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全国地震動予測地図について

全国地震動予測地図について いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。6月26日に、2018年版の全国地震動予測地図が発表されました。今回は、この予測地図について取り上げてみたいと思います。地震調査研究推進本部 全国地震動予測地図 2018年版 https://www.jishin.go.jp/evaluation/seismic_hazard_map/shm_report/shm_report_2018/  1.全国地震動予測地図とは全国地震動予測地図は、将来日本で発生...

全国地震動予測地図について

 

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

626日に、2018年版の全国地震動予測地図が発表されました。今回は、この予測地図について取り上げてみたいと思います。

地震調査研究推進本部 全国地震動予測地図 2018年版

 

https://www.jishin.go.jp/evaluation/seismic_hazard_map/shm_report/shm_report_2018/

 

1.全国地震動予測地図とは

全国地震動予測地図は、将来日本で発生する恐れのある地震による強い揺れを予測し、予測結果を地図として表したもので、国の地震調査研究推進本部により2005年に初めて公表されて以来、毎年評価を改定して結果が公表されています。

全国地震動予測地図は、地震発生の長期的な確率評価と強震動の評価を組み合わせた「確率論的地震動予測地図」と、特定の地震に対して、ある想定されたシナリオに対する強震動評価に基づく「震源断層を特定した地震動予測地図」の2種類の性質の異なる地図から構成されています。

①「確率論的地震動予測地図」

日本及びその周辺で起こり得るすべての地震に対して、その発生場所、発生可能性、規模を確率論的手法によって評価し、さらにそれら地震が発生した時に生じる地震動の強さをバラツキも含めて評価することにより、一定の期間内に、ある地点が、ある大きさ以上の揺れに見舞われる確率を計算することにより作成されています。地点ごとに地震ハザード評価を実施し、地震動の強さ・期間・確率のうち2つを固定して残る1つの値を求めた上で、それらの値を示したものになっています。

「確率論的地震動予測地図」には、いろいろな種類のものがありますが、代表的なものとしては、今後30年以内に各地点が震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を地図として示したものがあります。

②「震源断層を特定した地震動予測地図」

ある特定の断層帯で発生する地震について、その地震が起きた時に断層周辺で生じる揺れの大きさを予測し、地図で示したものです。断層破壊の物理モデルに基づき、複雑な地下構造を考慮した地震波動伝播のシミュレーションを実施することにより、断層近傍域で発生する強い揺れを精度よく予測することが可能となっています。この地図を活用した例として、ある震度以上の揺れにさらされる人口の分布を示すものがあります。

 

2.2018版の特徴

予測地図は、M89級の地震が起きている南海トラフなどのプレート境界や、主要な活断層、プレート内で起きる地震の履歴を反映して作られます。震度6弱は、耐震性の低い木造家屋やブロック塀などの構造物が壊れる目安とされています。

2017年版との違いは、北海道東部の釧路市が22ポイント増の69%、根室市が15ポイント増の78%と大幅に増加しています。これは北海道太平洋側の千島海溝で起きる地震の規模と確率が見直され、M8.8以上の巨大地震が30年以内に発生する確率が740%と推定されたためです。

都道府県庁の所在地では、首都直下地震が懸念される関東南部の千葉市が85%で最も高く、横浜市が82%、水戸市が81%となり、前回版に続いて高確率となっています。東京は48%でしたが、都庁付近の地盤が比較的固いためで、湾岸部などでは80%を超す地域が広がっています。

100150年程度の間隔で起きる南海トラフ地震の震源域周辺では、高知市が75%、静岡市が70%などで、前回版から1ポイント上昇しました。

各地の確率は、防災科学技術研究所のウェブサイトで公開されています。30年以内に震度6弱以上に見舞われる確率が3%以上の「高い」地域は、オレンジや赤で示されています。最も濃い赤は26%以上で、約100年に1度以上の頻度となります。6%は約500年に1度、3%は約1000年に1度の頻度になります。

防災科学技術研究所 J-SHIS 地震ハザードステーション

  

http://www.j-shis.bosai.go.jp/map/

J-SHIS  Mapの使い方

  

http://www.j-shis.bosai.go.jp/usage

 

