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「噴火津波について」

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2019年を迎えたばかりの3日に、熊本県でM5.1、最大震度6弱の地震が発生しました。震度6弱が観測された和水町では一部塀の破損があったようですが、幸いにも大きな被害はなかったようです。マグニチュードに対して震度が大きかったのは、和水町周辺の地表付近に軟らかい地盤が存在し、その地盤の影響で揺れが増幅されたようです。年末の12月22日には、インドネシアのスンダ海峡...

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
2019年を迎えたばかりの3日に、熊本県でM5.1、最大震度6弱の地震が発生しました。震度6弱が観測された和水町では一部塀の破損があったようですが、幸いにも大きな被害はなかったようです。マグニチュードに対して震度が大きかったのは、和水町周辺の地表付近に軟らかい地盤が存在し、その地盤の影響で揺れが増幅されたようです。
年末の12月22日には、インドネシアのスンダ海峡で火山噴火による津波が発生し、500人以上の死者・行方不明者を出してしまいました。今回はこの噴火津波について取り上げたいと思います。

1.概 要
2018年12月22日午後9時半(日本時間22日午後11時半)頃、インドネシア西部のスマトラ島とジャワ島の間のスンダ海峡で津波が発生しました。特にジャワ島西部の海岸沿いで、甚大な被害が発生しました。この津波の原因は、スンダ海峡にあるアナク・クラカタウ山の火山活動により山体が崩壊し、海に流れ込んだ土砂により津波が発生したと考えられています。噴火後、20分ほどで津波が襲来し、死者429人、負傷者1,485人、行方不明154人、1万6000人以上が家を失うという被害が出てしまいました。津波の高さは3~4mで、標高13m付近まで遡上した場所もあったようです。
インドネシアでは2004年12月26日のスマトラ大地震以降、2005年、2009年、2010年にも津波を伴う大地震がありました。2018年7月以降も中部ロンボク島では地震が断続的に発生し、564人が死亡しました。9月28日には中部スラウェシ島で起きた地震と津波で、2101人の死亡が確認されました。これらの災害が続き、インドネシアの人々は津波の知識も持ち、「地震が起きたら津波が来る」と避難行動もとっていました。しかし、今回は地震の揺れもなく、いきなり津波が襲来したためより被害が拡大してしまいました。
■津波にのまれるライブ会場
動画サイトへ→ https://www.youtube.com/watch?v=RUaYf9uXTYs

アナク・クラカタウ山は2018年6月以降、ほぼ毎日のように噴火が観測されていました。現地の人々にとっては、噴煙を吐く火山島は日々の生活の景色の一部になっており、小さな噴火のたびに避難することは不可能でした。
アナク・クラカタウ火山島の位置にはもともとクラカタウ島という火山島が存在していましたが、1883年8月の噴火で大部分が消失しました。この時の噴火では
・最高で高さ41mの巨大な津波が発生して3万人以上が死亡
・噴出した高熱の火山灰で数千人が死亡
・噴火音は数千キロ離れた場所でも聞こえたという
・爆発後の1年で、世界の平均気温は摂氏1度以上低下した
このような激しい噴火でクラカタウ島はほとんど消滅し、その後、1927年の噴火によりアナク・クラカタウ島が誕生しました。
今回の噴火により、アナク・クラカタウ山の標高は噴火前の338mから1/3の110mになってしまいました。現地調査を行った研究者は「短い周期で次々と押し寄せた今回の津波は、地震による津波より瞬間的な破壊力が強かった」と指摘しています。22日の噴火後も、斜面から岩や火山灰などの崩落が続き、噴火活動も依然として活発なため、新たな津波の可能性もありインドネシア政府は警戒を呼びかけています。
国土地理院 「だいち2号」による画像
動画サイトへ→http://www.gsi.go.jp/cais/topic181225-index.html


2.日本でもあった噴火津波
今回の噴火による津波発生は、日本でも過去に多くの発生事例があります。その代表的な事例を紹介します。

(1) 北海道駒ヶ岳
1640年(寛永17年)7月31日、大規模噴火が発生して南側と東側の山体が一部崩落し、岩屑なだれが大沼と内浦湾になだれ込み津波が発生、沿岸で700余名が溺死しました。古文書の記録によると、津波の遡上高は最大8.5mあったようです。また山体崩壊と同時に火砕流も発生しました。山体崩壊後、8月2日まで軽石・火山灰を激しく噴出し、降灰、火砕流が発生、その活動は8月下旬まで続きました。

(2) 北海道渡島(おしま)大島
北海道南端の渡島半島の西側沖合約60kmに位置する渡島大島が、1741年(寛保元年)8月27日に大噴火を起こしました。山体崩壊から約10分後に半島西側の江差から松前にかけて、約15分後に奥尻島全域や、せたな町などを大津波が襲った記録が残っています。この津波による死者は1,467人で、最大の被災地は江差と松前の中間に位置する上ノ国町の石崎地区でした。50軒ほどあった家屋が全戸流失し、住民一人が生き残った以外は全て溺死したと伝えられています。この地区は海を隔てた渡島大島に面していたわけではなく、島との間には石崎川と、更に海側には砦が建つ高い丘陵がありました。しかし津波はこの丘陵を右から左へ乗り越え、建物を破壊したのです。丘陵の高さは海抜19.4mありましたが、渡島大島の噴火による津波は、この高さの丘陵を乗り越えるほど巨大なものでした。この津波の原因は、噴火による大規模な山体崩壊という説と、低周波地震によるものという説があります。
■北海道新聞 火山噴火が原因の津波
動画サイトへ→https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181230-00010000-doshin-hok.view-000

