2016年を振り返る その2

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。前回に引き続き、今回も2016年の出来事を振り返ってみたいと思います。1.火山活動2016年も環太平洋地域の火山噴火が例年より早いスピードで噴火するなど、活発な火山活動が続きました。国内では2015年8月に初めて噴火警戒レベルが4(避難準備)になった桜島は、幸いにも危惧された大きな噴火は起こらず、2015年9月にはレベル3(入山規制)に引き下げられました。2016年も噴火活...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
前回に引き続き、今回も2016年の出来事を振り返ってみたいと思います。

1.火山活動
2016年も環太平洋地域の火山噴火が例年より早いスピードで噴火するなど、活発な火山活動が続きました。
国内では2015年8月に初めて噴火警戒レベルが4(避難準備)になった桜島は、幸いにも危惧された大きな噴火は起こらず、2015年9月にはレベル3(入山規制)に引き下げられました。2016年も噴火活動は低調な状態が続いています。2月に爆発的噴火が発生しましたがその後は回数も減り、6月に5回、7月に2回の爆発的噴火が観測された後は、現在まで観測されていません。
*爆発的噴火:ガス、水蒸気、岩石等を放出し、空振を伴う現象
一方、阿蘇山では10月に36年ぶりになる爆発的噴火が起こり、噴煙が高さ1万1000mまで上がりました。火口付近に設置したカメラでは、広範囲に噴石が飛散した様子が確認されました。約300キロ離れた香川県など広範囲で降灰が確認され、阿蘇市内では灰が3cm積もりました。阿蘇山ロープウェー火口西駅の屋根には複数の穴が開き、噴石の恐ろしさを感じさせました。噴石は直径50cm以上の物が、火口から南東1.2キロ地点まで飛んだことが確認されました。熊本地震の震源域が阿蘇山直下まで及んでいたこと、阿蘇山周辺での余震活動が活発であったため噴火を懸念する声が多くありましたが、事前の予測は出来ませんでした。
2013年11月から噴火が始まった西ノ島は、噴火も治まり落ち着いた状態が続き、研究者が初の上陸を果たしました。この島はカツオドリの繁殖地になっておりその生息が心配されましたが、その存在が確認されました。また植物や昆虫も僅かに残っており、今後は溶岩で覆われた部分にも分布が広がっていくと思われます。本当に生命の力強さを見せられた感じです。
上記の火山以外にも火山活動の高まりが確認されている八甲田山(青森県)、十和田湖(青森・秋田県)、弥陀ヶ原(富山・長野県)の3火山が、12月1日から気象庁が24時間体制で観測する「常時観測火山」に追加されました。これで国内の常時観測火山は50火山になりました。
気象庁 常時観測火山
 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/gyomu/index92.html

2.台 風
2016年で特にその活動が異常だったのが台風です。最初の台風1号が発生したのは7月3日で、1951年に統計を取り始めて以来2番目に遅い発生となりました。そして天気図画面に同時に3個台風があったりと、今まで見た事のないような様相を呈していました。
通常は南シナ海で発生した熱帯低気圧が台風になり、北上して来ます。日本に上陸する場合は、沖縄や九州など西日本に上陸して東日本へ向かったり、日本海側へ抜けたり、或いは小笠原辺りから関東へ上陸したり等の進路をとりますが、今年は初めて上陸したのが北海道や東北などでその動きも異常でした。北海道に台風が上陸したのは9年ぶりでしたが、一週間で3つの台風が上陸したのに加え、台風10号の接近で暴風と豪雨による各地の川の氾濫、橋の流失が相次ぎ、JRや道路など交通網が壊滅的打撃を受けました。
特に台風10号の経路は、北上しながらその進路を太平洋側に沿って西へ動いたので中国の方へ行くかと思っていたら、まさかのUターンを行って戻って来て、岩手県に上陸しました。10号は気象庁が統計を取り始めて以来、初めて東北地方の太平洋側に上陸した台風となりました。台風の進路は海水温などの影響を受けますが、Uターンしたのは初めてです。この台風10号の豪雨により、グループホームの高齢者9人が犠牲になってしまいました。
この原因は施設側が「避難準備情報」の意味を誤解していたことが原因でした。避難情報は緊急性が高いものから「避難指示」「避難勧告」「避難準備情報」の3種がありますが、「避難準備情報」はその字のとおり準備を開始すると考えていたために避難が間に合いませんでした。本来は高齢者や自力では避難出来ない方達が、避難を開始するという意味がありました。
この台風10号の被害を受けて内閣府は12月26日、自治体が発令する「避難準備情報」の名称を「避難準備・高齢者等避難開始」に変更し、全国の自治体に新名称を使うように通知しました。また「避難指示」についても危険が差し迫っている状況をより強調するために「避難指示(緊急)」という表記に改めました。
内閣府 避難準備情報の名称の変更について
 http://www.bousai.go.jp/oukyu/hinankankoku/