3.地震動予測地図を見る時の注意点

●「確率が低いから安全」ではない

日本は世界的にみると地震による大きな揺れに見舞われる危険性が非常に高く、過去200年間に国内で大きな被害を出した地震を調べると、平均して海溝型地震は20年に1回程度、陸域の浅い地震は10年に1回程度起きています。このため、自分の地域で最近地震が起きていないからといって安心はできません。

日本国内で相対的に確率が低い地域でも、1983年日本海中部地震(M7.7)2005年福岡県西方沖地震(M7.0)2007年能登半島沖地震(M6.9)のように、大きな地震が発生し、強い揺れに見舞われて大きな被害が生じました。1995年兵庫県南部地震(M7.3)2016年熊本地震(M7.3)は、確率としては比較的高い所でしたが、直近には大地震が起きていなかった場所で発生しました。

また予測地図の確率は、日本全国を250m四方のメッシュで区切り、算出されています。そのため県庁や市町村庁のある場所の地盤強度により、数値が影響されます。地盤が強い場所では確率が低くなりますが、その周辺地域の地盤は異なる可能性もあります。

●「地震動予測地図」には不確実さが含まれています

予測地図は最新の知見に基づいて作成されていますが、使用できるデータは限りがあるため、結果には不確実さが残ります。地震計が設置されたのは明治以降の100年少々で、近代的観測データがあるのは、地震が起きてきた長い歴史のうちのごく僅かの期間です。また国内には、活断層調査等がまだ十分でない地域があります。このような理由から、現時点では確率が低くても、今後の調査によってこれまで知られていなかった過去の地震や活断層の存在が明らかにされ、確率が上がる可能性があるなど、不確実性が含まれています。

 

4.いま、自分で出来ること

地震発生確率が「高い」「低い」に関係なく、まずは防災を「他人事」ではなく「自分事」にすることが必要です。

今回の大阪地震では、ブロック塀の倒壊や部屋の本棚が倒れることにより犠牲になられた方もおられました。まずは自分の家の中、その周囲、そして自分が住む地域がどのような所かを、この機会に是非確認してみることをお薦めします。

以下に、身近な地域の防災情報を確認できるサイトを紹介します。

 

産業技術総合研究所 活断層データベース

  

https://gbank.gsj.jp/activefault/index_gmap.html

国土地理院 都市圏活断層図

  

http://www.gsi.go.jp/bousaichiri/active_fault.html

国土交通省 ハザードマップポータルサイト

  

https://disaportal.gsi.go.jp/

国土交通省 地点別浸水シミュレーション検索システム

  

http://suiboumap.gsi.go.jp/ShinsuiMap/Map/

防災科学技術研究所 地震ハザードカルテ

  

http://www.j-shis.bosai.go.jp/labs/karte/

政府広報 災害時に命を守る一人一人の防災対策

  

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201108/6.html

内閣府 防災情報のページ 南海トラフ地震対策

   http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/index.html

 

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地震予知前提の見直しについて

 いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。昨年9月に、南海トラフ巨大地震の防災対策を議論してきた政府の作業部会は、東海地震の直前予知を前提にした防災対応を見直し、広範囲で防災計画を定めるように求める最終報告書をまとめました。これは直前予知は「不可能」ということです。今回はこのことについて書きたいと思います。 1.これまでの経緯東海地震は1969年に東京大学教授(当時)の茂木清夫氏が遠州...
 いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

昨年9月に、南海トラフ巨大地震の防災対策を議論してきた政府の作業部会は、東海地震の直前予知を前提にした防災対応を見直し、広範囲で防災計画を定めるように求める最終報告書をまとめました。これは直前予知は「不可能」ということです。

今回はこのことについて書きたいと思います。

 

1.これまでの経緯

東海地震は1969年に東京大学教授(当時)の茂木清夫氏が遠州灘での大地震発生の可能性を指摘したのが最初で、1976年に東京大学助手(当時)の石橋克彦氏が「駿河湾地震説」を提唱し、研究が始まりました。1854年の安政東海地震では、紀伊半島潮岬沖から駿河湾までのプレートがずれたのに、1944年の東南海地震の際は紀伊半島から浜名湖まででプレートのずれが止まってしまい、浜名湖から東側の部分のプレートがずれ残りました。このため、その部分だけ歪みが蓄積したままになっていると考えられたのです。