(3) 雲仙普賢岳
雲仙普賢岳は今から223年前、1791年~1792年にかけて噴火活動が活発化し、その最末期の1792年5月21日(寛政4年4月朔日)の夜、M6.4の地震が発生し、島原城下町の西側にそびえる眉山が大規模な山体崩壊を起こしました。崩壊した岩石や土砂が流れ、島原城下町南部と付近の農村を埋め尽くしただけでなく、有明海に流入して大津波を発生させました。この大津波は島原半島の沿岸や有明海対岸の熊本や天草の沿岸を襲い、さらに熊本の海岸で反射した津波は再び島原に返り被害を拡大させました。津波の遡上高は熊本側で15~20mとされ、三角町大田尾では22.5mに達しました。島原半島側では布津大崎鼻で57m以上との記録もあります。この災害による死者は島原側で5000人、肥後側で1万人にも達しました。この時の災害は「島原大変肥後迷惑」と呼ばれ、日本最悪の火山災害でした。
雲仙普賢岳は最近でも1990年から噴火が始まり、翌1991年6月3日に大火砕流が発生し、報道関係者や火山学者、消防団員など43名の死者、9名の行方不明者を出しました。
■国土交通省 九州地方整備局 雲仙復興事務所
動画サイトへ→http://www.qsr.mlit.go.jp/unzen/sabo/omake/02taihenki.html

2013年11月から始まった西ノ島の噴火では、もし山体崩壊が生じると、父島に1mを超す津波が来る可能性を示すシミュレーション結果が出ています。1896年の明治三陸津波は地震による津波でしたが、揺れ自体はかすかな揺れだったため、ほとんど警戒されていなかったところに巨大津波が押し寄せ、2万人を超える犠牲者が出てしまいました。
津波を発生させる要因は多様です。沿岸部などに残る過去の津波の痕跡を調べて、各地での発生メカニズムを検討することも、津波対策の充実になります。また津波の早期感知も大切になります。各地の沿岸や沖合などに設置した潮位計や波浪計、海底津波計が異変を捉えることが出来れば津波警報を出すことはできますが、今回のインドネシアのように火山噴火による山体崩壊の予測は不可能と言えるでしょう。まず基本となるのは迅速な避難です。





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南海トラフ地震の避難計画について

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。南海トラフ地震は、M8~M9クラスの地震が30年以内に70~80%の確率で発生すると言われていますが、国の中央防災会議が前兆地震での避難計画についての報告書案をまとめました。今回はこのことについて取り上げたいと思います。1.これまでの経緯南海トラフ地震(南海・東南海・東海地震)は、これまでにも100年から150年周期で繰り返し発生してきました。直近の地震は1944年に昭...

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
南海トラフ地震は、M8~M9クラスの地震が30年以内に70~80%の確率で発生すると言われていますが、国の中央防災会議が前兆地震での避難計画についての報告書案をまとめました。今回はこのことについて取り上げたいと思います。

1.これまでの経緯
南海トラフ地震(南海・東南海・東海地震)は、これまでにも100年から150年周期で繰り返し発生してきました。直近の地震は1944年に昭和東南海地震、1946年に昭和南海地震が発生しており、東海地震の想定震源域は1854年の安政東海地震以来動いていませんでした。そのため将来必ず発生する東海地震を予知する目的で、24時間体制の観測体制が敷かれ、1978年には「大規模地震対策特別措置法(大震法)」が施行され、研究が続けられてきました。
もし異常な現象が捉えられた場合は、それが大規模な地震に結びつく前兆現象と関連するかどうかを緊急に判断するため、地震学研究者6名からなる地震防災対策強化地域判定会が開催され、データの検討が行われます。その結果、もうすぐ東海地震が起きそうだと気象庁長官が判断した場合、ただちにその旨を内閣総理大臣に「地震予知情報」として報告し、大震法に基づき「警戒宣言」を発令することになっていました。毎年9月1日の防災訓練では、この手順が行われているのをニュースで目にしていると思います。
東海地震だけではなく、南海・東南海・東海を含めた「南海トラフ地震」という考え方になったのは、2011年3月11日に発生した東日本大震災がきっかけです。この時は岩手県から茨城県までの南北500キロが震源域になり、広範囲で地震が連動するのを目の当たりにしました。東海地震が特別視されてきたのは、①震源が陸域に近く、地下の異常を捉えやすい ②1944~46年の南海トラフの地震の際に断層が動かず、ひずみがたまっている、などと考えられてきたためです。
しかし、この40年間で観測網が整備され研究が進むと、「地震予知は出来ない」との見方が逆に強まりました。予知が出来なければ警戒宣言は出せず、大震法の前提自体が崩れます。更に前回の南海地震から70年以上が経過し、東海地震単独ではなく、南海トラフ全域で起こる巨大地震を警戒する必要が出て来ました。これまで東海地震が単独で発生したことはなく、大震法見直しや広域での防災対策を求める声が高まり、2016年9月より新たな防災体制の議論が始まりました。

