やはりイザという時のことは考えておく必要があります。

(2) 海外の噴火
海外では11月末から各地での噴火が続いています。11月27日にハワイ島にあるマウナ・ロア火山が、1984年以来38年ぶりに噴火しました。この火山は海底から9千メートル以上そそり立つ、世界最大の活火山です。山体は溶岩で形成されていて、その体積は富士山50個分以上あります。地上部分だけでも標高は4169mあり、富士山より高い山です。山のスケールが大きく、北アルプスが丸ごと一つの山になったイメージで、今回の噴火はその中心部で溶岩が噴出しているような感じでした。当初は噴火口の中に溶岩が留まっていましたが、その後、噴火口の外へ流れ出し、州道から10キロ離れた地点までゆっくり流れ出しましたが、空港が閉鎖されることもなく、逆に溶岩と記念撮影をする人が殺到して、火山国立公園の駐車場付近では数千台の車で渋滞しました。12月10日には火山活動が低下し、専門家は警戒レベルを「警告」から「監視」に引き下げました。
12月4日にはインドネシアのジャワ島、スメル火山で大規模噴火が発生し、噴煙が高さ15キロまで達しました。スメル火山はジャワ島の最高峰で標高は3,676m、最も活動している火山の一つです。日本でも気象庁が沖縄県の一部に津波が到達する恐れがあると公表しましたが、幸いにも影響はありませんでした。
またグゥテマラのフエゴ火山も、12月10日から11日にかけて噴火しました。火山灰が風に乗り首都に到達したため、空港や幹線道路が一時閉鎖されました。この火山は中米で最も活発な火山の一つで、平均して4~5年ごとに噴火しています。2018年の噴火では火砕流で200人以上が死亡、約200人が行方不明となりましたが、今回の噴火で避難した人はいませんでした。
そして2022年の自然災害で最大の出来事は、1月15日にトンガで発生した、フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山の大噴火です。この噴火により太平洋のほか、インド洋、大西洋など世界各地で潮位変化が観測されました。気象庁は午後7時3分に「若干の海面変動が予想されるが、被害の心配はない」と発表しましたが、午後8時頃から日本の太平洋側で潮位変化が観測され、その後も潮位が上昇し、午後11時過ぎには鹿児島県奄美市で1mを超える津波が観測されました。そのため日付が変わった16日の午前0時15分、各地に津波警報や津波注意報が発令されました。潮位変化はトンガで最大20m、ペルーで2m、カリフォルニア州で1.3m、日本では1.2mの変動が観測されました。日本国内では津波により四国で漁船が転覆するなどの被害が出ましたが、幸いにも人的被害は発生しませんでした。しかしペルーでは、この津波により石油タンカーが座礁し、オイルが漏れ出すという二次災害も発生しました。またこの噴火の際、わずか5分間で2万5500回を超す雷を発生させ、6時間の間に発生した雷は40万回に達したという観測結果が新たに発表されました。
■トンガ火山噴火で記録的な雷発生、6時間で約40万回(CNN.co.jp) - Yahoo!ニュース

2023年に入り、5日にはハワイのキラウエア火山が再び噴火を始めました。2018年5月の噴火では、新しい噴火口がどんどん現われて広がり壊滅した集落もありましたが、幸いにも死者は出ませんでした。4ヶ月にわたり多量の溶岩が流出して、火口内にあった溶岩湖が消失しました。今回の噴火がどのような経過をたどるかはわかりませんが、世界的に火山活動が活発化していることは間違いないようです。また8日にはバヌアツでM7.2、10日にはニューギニア付近でM7.6の地震が発生しました。
気候温暖化の影響により、大雨による災害も多くなってきています。今年は地震や火山噴火なども多くなるかもしれません。いつ、どんな災害が発生するかはわかりませんが、地域により被害の様相も異なります。自分が住んでいる地域がどのような特色があるか、また避難経路も確認して、イザという時には慌てないで命を守る行動をとれるようにしておきましょう。


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群衆雪崩について

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。ハロウィンの韓国で悲惨な事故が起きてしまいました。まずは犠牲になられた方のご冥福をお祈りします。この事故は「群衆雪崩」によって、多くの方が亡くなられました。今回はこの群衆雪崩について取り上げたいと思います。群衆雪崩は、多くの人が集まっている時に発生する事故です。密集状態で一人が倒れると、文字通り周囲の人が雪崩を打つように転倒するものです。日本では20...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。ハロウィンの韓国で悲惨な事故が起きてしまいました。まずは犠牲になられた方のご冥福をお祈りします。
この事故は「群衆雪崩」によって、多くの方が亡くなられました。今回はこの群衆雪崩について取り上げたいと思います。