東海地震の予知の可能性の根拠は、1944年の東南海地震直前に行われた測量中に発生した通常では考えられない誤差で、これをプレスリップ(前兆すべり)と言います。プレスリップは、プレート境界の強く固着している領域の震源域の一部が地震の発生前に剥がれ、ゆっくりとすべり動き始めるとされる現象です。水準点の掛川市を基準に御前崎では年間45mmの沈降を続けていますが、プレスリップが発生すると沈降速度が減少して隆起に転じる可能性があり、それを歪計によって捉えようというものです。

気象庁により掛川から御前崎を中心に東海地域各所に体積歪計が設置され、24時間体制の監視が行われており、もし異常な現象が捉えられた場合には、それが大規模な地震に結びつく前兆現象と関連するかどうかを緊急に判断するため、地震学研究者6名からなる地震防災対策強化地域判定会が開催され、データの検討が行われます。その結果、もうすぐ東海地震が起きそうだと気象庁長官が判断した場合、ただちにその旨を内閣総理大臣に「地震予知情報」として報告します。そして東海地震は予知が可能ということで1978年に制定された「大規模地震対策特別措置法(大震法)」に基づき、内閣総理大臣が「警戒宣言」を発令します。

警戒宣言の対象地域は、①地震の揺れによる被害は震度6弱以上の地域 ②地震発生後20分以内に高い津波(沿岸部で3m以上、地上で2m以上)が来襲する地域が、地震防災対策強化地域に指定されています。

警戒宣言が発せられると、これらの地域では全ての社会活動や生産活動が停止して、一日で莫大な損失額が発生します。事前に様々な活動を停止することで人的被害や経済被害を軽減できるという試算もありますが、地震はいつ発生するかわかりません。そのまま発生しない可能性もあります。その場合、休業に伴う損失額はどうするのかも解決されておらず、また1944年の測量値が本当に正しかったのかという疑問を持たれ続けたまま今日に至りました。幸いにもこの40年間、総理大臣が「警戒宣言」を発するのは91日の防災訓練の日のみで、実際に地震の発生はありませんでした。

 

2.なぜ見直すか

東海地震だけではなく、南海・東南海・東海を含めた「南海トラフ地震」という考え方になったのは、2011311日に発生した東日本大震災です。この時は岩手県から茨城県までの南北500キロが震源域になり、広範囲で地震が連動するのを目の当たりにしました。

東海地震が特別視されてきたのは、①震源が陸域に近く、地下の異常を捉えやすい ②199446年の南海トラフの地震の際に断層が動かず、ひずみがたまっている、などと考えられてきたためです。

しかし、この40年間で観測網が整備され研究が進むと、「地震予知は出来ない」との見方が逆に強まりました。予知が出来なければ警戒宣言は出せず、大震法の前提自体が崩れます。更に前回の南海地震から70年以上が経過し、東海地震単独ではなく、南海トラフ全域で起こる巨大地震を警戒する必要が出て来ました。これまで東海地震が単独で発生したことはなく、また「駿河湾地震説」を提唱した石橋克彦氏も東海地震単独では発生しないと述べています。こうした事情を背景に、大震法見直しや広域での防災対策を求める声が高まり、20169月より新たな防災体制の議論が始まりました。

 

3.見直しの内容

報告書では、大震法に基づく計画に代わり新たに南海トラフ沿いの広域で、事前避難などを含めた防災計画を策定することを求めました。

まず避難を開始する前提として「予兆」を捉えた場合ではなく、南海トラフのどこかで実際に地震が発生した場合を想定しました。南海トラフの地震は、これまで駿河湾から四国沖にかけて複数の震源が同時に、もしくは32時間後や2年後などの時間差で発生しています。このため、南海トラフの東側で大地震が起きてからの3日間程度は、「大規模地震の発生が特段に高い」として、被害がなかった西側沿岸部の住民も避難することを提案しました。4日目以降や、巨大地震よりも一回り小さい「前震」らしい地震が発生した場合は、高齢者や自力避難が困難な人は1週間ほど安全な場所に避難するとしました。

そして南海トラフの地震について、「臨時」と「定例」の2種類の情報が新たに発表されることになりました。臨時情報は、①南海トラフ沿いでM7以上の地震が発生するなどして、大規模地震と関連するか調査を開始・継続 ②大規模地震の可能性が高まった ③大規模地震の可能性が高くなくなった、場合にそれぞれ発信します。