2.見直しの内容
見直しでは、大震法に基づく計画に代わり新たに南海トラフ沿いの広域で、事前避難などを含めた防災計画を策定することを求めました。
まず避難を開始する前提として「予兆」を捉えた場合ではなく、南海トラフのどこかで実際に地震が発生した場合を想定しました。南海トラフの地震は、これまで駿河湾から四国沖にかけて複数の震源が同時に、もしくは32時間後や2年後などの時間差で発生しています。このため、南海トラフの東側で大地震が起きてからの3日間程度は、「大規模地震の発生が特段に高い」として、被害がなかった西側沿岸部の住民も避難することを提案しました。4日目以降や、巨大地震よりも一回り小さい「前震」らしい地震が発生した場合は、高齢者や自力避難が困難な人は一週間ほど安全な場所に避難するとしました。
そして南海トラフの地震について、「臨時」と「定例」の2種類の情報が新たに発表されることになりました。臨時情報は、①南海トラフ沿いでM7以上の地震が発生するなどして、大規模地震と関連するか調査を開始・継続 ②大規模地震の可能性が高まった ③大規模地震の可能性が高くなくなった、場合にそれぞれ気象庁が発信します。

3.避難計画報告書案
当初は南海トラフのどこかで実際に地震が発生した場合の避難を想定しましたが、前兆となり得る現象が起きた場合、被災していなくても避難を始めるなど、住民や企業がとるべき防災対応が示されました。国は今後、対応をより具体化させた指針を作成し、自治体や企業には指針に基づく防災計画の策定を求めます。
前兆現象としては、①巨大地震の想定震源域のうち、東側か西側のどちらかをM8以上の地震が襲う「半割れ」②想定震源域の一部でM7以上の地震が起きる「一部割れ」③想定震源域で断層がずれ動く「ゆっくりすべり」の3つです。
前兆現象が起きた場合「臨時情報」が出されますが、①~③のいずれかに当たると評価された時には、最短2時間以内で2回目の発表が行われます。その上で、
①の場合:直近の2事例(昭和と安政)で東西が連動した地震が起きているので、揺れに襲われていない側でも、地震発生後の避難では津波到達までに逃げ切れない地域の住民と、逃げ切れない可能性のある地域の高齢者や障害者らのあらかじめの避難
②の場合:過去の事例から①ほど大地震が起きる可能性は高くないため自主避難を基本とし、期間は一週間程度
③の場合:避難を求めず、日常生活の中で警戒レベルを引き上げる
以上の3パターンに分けました。
企業は①、②とも原則的に事業は継続します。内閣府は年明け以降、自治体や企業が防災計画を策定するための指針作りを開始します。

4.事前避難の課題点
臨時情報が発表された際に、社会が混乱に陥る可能性があります。住民の不安や動揺を抑え、冷静な避難行動に結びつけるには、詳細な指針や防災計画の策定が不可欠ですが、まだまだその動きは始まったばかりです。
南海トラフ巨大地震は連動して動いているのも事実ですが、ほぼ同時に発生したり25時間後に発生した場合もあれば、直近の昭和南海地震と昭和東南海地震の時は2年間の間隔がありました。そのため一週間の避難も空振りに終わることもあり得ます。
そしてどこで一週間の避難生活を行うのか、その環境整備も求められます。特に高齢者や病人など、医療や介護が必要とされる方々もいらっしゃいます。その方々を収容できるだけのスペースがあるのか、避難期間中の体調管理はできるのか等、様々な問題が存在します。

内閣府は今年3月、巨大地震が発生時に3m以上の津波などが想定される29都道府県707市町村を対象にアンケート調査を行い、699市町村が回答。臨時情報発表後の避難勧告や避難指示などの発令について、165自治体(23.6%)が「検討の必要なし」と回答しました。その理由としては「予測の確度が高くない」「情報の内容がよくわからない」などが挙がりました。「検討の必要あり」は498自治体(71.2%)でしたが、避難勧告などを「既に検討している」としたのは36自治体で、全体の僅か5.2%でした。一方、「避難所を開設し、地震が発生しなかった場合の補助制度を整備してほしい」といった要望もありました。
「事前避難」と言うのは簡単ですが、実際に避難場所を開設し、そしてそこで住民達が生活するための食事を始めとする必需品も膨大な量、そして経費もかかります。検討を考えている自治体も、現実的な問題に直面し、前に進めないというのが実情だと思います。
南海トラフ巨大地震は必ず発生します。それが連動ではなく単発だとしても、必ず発生します。そして該当地域以外に居住する人々も、ひとたび大地震が発生すると、その後、数年~十数年の影響が及びます。行政を当てにするのではなく、私達一人一人が防災意識を高め、身の安全について考えていく必要があるのではないでしょうか。


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キラウエア火山の噴火について

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2018年5月3日午後4時45分(日本時間4日午前11時45分)ころ、ハワイ島にあるキラウエア火山が噴火を始めました。今回はキラウエア火山について取り上げてみたいと思います。1.ハワイ諸島の形成日本からの海外旅行先で人気が高いハワイは、米国最南端の州で、世界で最も隔離された群島になります。このハワイ州はミッドウェイ珊瑚などを含む北西ハワイ諸島と、オアフ島など主要8...


いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
2018年5月3日午後4時45分(日本時間4日午前11時45分)ころ、ハワイ島にあるキラウエア火山が噴火を始めました。今回はキラウエア火山について取り上げてみたいと思います。

1.ハワイ諸島の形成
日本からの海外旅行先で人気が高いハワイは、米国最南端の州で、世界で最も隔離された群島になります。このハワイ州はミッドウェイ珊瑚などを含む北西ハワイ諸島と、オアフ島など主要8島からなるハワイ諸島で構成された、132の島、岩礁、砂洲で形成されています。主要8島は、ハワイ島、カホオラヴェ島、マウイ島、ラナイ島、モロカイ島、オアフ島、カウアイ島、ニイハウ島で、このうちニイハウ島とカホオラヴェ島は一般人の入島が制限されています。
ハワイ諸島は今から500万年前に海底火山で隆起。その後、プレートの移動で北西にずれて、各島が次々に造り出されたと言われています。カウアイ島では長年の浸食による起伏の激しい地形が見られます。そしてハワイは典型的なホットスポットで、マントル深部から物質が供給されており、南東端のハワイ島では現在も活発な火山活動が続いています。
ハワイを載せる太平洋プレートは北西方向へ年間10cm程度の速さで動いているので、ハワイ諸島は北西へ行くほど島の形成が古くなっています。ホノルルのあるオアフ島は、ハワイ島から約350km北西にあり、その年代は約350万年前になります。最も北西にあるカウアイ島より先は、浸食によって削られて海上には姿を現してはいませんが、海山列が連なっています。
そしてこのハワイ諸島周辺では、巨大な海底地滑りが数多く発生したことが1980年代後半の調査で明らかになりました。島の面積よりもずっと広い海底地滑り跡があり、地滑り堆積物で覆われる総面積はハワイ諸島の数倍にも達し、一つの地滑り堆積物の体積は、海上に出ている島の体積の数分の1にも及ぶほどです。
またハワイ諸島は太平洋の真ん中にあるため、太平洋の周囲の沈み込み帯で巨大地震が発生すると、その津波による被害を免れることが出来ません。特に1946年アリューシャン列島で発生したM8.1の地震では、津波により160名の死者、2600万ドルもの被害が発生しました。ハワイ島のヒロでは、津波の高さは10mにも上ったそうです。この津波被害を受けて、アメリカ合衆国は地震警戒システムをつくり、太平洋津波警報センター(Pacific Tsunami Waring Center)と命名しました。日本の気象庁も、南米などの地震に対する津波警報は、ここからの情報を基にしています。

■地球紀行 大陸形成と移動 
   http://www.geocities.jp/t_shimizu2003/earth_histry_3_2_m.html

■ホットスポットで島ができるまで (歯医者さんのブログ)
   http://www.midorino-dc.jp/app/Blogarticleview/index/ArticleId/83


2.キラウエア火山
ハワイ島にあるキラウエア火山は、ハワイ語で「吹き出す」または「多くまき散らす」を意味する盾状火山で、緩やかに傾斜する斜面を持ち、底面積が広く、粘性の低い玄武岩質のマグマを流出させます。
キラウエア火山が形成され始めた時期は30万年から60万年前と推定されており、5万年から1万年前に海上に現われたようです。キラウエア火山の噴火は、20世紀中に45回の噴火が記録されています。1983年から始まった噴火は、幾度かの不活発化の時期を含み現在まで約35年間継続しています。爆発的噴火はまれで、溶岩流の流れはゆっくりしていて比較的安全な火山とされ、ゆっくり流れるマグマをすぐ近くで見学できる人気の観光地になっていました。
しかし2017年に入ってからは、その活動が非常に活発になり、激しい溶岩の噴出が絶え間なく続き、海へマグマが流れ込む状態が恒常化していました。そして今年5月3日からは、今までにない激しい噴火が始まりました。今回のような複数の噴火が起きたのは、1951年以来になるそうです。
地震も頻繁にあり、噴火の前日にM5.0、そして噴火が始まってからはM5.4、M6.9が発生しました。震源はレイラニ・エステーツの南西16kmで、ハワイ島では過去24時間に119回の地震が発生しました。このM6.9の地震は1975年に起きたM7.1の地震以来の規模で、今回もほぼ同じ場所で発生しました。

■HUFFPOST NEWS
   https://www.huffingtonpost.jp/2017/02/07/kilauea_n_14633664.html