3.気 象
11月24日、都心で初雪が観測されました!11月の積雪は1875年の統計開始以来初めてのことで、11月の初雪としても54年ぶりの出来事でした。筆者の居住する地域は余り雪は降らないので、チラチラ降るぐらいかなと思っていたら本格的な雪景色になり驚きでした。
一方世界では、全く雨が降らない地域、大量の雨により洪水を繰り返す地域、異常な暑さ、異常な寒さと気候が二分された感があります。アメリカでは西海岸と東海岸で正反対の天候になり、西海岸の乾燥のため自然発火した山火事はその数を増しています。また砂漠地帯では豪雨があり、その結果により一面の草原地帯が出現した地域もありました。暑い中東で雪が降ったこともありました。現在、北半球は冬で南半球は夏ですが、異常な暑さと異常な寒さの気温差が100℃近くにもなっています。
2016年の気象はますます気温の変化が激しく、日本でも一日の気温の差が10℃以上あるのが当たり前になってきました。季節外に暑かったり寒かったりと、地球の気候がどんどんおかしくなっています。

国連大学が世界171ヶ国を対象に自然災害に見舞われる可能性や対処能力を評価した「世界リスク報告書2016年版」によると、日本は総合順位で17位でした。これは地震・台風・洪水・干ばつ・海面上昇の5種類の自然災害について、28項目の指標を設けて評価したものです。自然災害に見舞われる可能性では4位でしたが、インフラ整備や対処能力、適応能力が評価されて17位になりました。
国連大学によると、2015年に世界中で346件の自然災害が発生し、約1億人が被災し、2万2000人以上が死亡し、665億ドル(7兆円)の損失があったそうです。日本の昨年の自然災害による損失を見ると、熊本地震の被害額(2.4~2.6兆円)は世界の損失の約半分を占めます。2011年の東日本大震災による被害総額は(内閣府は16兆9000億円と推計)は、世界の損失額の2年分を超える金額になります。この数字を見るだけでも、いかに日本が自然災害大国かがわかります。
自然災害は避けられませんが、防災意識を高めて各自が準備することにより、少しでも人的被害、物的被害を軽減する「防災」「減災」が重要な時代を迎えています。





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2016年を振り返る その1

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2016年も世界では大雨、干ばつ、竜巻、台風、ハリケーン、地震、火山噴火と様々な自然災害が多発しました。今回は2016年の代表的な自然災害の内、地震について振り返ってみたいと思います。まず自然災害ではありませんが、12月23日に新潟県糸魚川市で大規模火災が発生しました。被害に遭われた方には、心からお見舞いを申し上げます。この火災は鍋の空焚きが原因だったようです...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
2016年も世界では大雨、干ばつ、竜巻、台風、ハリケーン、地震、火山噴火と様々な自然災害が多発しました。今回は2016年の代表的な自然災害の内、地震について振り返ってみたいと思います。

まず自然災害ではありませんが、12月23日に新潟県糸魚川市で大規模火災が発生しました。被害に遭われた方には、心からお見舞いを申し上げます。この火災は鍋の空焚きが原因だったようですが、折からの強風に煽られて大変な大火となってしまいました。空気が乾燥している冬場は、火の取り扱いには細心の注意を欠かさないようにしたいと思います。