調査は、新設する気象庁長官の私的諮問機関「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の助言に基づいて気象庁が実施します。大地震の可能性が高まった場合は関係省庁災害警戒会議を開き、避難経路や備蓄の確認など、地震への備えを国民に呼びかけます。同検討会は月に一度、定例会合を開き、異常がない場合は定例情報を出します。

この定例会は昨年1127日に第1回目の検討会が開かれ、「現在のところ、平常時に比べて発生の可能性が高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」との見解が発表されました。

気象庁 南海トラフ地震に関する情報

 

http://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nteq/index.html

 

4.残された課題

内閣府は今後、静岡県と高知県、中部経済界を「モデル地区」に選び、具体的な防災対応を議論していく考えを示しました。そしてモデル地区での検討内容を踏まえ、自治体や企業が防災計画を作る際の目安となる運用指針を策定する方針です。

しかし避難計画を作成するにも、多くの課題が残されています。例えば、南海トラフの東側で大地震が起こった場合、西側の住民はいつまで避難生活を続ければいいのか。東側に続いてすぐ西側で地震が発生する場合もあれば、何年も地震が起こらないこともあります。そのような状況で、学校や鉄道、企業の経済活動をどこまで制限すればよいのか。あらかじめ決めるのも困難ですが、具体的な対策を示さないまま地震の発生確率が高まっていると発表しても、かえって社会の混乱を招く恐れがあります。

豪雨や火山噴火などの自然災害が発生する恐れのある場合、災害対策基本法に基づいて市町村長が住民に避難を指示します。また気象庁が出す大雨警報や噴火警報は気象業務法で災害の「警告」と位置付けられており、避難に直結する情報として運用されています。

一方、南海トラフ地震の臨時情報は、気象業務法の「観測成果」に過ぎず、市町村長が避難を勧告する法的根拠としては弱く、避難を勧告するかどうかは自治体による判断次第となります。

しかし専門家は、「地震に限らず、行政が適切なタイミングで避難勧告などを出せるとは限らない」と指摘しています。実際に避難勧告が遅れたり、勧告が出されなかった結果、大きな被害に繋がった災害は数々あります。行政からの避難勧告を待つのではなく、私達自身が「避難指示が出なければ逃げない」という発想から脱却して、早目の避難を心掛ける必要があります。

 

南海トラフ地震が発生しても、直接的な影響を受けない地域もあります。しかしその後の物流の停止など、日本全国に何らかの影響を及ぼします。自分の地域は関係ないと考えるのではなく、日頃から起こり得る災害を考え、防災意識を高めておくことが、自分や家族の命を守ることに繋がります。東日本大震災からもうすぐ7年を迎えます。改めてご自身の備えを確認されてはいかがでしょうか。


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速報 草津白根山噴火

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2018年1月23日午前9時59分頃、群馬県西部にある草津白根山の本白根山の鏡池周辺で噴火が発生しました。24日の時点で、1人が死亡、11人の負傷が確認されています。今回はこの噴火について、速報として紹介したいと思います。 1.これまでの経過草津白根山は、本白根山・白根山・逢ノ峰の三つの山の総称になります。もともと噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)の指定...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

2018123日午前959分頃、群馬県西部にある草津白根山の本白根山の鏡池周辺で噴火が発生しました。24日の時点で、1人が死亡、11人の負傷が確認されています。今回はこの噴火について、速報として紹介したいと思います。

 

1.これまでの経過

草津白根山は、本白根山・白根山・逢ノ峰の三つの山の総称になります。もともと噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)の指定を受けていましたが、20146月に小規模な噴火が発生する可能性があるとされ、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引き上げられました。この時は白根山にある「湯釜」で白濁が見られたりの現象が発生しました。しかし、その後は特に活動の活発化もなく、20176月に噴火警戒レベル13年ぶりに引き下げられました。

白根山は明治以降に噴火を繰り返しており、湯釜と呼ばれる火口湖周辺には、地震計や傾斜計などの観測網が整備され、気象庁が重点的に観測していました。しかし本白根山は過去一千年以上にわたり大きな噴火の記録がなく、監視カメラ等の観測網の整備も進んでいませんでした。近年になり溶岩流を伴った3000年前の噴火を含め、約5000年前~1500年前に比較的大きな噴火が6回起きたことが分ってきました。しかし限られた人や予算の中、白根山の方の観測を充実すべきとされていました。