群衆雪崩は、多くの人が集まっている時に発生する事故です。密集状態で一人が倒れると、文字通り周囲の人が雪崩を打つように転倒するものです。
日本では2001年7月に、兵庫県明石市で開催された花火大会の時に発生しました。この時は会場となった海岸と駅を結ぶ歩道橋で、駅から海岸へ向かおうとする人と、逆に海岸から駅へ向かおうとする人の流れが歩道橋で衝突し、1㎡あたり13~15人が立ち往生する異常な混雑となり、何かのきっかけで集中した人が折り重なって倒れ、11人が死亡、183人が重軽傷を負いました。この時の犠牲者は小学生以下の子供9名と70代の女性2名で、体格的に弱い方が亡くなられました。
しかし今回の韓国での事故の犠牲者は成人ばかりで、それだけ圧迫された力が大きかったと考えられます。圧迫されることにより、呼吸困難になります。特に倒れて下敷きになってしまうと、人の下になった人は数百キロの重みで圧迫されて呼吸困難となり、心肺停止に至ってしまう可能性も高いとみられます。韓国の事故では1人当たりの圧力が220キロにも達し、立ったまま圧迫により亡くなられた方も出てしまいました。

この密集した状態は、満員の通勤電車の中でも経験しています。鉄道会社の取り組みやコロナの影響により、かつてと比べると混雑状況は改善しているようですが、事故などの影響で乗客が過度に集中することがあります。また、駅の階段付近や車両のドア付近など、人がより密集する場所もあります。すし詰め状態の車両でも1㎡あたり13人程度の混み具合で、1人当たりにかかる圧力は50キロ程度です。しかしカーブなどでは、ドア付近は一時的にかなりの圧力がかかることもあります。
大阪工業大学の吉村特任教授によると、「満員電車は最大で5~10人程度に、1人当たり120キロ程度の圧力がかかっている可能性があり、これは呼吸が出来なくなるほどの力です。この状態が長時間続けば、気を失うこともあり得ます。背が低い女性や子供、身体の弱い高齢者は命を落とすリスクも出てきます。またドアが開き、降りる際に転倒でもすれば、群衆雪崩のような現象が発生するリスクもあります」と述べている。過去には、1945年に山手線で母親の背中に背負われていた0歳児が満員電車で圧死、1945年に大阪でも満員電車で12人が意識不明となり、1人が死亡するという事例があります。

群衆事故には、もう一つ「将棋倒し」があります。これは1㎡あたり5人ぐらいなので、群衆雪崩よりも小さい規模です。群衆雪崩はもっと混雑した状況で発生しますが、どのようなきっかけで、どんな場所で発生するのかはよく分かっていません。近年は人の動きを流体に見立て、流体力学の面からコンピューターシミュレーションが行われています。意図的に人の流れを阻害する場所を設置したり、一人が転倒するなどの偶発的な要素で発生する滞留の状況を再現して、これが全体の流れにどのように影響するかをシミュレーションします。

群衆雪崩が甚大な事故に繋がる理由としては、以下のようなことが挙げられます。
・雑踏で発生するため転倒時に自分の身を守る体制をとることが困難
・身動きがとれないほどの混雑であった場合、無理な姿勢での店頭になってしまう
・前方で転倒している人がいることに気付かない群衆は、前への圧力をかけ続ける
・転倒した人の後ろにいる人が、後ろからの圧力で次々と押し倒される
・転倒した複数人の体重が累積して強い圧力で圧迫される
・転倒後に体制を建て直すことが困難であり、長時間無理な姿勢で圧迫を受け続ける
・雑踏で発生するため、救援に時間がかかる

この群衆雪崩は、首都直下地震などの災害が発生した時にも起きる可能性があります。2019年に首都直下地震のドラマがNHKで放送されましたが、この中で「群衆雪崩」により渋谷で多くの人が折り重なって倒れて亡くなっている場面がありました。道を塞がれて戻ろうとする人、先が分からないためにその道へ進もうとする人など、大勢が様々な方向へ逃げ惑い、そこで誰かが転倒したりするとそれをきっかけに将棋倒し、あるいは群衆雪崩が発生してしまいます。
またこのような大災害ではなくても、スタジアムや劇場など収容人員が多くても、出入口が限られるような施設で火災などが発生した際も、人が一斉に出入口に殺到して事故が起こる危険性があります。突然何かの事故や災害に巻き込まれた場合、落ち着いて周囲の状況を確認して、次の行動に移すことが命を救う確率を高めます。まずはパニックに巻き込まれないことが第一です。