3.今後の見通し
3日から始まった噴火ですが、噴火から数時間後、ハワイ州は非常事態宣言を発令し、同時に噴火の影響のある住民に避難命令を出し人的被害はありませんが、これまでに倒壊した建物36棟、住民や観光客およそ2000人が避難を余儀なくされています。現在も活発な活動が続いており、8日現在では南東部のレイラニ地区で新たに2つの火孔が確認され、これまでに14個の火孔から溶岩と火山ガスの流出が続いています。
アメリカ地質調査所(USGS)やハワイ郡民間防衛局によると、レイラニ地区を南北に縦断する幹線道路ハイウェイ130号では、過去24時間で亀裂の幅が4cm広がり、深さは1m近くに達しました。周辺道路はおびただしく湧き上がる噴気によってアスファルトが波打ったように変形しているうえ、路肩に駐車しておくと、いつ車が溶岩流に呑み込まれるかわからない状態になっています。

■YouTube キラウエア火山噴火映像
  https://www.youtube.com/watch?v=nQQ1UaXesEo
  https://www.youtube.com/watch?v=IZZZgO48T98
  https://www.youtube.com/watch?v=z4XmY-m95FQ

山頂のハレマウマウ火口の溶岩湖は先月末からマグマ量が急速に減少し、頭位が220m下がりました。露出した火口壁からは地震のたびに岩石が崩れ落ち、ハワイ火山観測所(HVO)の研究者が警戒を高めています。専門家は「地下水がマグマに接触すると、1924年に起きた強力な爆発に繋がる恐れがある」と危惧しています。1924年5月の噴火では、今回と同じ東リフト地帯で巨大爆発が相次ぎ、噴火の回数は2週間あまりで50回以上にもなりました。この時もハレマウマウ溶岩湖はマグマの急激な流出が進み、マグマが上昇する火道に地下水が流れ込んで水蒸気爆発が発生。その噴煙は上空9,000mに達し、14トンもの巨大な噴石が飛び散り、観光客が死亡した記録が残っています。
USGS(アメリカ地質調査所) 1924年噴火について(英語)
  https://volcanoes.usgs.gov/volcanoes/kilauea/geo_hist_1924_halemaumau.html

9日午前には、ハレマウマウ火口で短い爆発が発生しました。この爆発は火口壁の岩が崩れ落ちた衝撃で引き起こされた可能性が高く、噴火継続時間は短いものでした。この噴火から1時間後に火山学者が溶岩湖を観測した際、底の方で煮えたぎる溶岩が見えたといいます。
この噴火を受けてUSGSとハワイ火山観測所では、今後数週間のうちに爆発的な噴火が起きる可能性があると発表しました。また有害なスモッグや酸性雨が発生する恐れもあるとして、警戒を呼びかけています。
東部の住宅地では地面の亀裂から溶岩が流れ出し、有毒ガスが放出しています。当局は、二酸化硫黄の濃度が危険な水準にあると警告しています。こうした有毒ガスなどが湿気や埃と混じって火山スモッグが発生し、硫酸の水滴によって呼吸器系の問題を生じさせる恐れがあります。
専門家は「現時点で、そうした爆発的な活動が起きるかどうかの確証はない。爆発が起きた時の規模や、爆発的な活動がどれくらい続くのかもわからない。現在の活動は、南東部レイラニ地区に集中しているが、噴火活動が長引くと、他の地域も危険にさらされる可能性がある」と警告しています。

■BBC Nature ハワイ諸島の山体崩壊による超巨大津波説について
  https://matome.naver.jp/odai/2139798174919065501/2144404318037212003





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「三河地震について」

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2018年4月14日、愛知県西部を震源とする1日3回の有感地震が発生しました。いずれの震源も北緯34.8度、東経137.1度、深さ10kmが2回、北緯34.9度、東経137.3度、深さ40kmが1回と、ほぼ同エリアでの発生になっています。そしてこの場所は1945年1月13日に死者2,300名以上を記録した三河地震(M6.8)の震源地にごく近い場所で発生した地震ということで、今後の動きに注目が集まってい...

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
2018年4月14日、愛知県西部を震源とする1日3回の有感地震が発生しました。いずれの震源も北緯34.8度、東経137.1度、深さ10kmが2回、北緯34.9度、東経137.3度、深さ40kmが1回と、ほぼ同エリアでの発生になっています。
そしてこの場所は1945年1月13日に死者2,300名以上を記録した三河地震(M6.8)の震源地にごく近い場所で発生した地震ということで、今後の動きに注目が集まっています。今回はこの1945年の三河地震について取り上げてみたいと思います。