今回の噴火では、振幅の大きな火山性微動が約8分間捉えられましたが、カメラ映像がないためすぐに噴火の確認をとることが出来ませんでした。また2014年の御嶽山噴火を受けて導入された、噴火をいち早く知らせる「噴火速報」も発表できませんでした。

 

2.噴火の特徴

今回の噴火は「マグマ水蒸気爆発」と言われています。これは地下から上がって来るマグマが地下水に接触して、爆発する現象です。その際、火山灰や噴石などを噴出させます。今回もかなり大きな噴石が飛んでおり、レストランの屋根を突き破ったり、犠牲者も出てしまいました。

事前に何度か火山性微動が発生している場合は、噴火警戒レベルの引き上げや、スキー場の休止などの対策もとれますが、今回は微動発生直後に噴火したため、多くの方が巻き込まれてしまいました。

特に現場の草津国際スキー場は人気が高く、スキー客は「火山に来ている」という認識はほとんどなかったと思います。またスキー場のゲレンデは木や岩などの障害物を取り除いて整備されているため、噴火が起きた場合は身を隠す場所がありません。今回の噴火に遭遇された方で、雪の中に身を隠すようにして避難した方もいらっしゃいましたが、やはり噴石でケガを負われました。ロープウェイも窓ガラスが割れたりしましたが、特にスキーリフトは身体を守る物が一切ないため、噴石に襲われたらひとたまりもありません。

 

3.今後の状況

今回の噴火は、一般的には規模の小さな噴火になります。顕著な地殻変動や火山性地震も減ってきて、すぐに噴火活動は小康状態になったようです。しかし「マグマ水蒸気爆発」の場合は噴火が続く可能性があり、このまま終息するかはまだ分かりません。

積雪時に噴火が起きると、溶岩などの熱で溶けた雪が火山灰と一緒に一気に下流に押し寄せる「火山泥流」が起きる場合があります。また雪崩の可能性もあり、今回も噴火の影響で雪崩が発生したようです。

地元の草津町では、未だに避難計画が策定されていません。噴火警戒レベル2の時は、人の出入りが規制されていたので、避難計画の策定は後でよいという甘えがあったと、町の担当者は話しています。特に本白根山の噴火は、誰一人想定していなかったようです。

 

噴火の翌日から、草津国際スキー場は安全な一部のゲレンデを再開しています。また草津温泉は噴火箇所から約7キロ離れているため、特に影響はありません。これから草津温泉やスキーへ行かれる方は、安全を第一に考え、必要な情報を確認した上で、出かけるようにしてください。自然は人間の思うようにならないことを、くれぐれも忘れることなく!


 

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2016年を振り返る その2

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。前回に引き続き、今回も2016年の出来事を振り返ってみたいと思います。1.火山活動2016年も環太平洋地域の火山噴火が例年より早いスピードで噴火するなど、活発な火山活動が続きました。国内では2015年8月に初めて噴火警戒レベルが4(避難準備)になった桜島は、幸いにも危惧された大きな噴火は起こらず、2015年9月にはレベル3(入山規制)に引き下げられました。2016年も噴火活...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
前回に引き続き、今回も2016年の出来事を振り返ってみたいと思います。

1.火山活動
2016年も環太平洋地域の火山噴火が例年より早いスピードで噴火するなど、活発な火山活動が続きました。
国内では2015年8月に初めて噴火警戒レベルが4(避難準備)になった桜島は、幸いにも危惧された大きな噴火は起こらず、2015年9月にはレベル3(入山規制)に引き下げられました。2016年も噴火活動は低調な状態が続いています。2月に爆発的噴火が発生しましたがその後は回数も減り、6月に5回、7月に2回の爆発的噴火が観測された後は、現在まで観測されていません。
*爆発的噴火:ガス、水蒸気、岩石等を放出し、空振を伴う現象
一方、阿蘇山では10月に36年ぶりになる爆発的噴火が起こり、噴煙が高さ1万1000mまで上がりました。火口付近に設置したカメラでは、広範囲に噴石が飛散した様子が確認されました。約300キロ離れた香川県など広範囲で降灰が確認され、阿蘇市内では灰が3cm積もりました。阿蘇山ロープウェー火口西駅の屋根には複数の穴が開き、噴石の恐ろしさを感じさせました。噴石は直径50cm以上の物が、火口から南東1.2キロ地点まで飛んだことが確認されました。熊本地震の震源域が阿蘇山直下まで及んでいたこと、阿蘇山周辺での余震活動が活発であったため噴火を懸念する声が多くありましたが、事前の予測は出来ませんでした。
2013年11月から噴火が始まった西ノ島は、噴火も治まり落ち着いた状態が続き、研究者が初の上陸を果たしました。この島はカツオドリの繁殖地になっておりその生息が心配されましたが、その存在が確認されました。また植物や昆虫も僅かに残っており、今後は溶岩で覆われた部分にも分布が広がっていくと思われます。本当に生命の力強さを見せられた感じです。
上記の火山以外にも火山活動の高まりが確認されている八甲田山(青森県)、十和田湖(青森・秋田県)、弥陀ヶ原(富山・長野県)の3火山が、12月1日から気象庁が24時間体制で観測する「常時観測火山」に追加されました。これで国内の常時観測火山は50火山になりました。
気象庁 常時観測火山
 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/gyomu/index92.html