群集雪崩の危険性と対策は|こうち防災いちばん (nhk.or.jp)

群衆雪崩で立ったまま圧死するメカニズムとは!群衆内での対処法も解説 | 防災新聞 (nishinippon.co.jp)



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台風について

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。台風シーズンに入り、毎週のように台風が日本付近に襲来、あるいは上陸をしています。秋分の日に襲来した台風15号は静岡県内に大雨を降らし、6万3000軒あまりが断水し、復旧まで10日余りを要する見込みです。またその一週間前に襲来した台風14号は九州地方、特に鹿児島県と宮崎県に大きな影響を及ぼしました。台風による停電も、復旧までに4日を要しています。今回は大きな被害...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。台風シーズンに入り、毎週のように台風が日本付近に襲来、あるいは上陸をしています。秋分の日に襲来した台風15号は静岡県内に大雨を降らし、6万3000軒あまりが断水し、復旧まで10日余りを要する見込みです。またその一週間前に襲来した台風14号は九州地方、特に鹿児島県と宮崎県に大きな影響を及ぼしました。台風による停電も、復旧までに4日を要しています。今回は大きな被害を及ぼす台風について取り上げてみたいと思います。

1.台風の定義
台風は、赤道より北側で、東経180度より西側の北太平洋、もしくは南シナ海に存在している「熱帯低気圧」が基本になります。そして低気圧域内の10分間の最大風速が、約17m/s以上のものが「台風」と呼ばれます。
台風の多くは、赤道付近の熱帯地域で発生します。熱帯地域は海面水温が高いため、上昇気流が発生しやすい状態になっています。その上昇気流によって発生した多数の積乱雲が渦状に形成され、中心部の気圧が下がり、熱帯低気圧になります。そして海面からの水蒸気をエネルギー源として勢力を増し、台風になります。近年では日本近辺の海水温が高いため、台風の勢力が衰えることなく襲来することが多くなってきました。
台風と同様に熱帯低気圧が勢力を増した状態のものに、「ハリケーン」と「サイクロン」があります。気象的には同じ現象ですが、発生場所と最大風速が異なります。ハリケーンは西経180度より東側の北東大西洋や北大西洋、メキシコ湾、カリブ海に発生するもので、最大風速は約33m/s以上と定義されています。9月下旬に発生したハリケーン「フィオナ」によりキューバが大きな被害を受け、その後カナダへ進んだ「フィオナ」は東部沿岸部に多くの被害を与えました。また次のハリケーン「イアン」は、フロリダ州に於いて大きな被害を与えました。このハリケーンは一度熱帯低気圧になりましたが、再び勢力を強めてハリケーンになり、サウスカロライナ州へ向かっています。サイクロンは、アラビア海やベンガル湾などの北インド洋に発生する熱帯低気圧で、最大風速は約17m/sと定義されています。
■台風のでき方 | NHK for School

2.台風の発生
台風は、年間を通して暑い熱帯地方である北緯5度から20度くらいの海上で最も多く発生します。この付近の海は海水の温度も高く雲も多く、台風が渦を巻く力もあるためです。そして太平洋高気圧の風に乗り、台風の進路が決まってきます。台風の勢力が最も強い場所を「最強地点」として抽出すると、日本付近では、本州に上陸したり接近したりする台風の最強地点は平均すると1982年には北緯21度付近、台湾の南側の海上付近でした。それが2012年には台湾にかかるぐらいまで、約150kmも北上している事実が判明しました。そしてこの結果は現在進行形のもので、温暖化が進んだ将来は最強地点が更に北上する傾向が強まる可能性があります。そして最強地点が大きく北へ広がり、日本付近に達することも予想されています。
台風が強くなると大雨も予想されますが、更に心配になるのは高潮のリスクです。高潮とは、湾に向かって台風が進行してきた時に、暴風雨が同じ方向で長時間吹き続けることで生じる「吹き寄せ」と、台風の気圧が低いために海面が持ち上げられる「吸い上げ」が複合して起こる現象です。2013年にフィリピンに上陸した台風ハイエンでは、2階の天井近くまで水が押し寄せたという証言もあるように、7mの高潮が発生して被害が増大しました。また温暖化が続くと海面の水位自体も上昇します。堤防などハードの整備は進んでいますが、現状の防御レベルを上回るような高潮になる恐れもあります。
■国土交通省 高潮発生のメカニズム
高潮発生のメカニズム (mlit.go.jp)