1.国内の地震
(1) 熊本地震
2016年も多くの地震がありましたが、その中で特筆すべきは、やはり4月に発生した熊本地震です。4月14日にM6.5の地震が発生し、益城町で震度7が観測されました。この地震に対する余震は、その日だけでも震度6弱が1回、震度5弱が1回、震度4以下が37回と、総回数が40回に上りました。翌日15日は震度6強が1回、震度5弱が1回、震度4以下が110回と、総回数が112回にも上りました。そして最初の地震が発生した約28時間後にはM7.3の地震が発生して、再度益城町で震度7が観測されました。震度7は阪神大震災、新潟県中越地震、東日本大震災でも観測されましたが、同じ地域で震度7が2回観測されたのは観測史上初めてのことになります。この地震は当初14日の地震が「前震」、16日の地震が「本震」になるとの見解が気象庁から発表されました。しかし後から大きな地震が発生して初めて「前震」だったことが判明するため、現在気象庁では「前震」という言葉を用いないようになりました。
阪神大震災の後に住宅の耐震基準が見直され、震度7にも耐える構造になりました。住宅メーカーも耐震実験を重ね、丈夫な住宅づくりに努めていました。しかし続けて2回も震度7に襲われるという予測は誰もたてておらず、新しい基準で造られた建物にも多くの倒壊被害が出てしまいました。
よく地震特集番組で目にしますが、某研究所が行った耐震補強をした家としていない家を震動台で揺らすと、補強をしていない家だけが崩れてしまう映像をご覧になったことがあると思います。映像の公開はしていませんが、実は耐震補強をした家を再度揺らしたところ、倒壊してしまいました。東日本大震災の時にも多くの地域で震度6弱や強が観測されました。一見何の被害が出ていないように見える家屋も、家の中の見えない部分はどうなっているか分かりません。次に大きな地震に襲われた際には、倒壊の可能性も考えられます。せめて目に見える外側の部分のみでも、土台部分に亀裂が入っていないか等の確認をしておきましょう。

(2) 三重県南東沖地震
4月1日に三重県南東沖を震源とするM6.5の地震が発生しました。震源地が海上だったので最高震度は4でしたが、この地震の発生した場所は1944年の昭和東南海地震の震源に近く、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界付近のため、切迫する南海地震との関連が気になる地震です。この日は新年度の初日に当たり、役所や会社では新入社員や移動初日の人も多い日でした。移動したての防災担当者が、何をしていいのか分からずに戸惑っていたという声もあちこちで聞こえてきました。災害は時を選ばないで襲ってくることを、肝に銘じていたいと思います。
2017年1月3日には、上記とほぼ近い場所でM4.8の地震が発生しました。この地震の震源は深さ380kmと深く、震度が観測されたのが東北から関東地域でした。1月4日にフィジー諸島でM6.9の地震がありましたが、この2日前にも500kmを超える深い場所で、M5.3とM6.3の地震が発生しています。深発地震の後に必ずしも大地震が発生するわけではありませんが、「南海トラフ地震が2017年に発生してもおかしくない」と述べる専門家もおり、注意しておきたい地震です。

(3) 緊急地震速報の誤報
8月1日に、関東地方を震源とするM9.1、最大震度7という緊急地震速報が一部の人に配信されました。緊急地震速報は一般向けと鉄道事業者等の高度利用者向けがあり、今回の誤報は高度利用者向けのものでした。これはどこか1ヶ所の地震計で揺れを感知したら速報が配信されるようになっており、千葉県富津市にあった地震計で落雷によるノイズを観測し、配信されたのが原因のようでした。2013年にも奈良県を震源とする最大震度7の地震という、緊急地震速報の誤報がありました。この時は海底地震計で観測したノイズを、地震の揺れとして誤って計算したことが原因でした。
いずれも地震が本当に発生しなかったことは良かったですが、速報を受信した際にどのような行動をとるかが大切になってきます。年末の12月28日に茨城県北部を震源とするM6.3の地震の際にも、緊急地震速報が配信されました。該当地域にお住まいの方は、この時にどんな行動をとったでしょうか?前もって揺れが分かるのは有り難いですが、技術の限界もあります。改めて揺れが始まった時のご自身の行動を確認してみましょう。