1.地震の概要
三河地震は1945年1月13日午前3時38分、愛知県東部を震源とするM6.8の内陸直下型の地震として発生しました。岡崎平野南部や現在の安城市、西尾市、幡豆郡吉良町・幡豆町(共に現在は西尾市)、額田郡幸田町、蒲郡市などに局地的な大被害をもたらしました。最大震度は後年の調査により、震度7相当と見積もられています。プレート内活断層が起こした地震で、地表に明瞭な地震断層が出現したり、多数の前震などが確認されています。また震源地が三河湾の海底だったため、三河湾沿岸では最大31cmの小規模な津波も観測されました。
三河地震は、1945年の終戦前後に4年連続で1,000人を超える死者を出した四大地震「1943年 鳥取地震」(昭和18年9月10日)、「1944年 東南海地震」(昭和19年12月7日)、 「1946年 南海地震」(昭和21年12月21日)の一つとしても知られています。
この地震は深溝断層と横須賀断層の活動によって引き起こされましたが、深溝断層は愛知県指定天然記念物に指定されています。西尾市の妙喜寺には、地震の際に出来た10mにも及ぶ地割れ跡が残っています。現在ではこの地震の記録が風化しないようにと地割れ跡の上に上屋を設け保存されており、地震の激しさを示す遺構として残されています。実際に被災し、姉を亡くされた住職は、新聞のインタビューで「若い人に70年前の地震のことを言葉で伝えるのは難しい。生々しい体験をした被災者が亡くなっていく中、子供達に身近な場所で大きな災害があったことを、断層の存在を通して伝えたい」(平成27年1月13日、日本経済新聞『幻の震災語り継ぐ』)と語っており、妙喜寺は「震災を後世に伝えたい」という強い思いが感じられる史跡となっています。
妙喜寺 http://myokiji.com/company.html

2.被害状況
三河地震は震源が浅く、地震の規模がM6.8と比較的大きかったにもかかわらず、戦時中の報道管制によりあまり報道されることもなく、被害報告も僅かしか残されていませんでした。しかし地震被害を報告した当時の帝国議会秘密会の速記録集が発見され、1970年代になって愛知県防災会議が被害実態を把握するための調査にとりかかりました。
震源域の三河地域では昭和東南海地震よりも多くの死者が記録されており、死者1,180人、行方不明者1,126人、負傷者3,866人、家屋の全壊が7,221棟、半壊が16,555棟、その他2万4,311棟とされています。特に現在の西尾市を中心とした幡豆郡と、現在の安城市を中心とした碧海郡の2つの郡に被害が集中しており、死者2,652人に達したという記録もあります。亡くなられた方の死因については、他の内陸直下型の地震と同様に、家屋倒壊による圧死者が多かったと考えられています。就寝中に突然、強烈な地震動に襲われ、逃げる間もなく家が潰れたという状況でした。この地震の37日前に東南海地震があり、その揺れによる家屋の損傷が既に発生していたため、今回の揺れに耐えられなかった家屋が多かったようです。特に戦時中のため、殆どの家では家屋を修理することなくそのまま住み続けていたため、被害の拡大に繋がってしまいました。被害が甚大な地区では、どの家でも死者がでるほどの高い死亡率だったそうです。妙喜寺でも本堂が倒壊し、疎開していた国民学校の生徒と教師に死者が出ています。その他、平坂町(現・西尾市)では堤防が4m沈下して79ヘクタールの水田が海水に没したり、矢作古川周辺では液状化現象も見られました。
三河地震による被害は、20~30km四方の狭い範囲に集中していました。深溝断層が集落の中央をほぼ北から南に走った形原町金平地区では、断層の西側が東側へのし上がるように動きました。そのため全壊及び半壊の家屋は断層の上盤側に当たる西側に集中し、ほとんどすべての家屋が倒壊しました。反対に断層の下盤側となる東側は、地表に現れた断層に接した場所も含めて、倒壊した家屋は一軒もないという、活断層地震特有の被害になっています。

愛知県 歴史地震に学ぶ防災・減災サイト 
http://www.pref.aichi.jp/bousai/densho/index.html
*ブラウザの種類により、一部反映されない場合があります
  
愛知県 防災減災ガイド ダウンロード
http://www.pref.aichi.jp/bousai/densho/pdf.html

3.発光現象
三河地震では、地面が揺れる瞬間、あるいは地震の前触れとして、地面から光が出たという目撃証言が多くあります。これは宏観異常現象といわれ、大きな地震の前触れとして発生、ないしは知覚されると言われている、生物的・地質的・物理的異常現象とされるものです。
近年の岩石実験により、そのメカニズムが解明されてきました。
三河地震で発光現象を目撃した人は、
「地震の後、蛍光灯がぼやけた程度ぐらい辺りが明るくなった」「余震があるたびに明るくなり、明るくなった時ほど強く揺れ、あまり明るくならなかった時は揺れも小さかった」「余震の前後に空が明るくなって、稲光よりももっと白く光った」「地下からモワーッという感じで何とも言えない明かりが出て、夜でも懐中電灯が要らなかった」というような証言が得られています。
地震発光現象は1600年代から文献に登場しており、そのうちの85%が断層上もしくはその周辺で確認されたもののようです。三河地震のように余震のたびに光ったという記録は、数少ないかもしれません。なお1995年の阪神大震災の時にも、発光現象の目撃証言がありました。

4.今後はどうなる?
1945年の三河地震の前後ではどのような地震が起きていたのか、また三河地震はどのような地域に影響を及ぼしていたのでしょうか。
何と言っても特筆すべきなのが、1945年1月13日の三河地震(M6.8)が1944年12月7日の昭和東南海地震(M7.9)と、1946年12月21日の昭和南海地震(M8.0)の間に起きていた地震という点です。位置的にも南海トラフとの関連は決して無視できません。
そして、三河地震以降に起きていた目立った地震としては、まず愛知県西部や三河湾といった震源でM5を超える地震が1週間以内に15回以上起きていた以外では、三河地震の2週間後に新島・神津島近海でM5.3、震度2、また1ヶ月後に青森県東方沖でM7.1という大地震が発生していたことが挙げられます。
今回、2018年4月14日の愛知県西部の震源位置と同地域で過去に起きた事例では、その後に南海トラフ地震と関連の深い場所が揺れていた事例が見られ、今回の地震も切迫しているとされる南海トラフ巨大地震に繋がっていくのではないかとの懸念も持たれています。