3.スーパー台風
スーパー台風は、米軍合同台風警報センター(JTWC)が台風の強さを分類するうちの一つで、最も強い区分になります。1分間平均の最大風速が130ノット(67m/s)以上の暴風雨を「スーパー台風」(カテゴリー5相当)と定義しています。日本の気象庁は10分間平均の最大風速で台風の強さを分類しているため、日本の分類にすると最大風速54m/s以上の「猛烈な台風」に相当します。新聞やニュースでこの「猛烈な台風」という報道を目にしたら、スーパー台風にあたると考えることが出来ます。
日本に上陸した過去の台風のうちスーパー台風と分類されるものには、伊勢湾台風(1959年)と第二室戸台風(1961年)が挙げられます。特に第二室戸台風は中心気圧が900hPa未満の猛烈な強さになり、室戸岬では最大瞬間風速84.5m/s以上、大阪で60.6m/sの暴風となりました。この暴風や高潮による被害が大きく、大阪では高潮により市の西部から中心部にかけて31平方kmが浸水しました。これ以外にも、台風による最大瞬間風速79.8m/sや85.3m/sという強風が、宮古島で記録されています。
近年、日本に上陸した「猛烈な台風」は、2019年の台風19号で、この台風は「令和元年東日本台風」という名前も付けられました。静岡県や関東地方、甲信越地方、東北地方などで記録的な大雨となり、甚大な被害をもたらしました。また昭和54年の台風20号以来、40年ぶりに死者100人を超えた台風でした。この台風の特徴としては、発生後まもなく猛烈な勢力に発達し、その後北上しても勢力があまり弱まらず、本州に接近するまで非常に強い勢力を保ったままだったことが挙げられます。日本政府はこの台風に対して、激甚災害、台風としては初めての特定非常災害、大規模災害復興法の非常災害(2例目)の適用を行いました。また災害救助法適用自治体は14都県の390市区町村になり、2011年の東日本大震災を超えて過去最大の適用となりました。
今年発生した台風12号も920hPaとスーパー台風と呼べる強さでしたが、先島諸島から東シナ海を抜けて中国・韓国への進路になりました。そして上陸コースを辿った台風14号もスーパー台風と呼べる強さで、中心気圧が910hPa、最大瞬間風速75m/sを維持したまま日本列島に接近してきました。気象庁は臨時の記者会見を行い、過去に例がないほどの規模に成長していると報告。日本の歴史上、最も強かった伊勢湾台風に匹敵する被害が予想されるとして、特別警報を発令する可能性もあると伝えました。宮崎市では、市内全域の18万7264世帯、39万9588人を対象にして避難指示を出しました。専門家からも「正直、もう被害は甚大なものになるので、どう生き残るか、そういうレベルになっています」「台風による特別警報の基準は結構キツクて、『こんなの出るのか?』と思っていましたが、満たしています」というような声があるほど、規格外の猛烈な台風でした。また九州・奄美地方は台風の襲来も多く、台風慣れしている部分もあるため、「台風14号に本気で備えて下さい。今回はいつもの台風とは違います。ご自身や大事な人の命を守るために必ず万全に備えて下さい。厳重に警戒を!!」という専門家の呼びかけもありました。大型で猛烈な台風であったため、報道では「過去最強クラスの勢力」「危険台風」などという表現も用いられました。
2017年、気象庁気象研究所は、全世界と日本周辺領域の気候予測データベースを活用したシミュレーションの予測結果を公表しました。これによると、このまま地球温暖化が最悪の状況で進むと、全世界で台風の発生総数は3割ほど減るものの、日本の南海上からハワイ付近と、メキシコの西海上にかけて猛烈な台風(最大地表風速59m/s以上)が発生する頻度が高まると予測されました。つまり、「普通の台風は減る」一方で、「スーパー台風は増える」というシミュレーション結果です。このシミュレーション結果が現実のものとなるかは更なる研究が待たれますが、毎年夏に発生する台風の通り道となっている日本列島の地理的条件を考えれば、自然災害に備える防災意識は常に持っておきたいものです。

気象庁気象研究所|トピックス|(気象業務支援センターとの共同プレスリリース)地球温暖化で猛烈な熱帯低気圧(台風)の頻度が日本の南海上で高まる ~多数の高解像度温暖化シミュレーションによる予測~ (mri-jma.go.jp)