2.台 風
2016年で特にその活動が異常だったのが台風です。最初の台風1号が発生したのは7月3日で、1951年に統計を取り始めて以来2番目に遅い発生となりました。そして天気図画面に同時に3個台風があったりと、今まで見た事のないような様相を呈していました。
通常は南シナ海で発生した熱帯低気圧が台風になり、北上して来ます。日本に上陸する場合は、沖縄や九州など西日本に上陸して東日本へ向かったり、日本海側へ抜けたり、或いは小笠原辺りから関東へ上陸したり等の進路をとりますが、今年は初めて上陸したのが北海道や東北などでその動きも異常でした。北海道に台風が上陸したのは9年ぶりでしたが、一週間で3つの台風が上陸したのに加え、台風10号の接近で暴風と豪雨による各地の川の氾濫、橋の流失が相次ぎ、JRや道路など交通網が壊滅的打撃を受けました。
特に台風10号の経路は、北上しながらその進路を太平洋側に沿って西へ動いたので中国の方へ行くかと思っていたら、まさかのUターンを行って戻って来て、岩手県に上陸しました。10号は気象庁が統計を取り始めて以来、初めて東北地方の太平洋側に上陸した台風となりました。台風の進路は海水温などの影響を受けますが、Uターンしたのは初めてです。この台風10号の豪雨により、グループホームの高齢者9人が犠牲になってしまいました。
この原因は施設側が「避難準備情報」の意味を誤解していたことが原因でした。避難情報は緊急性が高いものから「避難指示」「避難勧告」「避難準備情報」の3種がありますが、「避難準備情報」はその字のとおり準備を開始すると考えていたために避難が間に合いませんでした。本来は高齢者や自力では避難出来ない方達が、避難を開始するという意味がありました。
この台風10号の被害を受けて内閣府は12月26日、自治体が発令する「避難準備情報」の名称を「避難準備・高齢者等避難開始」に変更し、全国の自治体に新名称を使うように通知しました。また「避難指示」についても危険が差し迫っている状況をより強調するために「避難指示(緊急)」という表記に改めました。
内閣府 避難準備情報の名称の変更について
 http://www.bousai.go.jp/oukyu/hinankankoku/

3.気 象
11月24日、都心で初雪が観測されました!11月の積雪は1875年の統計開始以来初めてのことで、11月の初雪としても54年ぶりの出来事でした。筆者の居住する地域は余り雪は降らないので、チラチラ降るぐらいかなと思っていたら本格的な雪景色になり驚きでした。
一方世界では、全く雨が降らない地域、大量の雨により洪水を繰り返す地域、異常な暑さ、異常な寒さと気候が二分された感があります。アメリカでは西海岸と東海岸で正反対の天候になり、西海岸の乾燥のため自然発火した山火事はその数を増しています。また砂漠地帯では豪雨があり、その結果により一面の草原地帯が出現した地域もありました。暑い中東で雪が降ったこともありました。現在、北半球は冬で南半球は夏ですが、異常な暑さと異常な寒さの気温差が100℃近くにもなっています。
2016年の気象はますます気温の変化が激しく、日本でも一日の気温の差が10℃以上あるのが当たり前になってきました。季節外に暑かったり寒かったりと、地球の気候がどんどんおかしくなっています。