(4) その他の地震
2016年は他にも6月に北海道内浦湾で震度6(M5.3)、10月に鳥取県中部で震度6(M6.6)、11月に福島県沖で震度5弱(M7.4)の地震が発生しました。福島の地震の際には津波注意報も発令されました。そして12月には茨城北部で震度6弱(M6.3)の地震がありました。
気象庁によると震度1以上の地震は昨年の3.5倍にもなり、一年間で6566回の地震を観測し、東日本大震災以降では最大の数字になったそうです。そのうち震度5弱が18回、震度5強が5回、震度6弱が7回、震度6強が2回、そして震度7が2回に上ります。
首都直下型地震や南海トラフ地震が確実に近付いてきている現在、改めて防災対策を見直しておくことが大切になります。
東京都防災ポケットガイドブック
 http://www.bousai.metro.tokyo.jp/bousai/1000031/1000804.html
消防庁防災マニュアル
 http://www.fdma.go.jp/bousai_manual/

2.外国の地震
2016年は外国でも大きな地震が発生しました。そのうちM7を超える地震は、1月にカムチャッカでM7.2、4月にバヌアツでM7.3、5月に南太平洋でM7.2、7月にマリアナ諸島でM7.7、8月にニューカレドニアでM7.6、南大西洋でM7.4、北大西洋でM7.4、9月にニュージーランドでM7.2、11月にニュージーランドでM7.8、エルサルバドルでM7.2、そして12月はソロモン諸島でM7.8、パプアニューギニアでM7.9、M5以上の地震は数限りないというような状況でした。
環太平洋のエリアは地震が当たり前の地域ではありますが、2016年はM6を超える地震がイタリアで8月と10月に発生して、それぞれ300名近くの犠牲者が出てしまいました。ニュージーランドでも多くの地震が発生しました。またミャンマーや韓国、チベットなど、余り地震が発生しない地域でも地震があり、被害が出ています。地震がない地域では建築物の構造も日本とは異なり、M5クラスの地震でも大きな被害を生む場合があります。

2016年は国内・国外で多くの地震があり、地球自体の活動が活発になっているように感じられます。2017年もまだ5日しか経っていませんが、フィジーでM6.9、福島沖でM5クラスが2回発生するなど、その動きが活発化しているようです。日頃から防災意識を高めていきたいと思います。
次回は「2016年を振り返る その2」として、火山噴火を始めとする地震以外の自然災害について振り返ってみたいと思います。



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桜島について

いつもブログ・メルマガをご覧いただき、ありがとうございます。今回は、8月22日現在、噴火警戒レベル4(避難準備)が出されている桜島について取り上げてみたいと思います。1.桜島の成り立ち桜島は、鹿児島湾北奥部の姶良カルデラ南縁部に生じた東西約10km、南北約8kmの長円形の島で、その頂部は最高峰の北岳と中岳、南岳の3峰と権現山、鍋山、引ノ平などの側火山からなっています。桜島が活動を開始したのは、姶良カルデラが大...
いつもブログ・メルマガをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、8月22日現在、噴火警戒レベル4(避難準備)が出されている桜島について取り上げてみたいと思います。

1.桜島の成り立ち
桜島は、鹿児島湾北奥部の姶良カルデラ南縁部に生じた東西約10km、南北約8kmの長円形の島で、その頂部は最高峰の北岳と中岳、南岳の3峰と権現山、鍋山、引ノ平などの側火山からなっています。
桜島が活動を開始したのは、姶良カルデラが大噴火した後の約26,000年前からで、初めは海底火山だったものが大規模な噴火を繰り返して、隆起して島になりました。現在までに大規模な噴火を17回繰り返しており、その中での最大の噴火は、今から約13,000年前の大噴火で、この時には現在の鹿児島市内で1m以上、鹿児島県内の殆どの箇所で10cm以上の火山灰が積もりました。
桜島の活動は大きく二つの時期に分かれており、誕生から5000年前までが北岳の活動、約4500年前からは南岳を中心とした活動期に入り、断続的な噴火と静穏な状態を繰り返しています。有史以後の山頂噴火は南岳で起こっており、その都度、溶岩流や火砕流による大災害となっています。
記録に残る主な活動としては、最古の噴火は和銅元年(708)、15世紀後半の文明大噴火、安永8年(1779)の安永大噴火があり、噴石や降灰により多数の死者を出しています。この安永大噴火は18世紀の日本最大の噴火で、海底噴火による津波が発生し、鹿児島県沿岸部でも多くの被害が生じました。更に大正3年(1914)の大正大噴火、また昭和に入ってからも噴火活動は活発で、昭和30年(1955)に爆発した南岳山頂火口は、現在まで長期にわたり毎年のように噴火を繰り返しています。