今回、台風14号が近付きつつある9月17日、気象庁が鹿児島全域に2013年の運用開始以来3度目となる、台風を要因とする特別警報(暴風・波浪・高潮)を発令しました。その最中の翌18日に、台湾を震源とするM7.2の地震があり、沖縄県に津波注意報が発令されました。テレビ画面には、台風の警報と津波注意報の日本列島の画面が同時に映し出されていました。また画面上部に文字情報が流れますが、アナウンサーが台風のニュースを伝えている時の文字情報は津波について、そして津波についてのニュースの時には台風の情報が流れており、一瞬理解しにくい状況になっていました。筆者は台風情報を観ようとテレビをつけた直後に台湾地震の速報が入り、津波注意報が発令されたニュースもたまたま最初から観ていましたが、いきなりこの画面をみたら???になっていたと思います。この時点では沖縄県は既に天候は穏やかになっており、幸いにも津波の影響もありませんでした。もし台風の悪天候の中、津波も襲来したら・・・今後は複合的な災害についても考えていく必要があるようです。
10月になりましたが、2019年の台風19号が発生したのは10月6日でした。まだ台風シーズンは終わっておらず、これから新たな台風の発生も考えられます。その際は台風の勢力や進路を伝えるニュースや天気予報に注意を払い、もし自分の住む地域が台風の進路に当たるようなら、安全な対策を取っていくように心がけましょう。


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九州のカルデラについて

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。比嘉良丸氏の話の中に、九州にある阿蘇カルデラ、姶良カルデラ、阿多カルデラ、鬼界カルデラという名前がよく出てきます。今回はこれらのカルデラについて取り上げたいと思います。1.カルデラとは「カルデラ」という言葉は、スペイン語の「大釜」という言葉に由来し、火山活動で生じた大きな凹地のことを表し、日本ではその直径が2km以上の大きさのものを「カルデラ」と呼ん...

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
比嘉良丸氏の話の中に、九州にある阿蘇カルデラ姶良カルデラ阿多カルデラ鬼界カルデラという名前がよく出てきます。今回はこれらのカルデラについて取り上げたいと思います。

1.カルデラとは
「カルデラ」という言葉は、スペイン語の「大釜」という言葉に由来し、火山活動で生じた大きな凹地のことを表し、日本ではその直径が2km以上の大きさのものを「カルデラ」と呼んでいます。大型カルデラは、大量のマグマが一度に噴出したことで地下のマグマ溜りに空洞が生じ、そのためにマグマ溜りの天井部分が崩壊して、直上の地表部分が大規模に陥没するために形成されます。
これまでの火山研究は、富士山や桜島など、火山単体についての研究でした。しかし、2002年に石黒耀・著『死都日本』という小説が出版されてから、カルデラ噴火が注目されるようになってきました。九州の霧島火山の下には30万年前以上に活動した加久藤カルデラや小林カルデラがありますが、この小説は霧島火山がついに「超巨大噴火」を起こしたというものです。詳しくは同書をご一読いただくことにして、「破局噴火」という言葉は、この小説で作られた言葉です。
巨大なカルデラが存在するということは、はるか大昔に、そこから数百万立方キロにも及ぶ大量のマグマが噴出して地下空洞が出来たことを意味しており、過去12万年の間に、琵琶湖1.5杯分ものマグマを一気に噴き出した巨大カルデラ噴火が少なくとも10回は発生したことが確認されています。