国連大学が世界171ヶ国を対象に自然災害に見舞われる可能性や対処能力を評価した「世界リスク報告書2016年版」によると、日本は総合順位で17位でした。これは地震・台風・洪水・干ばつ・海面上昇の5種類の自然災害について、28項目の指標を設けて評価したものです。自然災害に見舞われる可能性では4位でしたが、インフラ整備や対処能力、適応能力が評価されて17位になりました。
国連大学によると、2015年に世界中で346件の自然災害が発生し、約1億人が被災し、2万2000人以上が死亡し、665億ドル(7兆円)の損失があったそうです。日本の昨年の自然災害による損失を見ると、熊本地震の被害額(2.4~2.6兆円)は世界の損失の約半分を占めます。2011年の東日本大震災による被害総額は(内閣府は16兆9000億円と推計)は、世界の損失額の2年分を超える金額になります。この数字を見るだけでも、いかに日本が自然災害大国かがわかります。
自然災害は避けられませんが、防災意識を高めて各自が準備することにより、少しでも人的被害、物的被害を軽減する「防災」「減災」が重要な時代を迎えています。





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2016年を振り返る その1

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2016年も世界では大雨、干ばつ、竜巻、台風、ハリケーン、地震、火山噴火と様々な自然災害が多発しました。今回は2016年の代表的な自然災害の内、地震について振り返ってみたいと思います。まず自然災害ではありませんが、12月23日に新潟県糸魚川市で大規模火災が発生しました。被害に遭われた方には、心からお見舞いを申し上げます。この火災は鍋の空焚きが原因だったようです...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
2016年も世界では大雨、干ばつ、竜巻、台風、ハリケーン、地震、火山噴火と様々な自然災害が多発しました。今回は2016年の代表的な自然災害の内、地震について振り返ってみたいと思います。

まず自然災害ではありませんが、12月23日に新潟県糸魚川市で大規模火災が発生しました。被害に遭われた方には、心からお見舞いを申し上げます。この火災は鍋の空焚きが原因だったようですが、折からの強風に煽られて大変な大火となってしまいました。空気が乾燥している冬場は、火の取り扱いには細心の注意を欠かさないようにしたいと思います。

1.国内の地震
(1) 熊本地震
2016年も多くの地震がありましたが、その中で特筆すべきは、やはり4月に発生した熊本地震です。4月14日にM6.5の地震が発生し、益城町で震度7が観測されました。この地震に対する余震は、その日だけでも震度6弱が1回、震度5弱が1回、震度4以下が37回と、総回数が40回に上りました。翌日15日は震度6強が1回、震度5弱が1回、震度4以下が110回と、総回数が112回にも上りました。そして最初の地震が発生した約28時間後にはM7.3の地震が発生して、再度益城町で震度7が観測されました。震度7は阪神大震災、新潟県中越地震、東日本大震災でも観測されましたが、同じ地域で震度7が2回観測されたのは観測史上初めてのことになります。この地震は当初14日の地震が「前震」、16日の地震が「本震」になるとの見解が気象庁から発表されました。しかし後から大きな地震が発生して初めて「前震」だったことが判明するため、現在気象庁では「前震」という言葉を用いないようになりました。
阪神大震災の後に住宅の耐震基準が見直され、震度7にも耐える構造になりました。住宅メーカーも耐震実験を重ね、丈夫な住宅づくりに努めていました。しかし続けて2回も震度7に襲われるという予測は誰もたてておらず、新しい基準で造られた建物にも多くの倒壊被害が出てしまいました。
よく地震特集番組で目にしますが、某研究所が行った耐震補強をした家としていない家を震動台で揺らすと、補強をしていない家だけが崩れてしまう映像をご覧になったことがあると思います。映像の公開はしていませんが、実は耐震補強をした家を再度揺らしたところ、倒壊してしまいました。東日本大震災の時にも多くの地域で震度6弱や強が観測されました。一見何の被害が出ていないように見える家屋も、家の中の見えない部分はどうなっているか分かりません。次に大きな地震に襲われた際には、倒壊の可能性も考えられます。せめて目に見える外側の部分のみでも、土台部分に亀裂が入っていないか等の確認をしておきましょう。