現在、愛知県西部を震源とする地震は止まりましたが、南海トラフ地震は必ず発生します。発生するかしないかではなく、いつ発生するかというタイムラインに入っています。イザという時には落ち着いて行動出来るように、日頃から防災意識を高めておきましょう。
もうすぐゴールデンウィークです。この休みを利用して、各地域にある防災館を訪ねて防災体験学習をしてみるのはいかがでしょうか。

そなエリア東京 
http://www.tokyorinkai-koen.jp/sonaarea/

大阪市立阿倍野防災センター 
http://www.abeno-bosai-c.city.osaka.jp/bousai/bsw/d/a/bswda020.aspx

神奈川県総合防災センター
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/zn2/bousaicenter/homepage.html

名古屋大学 減災連携研究センター  
http://www.gensai.nagoya-u.ac.jp/

防災体験無料スポット るるぶ.com
各県の防災センターが検索できます
https://www.rurubu.com/season/special/tada/list.aspx?gc=7&p=2



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鬼界カルデラについて

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。神戸大学と海洋研究開発機構などのチームが、鹿児島県沖の海底火山「鬼界カルデラ」の中央部に、巨大な溶岩ドームがあるのを確認したと発表しました。鬼界カルデラは約7300年前に巨大噴火が起き、火砕流が九州南部を広く覆ったと言われていますが、ドームの溶岩はその後に噴出したもので、今も活動的な状態が続いているといわれ、英科学雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」...

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
神戸大学と海洋研究開発機構などのチームが、鹿児島県沖の海底火山「鬼界カルデラ」の中央部に、巨大な溶岩ドームがあるのを確認したと発表しました。鬼界カルデラは約7300年前に巨大噴火が起き、火砕流が九州南部を広く覆ったと言われていますが、ドームの溶岩はその後に噴出したもので、今も活動的な状態が続いているといわれ、英科学雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。
今回は改めてこの鬼界カルデラについて書きたいと思います。

1.カルデラとは
「カルデラ」という言葉は、スペイン語の「大釡」という言葉に由来し、火山活動で生じた大きな凹地のことを表し、日本ではその直径が2km以上の大きさのものを「カルデラ」と呼んでいます。大型カルデラは、大量のマグマが一度に噴出したことで地下のマグマ溜りに空洞が生じ、そのためにマグマ溜りの天井部分が崩壊して、直上の地表部分が大規模に陥没するために形成されます。
巨大カルデラを形成する「超巨大噴火」は、数万年から数十万年といったきわめて長い間隔をおいて噴火を繰り返します。アメリカのイエローストーン火山、ニュージーランドのタウポ火山地域、インドネシアのトバ火山など、地球には超大型のカルデラが存在します。
そして日本列島では、北海道の摩周カルデラ、屈斜路カルデラ、支笏カルデラ、洞爺カルデラ、東北の十和田カルデラ、そして九州地域の阿蘇カルデラ、姶良カルデラ、阿多カルデラ、鬼界カルデラと、日本列島の北と南にカルデラが存在しています。
巨大なカルデラが存在するということは、はるか大昔に、そこから数百万立方キロにも及ぶ大量のマグマが噴出して地下空洞が出来たことを意味しており、過去12万年の間に、琵琶湖1.5杯分ものマグマを一気に噴き出した巨大カルデラ噴火が少なくとも10回は発生したことが確認されています。

2.最後の噴火
何回かあったカルデラ噴火のうち、鬼界カルデラは最も直近の7300年前に噴火しました。このカルデラは九州最南端、大隅半島佐多岬のさらに南西50キロに位置している25×15キロの規模の海底カルデラで、最深部は水深500mにも達しています。現在この海域には薩摩硫黄島、新硫黄島、竹島がありますが、ほぼ東西に並んだこれらの火山島は鬼界カルデラの北縁にあたり、カルデラの北縁がかろうじて海面に顔を出している部分です。
7300年前の噴火によって発生した火砕流は、海を渡って50キロ先の鹿児島県南部を埋め尽くしました。火災流は高温の火山ガスと混合一体化しているため地面との摩擦が少なく、100km/時を超えるスピードで一気に遠くまで流れます。ガス成分が多い場合は比重が小さいため、海面上を火砕流が滑走することもあります。この時の噴火では、9500年も前から始まっていた独自に発達した日本最古の縄文定住集落が、火砕流により壊滅してしまいました。また海中に突入した火砕流の一部は大津波を発生させ、その痕跡は長崎県島原半島で確認出来ます。
この噴火で降り積もった火山灰は濃いオレンジ色が特徴の「アカホヤ火山灰」と呼ばれ、南九州では50cmを超える厚さの火山灰で覆われました。そして四国や紀伊半島は厚さ20cmを超える灰白色の火山灰で一面を覆われ、遠く離れた関東地方にも10cm程度の火山灰を降らせました。西日本の森林は枯れ果て、食料の大半を森林に頼っていた西日本の縄文人は飢餓に陥り、その上、有毒な火山灰による呼吸器障害に見舞われ、数週間のうちに多くが死滅しました。そして鬼界カルデラの超巨大噴火後、南九州では900年あまりもの間、豊かな照葉樹林の森は復活せず、人が住めない無人の地となっていたようです。