■巨大噴火でできるカルデラとは
 巨大噴火でできるカルデラとは - YouTube

■カルデラの形成実験 科学のネタ帳
 カルデラの形成実験 - YouTube

2.各カルデラについて
(1) 鬼界カルデラ
鬼界カルデラは九州最南端、大隅半島佐多岬のさらに南西50キロに位置している25×15キロの規模の海底カルデラで、最深部は水深500mにも達しています。現在この海域には薩摩硫黄島、新硫黄島、竹島がありますが、ほぼ東西に並んだこれらの火山島は鬼界カルデラの北縁にあたり、カルデラの北縁がかろうじて海面に顔を出している部分です。
何回かあったカルデラ噴火のうち、最も直近の7300年前の噴火によって発生した火砕流は、海を渡って50キロ先の鹿児島県南部を埋め尽くしました。火災流は高温の火山ガスと混合一体化しているため地面との摩擦が少なく、100km/時を超えるスピードで一気に遠くまで流れます。ガス成分が多い場合は比重が小さいため、海面上を火砕流が滑走することもあります。この時の噴火では、9500年も前から始まっていた独自に発達した日本最古の縄文定住集落が、火砕流により壊滅してしまいました。また海中に突入した火砕流の一部は大津波を発生させ、その痕跡は長崎県島原半島で確認出来ます。
この噴火で降り積もった火山灰は濃いオレンジ色が特徴の「アカホヤ火山灰」と呼ばれ、南九州では50cmを超える厚さの火山灰で覆われました。そして四国や紀伊半島は厚さ20cmを超える灰白色の火山灰で一面を覆われ、遠く離れた関東地方にも10cm程度の火山灰を降らせました。西日本の森林は枯れ果て、食料の大半を森林に頼っていた西日本の縄文人は飢餓に陥り、その上、有毒な火山灰による呼吸器障害に見舞われ、数週間のうちに多くが死滅しました。そして鬼界カルデラの超巨大噴火後、南九州では900年あまりもの間、豊かな照葉樹林の森は復活せず、人が住めない無人の地となっていたようです。
2016年10月に神戸大学と海洋研究開発機構などのチームは、鬼界カルデラ内でドーム状に盛り上がっている場所を調べました。音響測深装置で水深約200~300mの海底に向けて船から音波を出し、反射波を観測。その結果、少なくとも5ヶ所で熱く濁った水が海底から湧き出る「熱水プルーム」が確認されました。海底からの高さは最大で約100mに上ります。
2017年3月の第2回調査では、カルデラ内の海底にある直径約10キロ、高さ約600mに及ぶ巨大な溶岩ドームの存在が明らかになりました。体積は320億立方メートル以上で、琵琶湖の水量275億立方メートルをも上回ります。水中ロボットによる調査で、溶岩が急速に冷えて固まった際にできる割れ目が多数あることや、ガスの湧き出しを確認し、未解明だったドームの性質が裏付けられました。ドームを作る溶岩の量は桜島の2倍以上。岩石を採取して解析した結果、その成分は7300年前の噴出物とは違い、比較的新しいとみられています。その表面では火山ガスや熱水が湧き出ており、チーム代表の巽好幸・神戸大教授(当時)は「活動度が高いのは明らか。地下に巨大なマグマだまりが残っている可能性がある」と語っています。

■神戸大学 研究ニュース
鬼界海底カルデラ内に巨大溶岩ドームの存在を確認 | Research at Kobe (kobe-u.ac.jp)

■巨大海底火山「鬼界カルデラの過去と現在」 海洋開発研究機構
巨大海底火山「鬼界カルデラ」の過去と現在|JAMSTEC BASE

(2) 姶良カルデラ
鬼界カルデラ噴火より更に巨大な噴火だったのは、2万9000年前に噴火した姶良カルデラです。この時の噴火は、現在の桜島火山付近で生じた大規模なプリニー式噴火で始まりました。火山灰は九州で50cm以上、近畿地方や名古屋で20cm以上、関東地方でも10cm以上、東北地方の仙台でも5cm以上降り積もりました。マグマの噴出量は150立方キロで、1991年のフィリピン・ピナツボ火山の噴火5立方キロの30倍以上の規模になります。琵琶湖の貯水量が30立方キロ弱なので、琵琶湖5杯分のマグマが噴出したことになります。
姶良カルデラ周辺には、軽石を含む真っ白な火山灰のシラス台地が発達しています。この台地は崩れやすく、集中豪雨などがあるとしばしば崖崩れ災害を起こします。シラス台地の厚さは100mを超える場合もまれではありません。この台地を生み出したのが、姶良カルデラから噴出した入戸火砕流です。火砕流は鹿児島県全域に広がっています。
神奈川県の丹沢山地では、大量の富士火山起源の黒色の降下スコリア堆積物が見られますが、その中に白色火山灰層が挟まっています。その厚さは13cm余りあり、それほど遠くない火山由来だと思われていましたが、その後の研究でこの火山灰層が1000kmあまりも離れた南九州の姶良カルデラ起源であることが判明しました。この火山灰は入戸火砕流が噴出した際、成層圏まで噴き上がった巨大なキノコ雲からもたらされたものです。もし現在、当時の規模の火砕流が姶良カルデラから噴出したら、170万人近い鹿児島県の住人のほとんどが“瞬殺”になってしまいます。

■みんなの桜島 桜島観光ポータルサイト
 桜島の誕生 - みんなの桜島 (sakurajima.gr.jp)

■企業実務ONLINE 今週の話材「噴火 その弐」
 桜島噴火より怖い!九州の旧石器人や縄文人を死滅させた巨大カルデラ噴火 | 話材 | ビジネス | 企業実務オンライン – 企業の経理・税務・庶務・労務担当者の実務情報メディア (kigyoujitsumu.jp)