(2) 三重県南東沖地震
4月1日に三重県南東沖を震源とするM6.5の地震が発生しました。震源地が海上だったので最高震度は4でしたが、この地震の発生した場所は1944年の昭和東南海地震の震源に近く、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界付近のため、切迫する南海地震との関連が気になる地震です。この日は新年度の初日に当たり、役所や会社では新入社員や移動初日の人も多い日でした。移動したての防災担当者が、何をしていいのか分からずに戸惑っていたという声もあちこちで聞こえてきました。災害は時を選ばないで襲ってくることを、肝に銘じていたいと思います。
2017年1月3日には、上記とほぼ近い場所でM4.8の地震が発生しました。この地震の震源は深さ380kmと深く、震度が観測されたのが東北から関東地域でした。1月4日にフィジー諸島でM6.9の地震がありましたが、この2日前にも500kmを超える深い場所で、M5.3とM6.3の地震が発生しています。深発地震の後に必ずしも大地震が発生するわけではありませんが、「南海トラフ地震が2017年に発生してもおかしくない」と述べる専門家もおり、注意しておきたい地震です。

(3) 緊急地震速報の誤報
8月1日に、関東地方を震源とするM9.1、最大震度7という緊急地震速報が一部の人に配信されました。緊急地震速報は一般向けと鉄道事業者等の高度利用者向けがあり、今回の誤報は高度利用者向けのものでした。これはどこか1ヶ所の地震計で揺れを感知したら速報が配信されるようになっており、千葉県富津市にあった地震計で落雷によるノイズを観測し、配信されたのが原因のようでした。2013年にも奈良県を震源とする最大震度7の地震という、緊急地震速報の誤報がありました。この時は海底地震計で観測したノイズを、地震の揺れとして誤って計算したことが原因でした。
いずれも地震が本当に発生しなかったことは良かったですが、速報を受信した際にどのような行動をとるかが大切になってきます。年末の12月28日に茨城県北部を震源とするM6.3の地震の際にも、緊急地震速報が配信されました。該当地域にお住まいの方は、この時にどんな行動をとったでしょうか?前もって揺れが分かるのは有り難いですが、技術の限界もあります。改めて揺れが始まった時のご自身の行動を確認してみましょう。

(4) その他の地震
2016年は他にも6月に北海道内浦湾で震度6(M5.3)、10月に鳥取県中部で震度6(M6.6)、11月に福島県沖で震度5弱(M7.4)の地震が発生しました。福島の地震の際には津波注意報も発令されました。そして12月には茨城北部で震度6弱(M6.3)の地震がありました。
気象庁によると震度1以上の地震は昨年の3.5倍にもなり、一年間で6566回の地震を観測し、東日本大震災以降では最大の数字になったそうです。そのうち震度5弱が18回、震度5強が5回、震度6弱が7回、震度6強が2回、そして震度7が2回に上ります。
首都直下型地震や南海トラフ地震が確実に近付いてきている現在、改めて防災対策を見直しておくことが大切になります。
東京都防災ポケットガイドブック
 http://www.bousai.metro.tokyo.jp/bousai/1000031/1000804.html
消防庁防災マニュアル
 http://www.fdma.go.jp/bousai_manual/

2.外国の地震
2016年は外国でも大きな地震が発生しました。そのうちM7を超える地震は、1月にカムチャッカでM7.2、4月にバヌアツでM7.3、5月に南太平洋でM7.2、7月にマリアナ諸島でM7.7、8月にニューカレドニアでM7.6、南大西洋でM7.4、北大西洋でM7.4、9月にニュージーランドでM7.2、11月にニュージーランドでM7.8、エルサルバドルでM7.2、そして12月はソロモン諸島でM7.8、パプアニューギニアでM7.9、M5以上の地震は数限りないというような状況でした。
環太平洋のエリアは地震が当たり前の地域ではありますが、2016年はM6を超える地震がイタリアで8月と10月に発生して、それぞれ300名近くの犠牲者が出てしまいました。ニュージーランドでも多くの地震が発生しました。またミャンマーや韓国、チベットなど、余り地震が発生しない地域でも地震があり、被害が出ています。地震がない地域では建築物の構造も日本とは異なり、M5クラスの地震でも大きな被害を生む場合があります。

2016年は国内・国外で多くの地震があり、地球自体の活動が活発になっているように感じられます。2017年もまだ5日しか経っていませんが、フィジーでM6.9、福島沖でM5クラスが2回発生するなど、その動きが活発化しているようです。日頃から防災意識を高めていきたいと思います。
次回は「2016年を振り返る その2」として、火山噴火を始めとする地震以外の自然災害について振り返ってみたいと思います。



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