3.現在の鬼界カルデラ
先月、草津白根山の噴火がありましたが、このような「山体噴火」に対して「カルデラ噴火」は噴火の間隔が非常に長く、前回噴火したのが何万年も前になるため、地質を調べることにより噴火の痕跡がわかるというものです。そのため噴火の確率も1万年に1回となり、もし噴火が発生したら1億人近くが命を落とすと言われても、ピンと来ないのが現実です。火山学者も巨大カルデラの存在はわかっていましたが、あまり研究されてはいませんでした。しかし、2002年に石黒耀・著『死都日本』という小説が出版されてから、カルデラ噴火が注目されるようになり、その研究が開始されました。
2016年10月に神戸大学と海洋研究開発機構などのチームは、鬼界カルデラ内でドーム状に盛り上がっている場所を調べました。音響測深装置で水深約200~300mの海底に向けて船から音波を出し、反射波を観測。その結果、少なくとも5ヶ所で熱く濁った水が海底から湧き出る「熱水プルーム」が確認されました。海底からの高さは最大で約100mに上ります。

2017年3月の第2回調査では、カルデラ内の海底にある直径約10キロ、高さ約600mに及ぶ巨大な溶岩ドームの存在が明らかになりました。体積は320億立方メートル以上で、琵琶湖の水量275億立方メートルをも上回ります。水中ロボットによる調査で、溶岩が急速に冷えて固まった際にできる割れ目が多数あることや、ガスの湧き出しを確認し、未解明だったドームの性質が裏付けられました。
ドームを作る溶岩の量は桜島の2倍以上。岩石を採取して解析した結果、その成分は7300年前の噴出物とは違い、比較的新しいとみられています。その表面では火山ガスや熱水が湧き出ており、チーム代表の巽好幸・神戸大教授は「活動度が高いのは明らか。地下に巨大なマグマだまりが残っている可能性がある」と語っています。
          
サイエンティフィック・リポーツ
Giant rhyolite lava dome formation after 7.3 ka supereruption at Kikai caldera, SW Japan
  http://www.nature.com/articles/s41598-018-21066-w

4.もし巨大カルデラ噴火が起きたら
巨大カルデラ噴火は、途轍もないマグマが一気に噴出します。カルデラは北海道と九州に集中していますが、日本列島全体に大きな影響を及ぼすのは九州にあるカルデラが噴火した場合です。火山灰が偏西風で東へ運ばれ、日本列島全体を覆う可能性があるからです。
まず最初のプリニー式噴火によって、九州中部では場所によっては数メートルもの軽石が降り積もって壊滅的な状況に陥ります。そしてクライマックス噴火が始まると巨大な噴煙柱が崩落して火砕流が発生し、全方位へと広がって行きます。数百℃以上の高温の火砕流は全てのものを呑み込み、そして焼き尽くし、発生後2時間以内に700万人の人々が暮らす領域を覆い尽くしてしまいます。
九州が焼き尽くされた後、中国・四国一帯では大量の火山灰が降り注ぎます。そして降灰域はどんどん東へ広がり、噴火開始の翌日には近畿地方へ達します。大阪では火山灰の厚さは50cmを超え、木造家屋の半数近くは倒壊します。その後、首都圏でも20cm、青森でも10cmもの火山灰が積もり、北海道東部と沖縄を除く全国のライフラインは完全に停止します。
巨大カルデラ噴火の発生による直接的な被害者は、火砕流と降灰合わせて1000万人程度と考えられます。しかし水道は給水不能、発電も不可能、国内ほぼ全ての交通網はストップし、生活不能に陥った人達に対する救援・復旧活動も絶望的になります。救援活動が殆ど不可能な状態では、1億人以上が命を落とすこともあり得ます。

YAHOOニュース 巨大カルデラ噴火 神戸大学教授・巽 好幸
  https://news.yahoo.co.jp/byline/tatsumiyoshiyuki/20170511-00070808/


カルデラ噴火の前兆として、溶岩の流出を伴う噴火が起きた例も確認されていますが、その詳細は判明していません。前兆現象を長年研究してきた鹿児島大学名誉教授の小林哲夫氏(火山地質学)は、「前兆現象は、数百年前に起きることもあれば、1年前に起きることもある。何が引き金になって、どんなタイミングで噴火が起こるのか不明な点が多い。さらなる研究が必要だ」と話しています。
人間の感覚からすれば、数百年という年月でもとんでもなく長いものですが、地球の歴史から見ればほんの一瞬です。いつ起きてもおかしくないと言われ始めたカルデラ噴火に、私達が遭遇することがないことを祈ります。






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