(3) 阿多カルデラ
阿多カルデラは、鹿児島湾南端にあり、姶良カルデラと鬼界カルデラの中間に位置します。薩摩半島南部と大隅半島南部に広く分布する阿多テフラ(テフラはギリシャ語で灰を意味する)と呼ばれる火山噴出物の起源として、池田湖の北西部に延びる鬼門平断層を西北端、大隅半島西岸を東南端とする南北約14km、東西約24kmの楕円形領域に広がるカルデラで、西側の指宿カルデラと東側の肝属カルデラが複合したものと考えられていました。1980年代にかけて調査が進み、南側のカルデラは阿多南部カルデラ、北側のカルデラは阿多北部カルデラと呼ばれるようになりました。
阿多北部カルデラは火砕流を伴う噴火と陥没を繰り返しており、約11万年前の大噴火では阿多北部カルデラから阿多テフラが噴出した直後に、阿多南部カルデラでも陥没が発生したと考えられています。この大噴火の後に、阿多南部カルデラ内部に鷲尾岳、清見岳などの新期指宿火山群と呼ばれる火山群が形成されました。約5500年前には阿多南部カルデラ西北縁部で大噴火が起こり、池田湖が形成されました。これとほぼ同時に発生したマグマ水蒸気爆発により山川湾、成川盆地、鰻池、池底、松ヶ窪などの噴火口群が相次いで形成され、その後、鍋島岳や開聞岳が形成され現在に至ります。

鹿児島県指宿市と南九州市頴娃で観察できる指宿火山群、阿多カルデラ、姶良カルデラ由来の地質遺産を中心に史跡、史談を紹介するサイトです (geo-ibusuki.com)

(4) 阿蘇カルデラ
阿蘇カルデラは、姶良カルデラ噴火よりさらに巨大な噴火を起こしています。このカルデラは約27万年前、14万年前、12万年前、9万年前の、4回の巨大噴火によって形成されてきたものです。その中で最大規模の噴火が、阿蘇4噴火と呼ばれる最も新しい噴火です。マグマ噴出総量は約1000立方キロで、阿蘇火山最大の噴火であるのみならず、第四紀と呼ばれる過去約260万年間に日本列島で起こった最大規模の噴火にもなります。
この噴火では2度の大規模な火砕流が発生し、200km以上の距離まで到達し、九州のほぼ全域から山口県、天草諸島に至る広大な範囲が一瞬にして焼き尽くされました。現在の人口でいうと1100万人近い人々が居住する地域が、火砕流によって覆われてしまったことになります。そして火砕流の噴出時には、巨大な噴煙が数万メートルの高さの成層圏にまで到達し、火山灰を降らす噴煙が日本列島全体を覆いました。火山灰の規模は姶良カルデラが噴火した際の火山灰を遥かに超えており、津軽海峡を越えて北海道でも15cm以上も降り積もりました。九州から北海道まで、日本列島全体が15cmを超える厚い火山灰で覆われてしまい、完全に日本が埋没してしまう規模でした。

■阿蘇火山博物館 阿蘇の生い立ちと概要
 阿蘇について – 阿蘇火山博物館 (asomuse.jp)

■ついつい子どもに伝えたくなる 阿蘇の草原ハンドブック
阿蘇の草原ハンドブック (aso-sougen.com)

九州の代表的なカルデラは、阿蘇以外はすべて海中にあり、阿蘇カルデラは風光明媚な観光地になっています。また多くの人々がカルデラ内での生活を営んでいます。噴火口からの噴火の場合は事前予測の可能性もあり、また避難も出来ますが、カルデラ噴火の場合は全く予測がつきません。たとえ事前に地震があっても、それがカルデラ噴火に繋がる可能性を予測する専門家は皆無でしょう。犠牲になる方の数も膨大になり、比嘉良丸氏が見せられている啓示が小難無難になるように、心から祈らざるを得ません。

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2022年前半の自然災害について

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。しばらくお休みしていた自然災害ブログですが、再開することになりました。改めて、よろしくお願い致します。さて、再開第1回は、2022年前半に発生した自然災害を取り上げたいと思います。1.地震について2022年も活発な地震活動が続いています。震度5弱以上が記録された地震としては・1月4日 父島近海 M6.3 震度5強・1月22日 日向灘  M6.5 震度5強・3月16日 宮城・福...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。しばらくお休みしていた自然災害ブログですが、再開することになりました。改めて、よろしくお願い致します。
さて、再開第1回は、2022年前半に発生した自然災害を取り上げたいと思います。