2.代表的な噴火
① 大正大噴火
大正3年(1914)1月12日午前10時5分、噴火は桜島の西側山腹に出来た割れ目で始まり、10分後には東側山腹に出来た割れ目でも噴火が起きました。これら東西の火口からの噴煙は高度8,000mに達し、東海岸では数日で2mもの軽石が降りました。また大量のマグマを噴出し、溢れ出た溶岩流が麓の集落を襲い、死者58名、負傷者112名、噴火により埋没・全焼した家屋も約2140戸となり、集落ごと埋もれてしまった村もありました。この大正大噴火により、溢れ出した溶岩流により大隅半島との間の海峡が堰き止められ、現在のように陸続きになりました。
この時は噴火の数日前から地震が頻発し、島内の井戸が枯れるなどの異常があり、当時の村役場が対岸の鹿児島市にある測候所に問い合わせましたが、「避難せよ」という意見はなく、このような結果を招いてしまいました。10年後、住民達は桜島爆発記念碑を建て、裏に「住民は理論を信頼せず、異変を見つけたら、事前に避難の用意をすることが肝要である」と刻みました。避難誘導が遅れたのは、噴火を予知できなかった測候所に頼ったためと考えたからです。これは「科学不信の碑」とも呼ばれています。

② 昭和噴火
大正噴火が終息した後の約20年間は穏やかな状態でしたが、昭和10年(1935)9月、南岳東側山腹に新たな火口が形成され、約1ヶ月間断続的に噴火を繰り返すようになりました。
昭和21年(1946)1月から爆発が頻発するようになり、同年3月9日に火口から溶岩の流下が始まりました。この時は大正噴火とは異なり、噴火前後の有感地震が殆どありませんでした。
昭和29年(1954)12月末頃から火山性地震が増加し、昭和30年(1947)10月に南岳山頂火口で大量の噴石を噴出する爆発と、強烈な空震を伴う噴火があり、死者1名、負傷者11名を出しました。昭和47年(1972)の噴火では、噴出した高温の噴石により山火事が発生。これがきっかけとなり、被害者を守る「火山活動対策特別措置法」が制定されました。
平成18年(2006)6月には、南岳の東山腹8合目の昭和火口が58年ぶりに噴火活動を再開するなど、活発な活動状況が続いています。

3.現在の活動状況
2009年10月以降、年間爆発回数が1000回を超えるほど活動が活発な桜島ですが、2007年に運用が開始された噴火警戒レベルが、初めてのレベル4(避難準備)に引き上げられました。現在は火口3km圏内に住む51世帯77人が対象ですが、これまでの噴火の規模を上回る噴火が起きた場合、噴火警戒レベル5(避難)に引き上げ、鹿児島市が桜島全域の住民を避難させる事態も想定しています。
2015年8月15日午前7時頃から火山性地震が急増し、15日は1024回、16日は71回、17日は17回、20日午前9時までに8回まで減ってきていますが、マグマが浅い所まで上昇したまま止まっているとみられ、山体が膨張した状態が続いています。陸域観測衛星「だいち2号」の観測によると、今年1月に比べて最大16cm程度の地殻変動があったことも確認されました。また15日からは桜島の二俣港で、火山性ガスが海面に湧出する「たぎり」と呼ばれる現象が出現しました。これは鹿児島湾内の若尊カルデラで通常見られる現象ですが、二俣港では初めて出来事です。
幸いなことに規模の大きな噴火の可能性は低下してきているようですが、自然の活動は私達人間の思うようにはいきません。桜島の噴火特性から「落ち着いた状態は噴火が起こらないのではなく、むしろ噴火に近付いたと考えた方がいい」と警鐘を鳴らす専門家もいます。油断をすることなく備えていきたいと思います。
最後に、桜島関連情報をまとめたサイトを紹介します。

「桜島の噴火活動に関する情報」サイトへ移動!クリック!

火山灰に対する防災情報もありますので、ご参考になれば幸いです。



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