1.地震について
2022年も活発な地震活動が続いています。震度5弱以上が記録された地震としては
・1月4日 父島近海 M6.3 震度5強
・1月22日 日向灘  M6.5 震度5強
・3月16日 宮城・福島 M7.4 震度6強
・3月18日 岩手沖  M5.6 震度5強
・4月19日 福島中通り M5.3 震度5弱
・5月22日 茨城沖  M5.8 震度5弱
・6月19日 能登半島 M5.4 震度6弱
・6月20日 能登半島 M5.0 震度5弱
・6月26日 熊本  M4.7 震度5弱

上記に書き出したように、ほぼ毎月のように震度5弱以上の地震が発生しています。
これ以外にも、マグニチュード5クラスの地震が44回、マグニチュード6クラスの地震が3回発生していますが、震源地が海域だったり、また震源が深いために、震度としては小さくて済みました。
この中で特に注目すべきは、沖縄本島北西沖を震源とする地震の多さです。以前からも時々揺れていましたが、特に今年に入り、2月9日に7連続の地震が発生してから現在まで、60回近くも地震が発生しています。これ以外にも石垣島や宮古島北西沖、与那国島周辺を震源とする地震がかなり増加しています。
地震情報 (沖縄本島北西沖)  YAHOO! 天気・災害
 地震情報 - Yahoo!天気・災害

沖縄諸島や先島諸島は、太平洋側はフィリピン海プレートが沈み込み、プレート西縁には琉球海溝があります。この琉球海溝を北上して行くと南海トラフがあり、駿河湾まで繋がっています。反対側の東シナ海側には沖縄トラフがあり、北端は別府・島原地溝帯、南端は台湾の衝突境界まで連続しています。琉球海溝はマグニチュード9クラスの巨大地震が発生する可能性があることも、近年では指摘されています。
1771年に発生した八重山大津波での甚大な被害は有名ですが、近年でも2010年に沖縄本島近海を震源とするM7.2の大地震、過去には奄美大島近海を震源とするM8.0の大地震も起きており、その地震活動が活発な時期に入ったことが考えられます。
地震調査研究推進本部  沖縄県の地震活動の特徴
沖縄県の地震活動の特徴 | 地震本部 (jishin.go.jp)

2.噴火について
桜島を始めとする国内の各火山の噴火も続いていますが、2022年最大の出来事は、1月15日にトンガで発生した、フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山の大噴火です。この噴火により太平洋のほか、インド洋、大西洋など世界各地で潮位変化が観測されました。
気象庁は午後7時3分に「若干の海面変動が予想されるが、被害の心配はない」と発表しました。しかし午後8時頃から日本の太平洋側で潮位変化が観測され、その後も潮位が上昇し、午後11時過ぎには鹿児島県奄美市で1mを超える津波が観測されました。そのため日付が変わった16日の午前0時15分、各地に津波警報や津波注意報が発令されました。
潮位変化はトンガで最大20m、ペルーで2m、カリフォルニア州で1.3m、日本では1.2mの変動が観測されました。海底火山の噴火による潮位変化が日本で観測されたのは、2021年の福徳岡ノ場の噴火以来でした。
日本国内では津波により、四国で漁船が転覆するなどの被害が出ましたが、幸いにも人的被害は発生しませんでした。しかしペルーでは、この津波により石油タンカーが座礁し、オイルが漏れ出すという二次災害も発生しました。
NHK 災害列島 命を守る情報サイト
 トンガ 大規模噴火と津波 何が起きたのか、現地の被害は【2月15日更新】 - NHK

日本では、昨年発生した小笠原諸島の福徳岡ノ場の噴火により、沖縄諸島に大量の軽石が漂着して船舶の航行、漁業や観光等に対する様々な被害が生じました。最近でも、同じ小笠原諸島の硫黄島で1000年ぶりにマグマが噴出する噴火が発生したり、海徳海山付近で変色水が確認されたりと、日本近郊での火山活動が活発化しています。
今回のトンガ噴火では、津波注意報が発表された353市町村のうち、8割超の自治体が避難指示を出しませんでした。岩手県内では沿岸の住民に避難指示が発令されましたが、実際に避難した方は対象の4%にしか過ぎませんでした。
トンガは日本から距離もあり、揺れを伴わない津波である気象津波が日本に到達するまで、かなりの時間を要します。しかし小笠原諸島で同様の大規模噴火が発生したら、津波はもっと短時間で到達します。沿岸地域にお住まいの方は、このトンガの出来事を他人事と思わず、イザという時に備えた意識を改めて持つことが命を守ることにつながります。


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