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キラウエア火山の噴火について

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2018年5月3日午後4時45分(日本時間4日午前11時45分)ころ、ハワイ島にあるキラウエア火山が噴火を始めました。今回はキラウエア火山について取り上げてみたいと思います。1.ハワイ諸島の形成日本からの海外旅行先で人気が高いハワイは、米国最南端の州で、世界で最も隔離された群島になります。このハワイ州はミッドウェイ珊瑚などを含む北西ハワイ諸島と、オアフ島など主要8...


いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
2018年5月3日午後4時45分(日本時間4日午前11時45分)ころ、ハワイ島にあるキラウエア火山が噴火を始めました。今回はキラウエア火山について取り上げてみたいと思います。

1.ハワイ諸島の形成
日本からの海外旅行先で人気が高いハワイは、米国最南端の州で、世界で最も隔離された群島になります。このハワイ州はミッドウェイ珊瑚などを含む北西ハワイ諸島と、オアフ島など主要8島からなるハワイ諸島で構成された、132の島、岩礁、砂洲で形成されています。主要8島は、ハワイ島、カホオラヴェ島、マウイ島、ラナイ島、モロカイ島、オアフ島、カウアイ島、ニイハウ島で、このうちニイハウ島とカホオラヴェ島は一般人の入島が制限されています。
ハワイ諸島は今から500万年前に海底火山で隆起。その後、プレートの移動で北西にずれて、各島が次々に造り出されたと言われています。カウアイ島では長年の浸食による起伏の激しい地形が見られます。そしてハワイは典型的なホットスポットで、マントル深部から物質が供給されており、南東端のハワイ島では現在も活発な火山活動が続いています。
ハワイを載せる太平洋プレートは北西方向へ年間10cm程度の速さで動いているので、ハワイ諸島は北西へ行くほど島の形成が古くなっています。ホノルルのあるオアフ島は、ハワイ島から約350km北西にあり、その年代は約350万年前になります。最も北西にあるカウアイ島より先は、浸食によって削られて海上には姿を現してはいませんが、海山列が連なっています。
そしてこのハワイ諸島周辺では、巨大な海底地滑りが数多く発生したことが1980年代後半の調査で明らかになりました。島の面積よりもずっと広い海底地滑り跡があり、地滑り堆積物で覆われる総面積はハワイ諸島の数倍にも達し、一つの地滑り堆積物の体積は、海上に出ている島の体積の数分の1にも及ぶほどです。
またハワイ諸島は太平洋の真ん中にあるため、太平洋の周囲の沈み込み帯で巨大地震が発生すると、その津波による被害を免れることが出来ません。特に1946年アリューシャン列島で発生したM8.1の地震では、津波により160名の死者、2600万ドルもの被害が発生しました。ハワイ島のヒロでは、津波の高さは10mにも上ったそうです。この津波被害を受けて、アメリカ合衆国は地震警戒システムをつくり、太平洋津波警報センター(Pacific Tsunami Waring Center)と命名しました。日本の気象庁も、南米などの地震に対する津波警報は、ここからの情報を基にしています。

■地球紀行 大陸形成と移動 
   http://www.geocities.jp/t_shimizu2003/earth_histry_3_2_m.html

■ホットスポットで島ができるまで (歯医者さんのブログ)
   http://www.midorino-dc.jp/app/Blogarticleview/index/ArticleId/83


2.キラウエア火山
ハワイ島にあるキラウエア火山は、ハワイ語で「吹き出す」または「多くまき散らす」を意味する盾状火山で、緩やかに傾斜する斜面を持ち、底面積が広く、粘性の低い玄武岩質のマグマを流出させます。
キラウエア火山が形成され始めた時期は30万年から60万年前と推定されており、5万年から1万年前に海上に現われたようです。キラウエア火山の噴火は、20世紀中に45回の噴火が記録されています。1983年から始まった噴火は、幾度かの不活発化の時期を含み現在まで約35年間継続しています。爆発的噴火はまれで、溶岩流の流れはゆっくりしていて比較的安全な火山とされ、ゆっくり流れるマグマをすぐ近くで見学できる人気の観光地になっていました。
しかし2017年に入ってからは、その活動が非常に活発になり、激しい溶岩の噴出が絶え間なく続き、海へマグマが流れ込む状態が恒常化していました。そして今年5月3日からは、今までにない激しい噴火が始まりました。今回のような複数の噴火が起きたのは、1951年以来になるそうです。
地震も頻繁にあり、噴火の前日にM5.0、そして噴火が始まってからはM5.4、M6.9が発生しました。震源はレイラニ・エステーツの南西16kmで、ハワイ島では過去24時間に119回の地震が発生しました。このM6.9の地震は1975年に起きたM7.1の地震以来の規模で、今回もほぼ同じ場所で発生しました。

■HUFFPOST NEWS
   https://www.huffingtonpost.jp/2017/02/07/kilauea_n_14633664.html


3.今後の見通し
3日から始まった噴火ですが、噴火から数時間後、ハワイ州は非常事態宣言を発令し、同時に噴火の影響のある住民に避難命令を出し人的被害はありませんが、これまでに倒壊した建物36棟、住民や観光客およそ2000人が避難を余儀なくされています。現在も活発な活動が続いており、8日現在では南東部のレイラニ地区で新たに2つの火孔が確認され、これまでに14個の火孔から溶岩と火山ガスの流出が続いています。
アメリカ地質調査所(USGS)やハワイ郡民間防衛局によると、レイラニ地区を南北に縦断する幹線道路ハイウェイ130号では、過去24時間で亀裂の幅が4cm広がり、深さは1m近くに達しました。周辺道路はおびただしく湧き上がる噴気によってアスファルトが波打ったように変形しているうえ、路肩に駐車しておくと、いつ車が溶岩流に呑み込まれるかわからない状態になっています。

■YouTube キラウエア火山噴火映像
  https://www.youtube.com/watch?v=nQQ1UaXesEo
  https://www.youtube.com/watch?v=IZZZgO48T98
  https://www.youtube.com/watch?v=z4XmY-m95FQ

山頂のハレマウマウ火口の溶岩湖は先月末からマグマ量が急速に減少し、頭位が220m下がりました。露出した火口壁からは地震のたびに岩石が崩れ落ち、ハワイ火山観測所(HVO)の研究者が警戒を高めています。専門家は「地下水がマグマに接触すると、1924年に起きた強力な爆発に繋がる恐れがある」と危惧しています。1924年5月の噴火では、今回と同じ東リフト地帯で巨大爆発が相次ぎ、噴火の回数は2週間あまりで50回以上にもなりました。この時もハレマウマウ溶岩湖はマグマの急激な流出が進み、マグマが上昇する火道に地下水が流れ込んで水蒸気爆発が発生。その噴煙は上空9,000mに達し、14トンもの巨大な噴石が飛び散り、観光客が死亡した記録が残っています。
USGS(アメリカ地質調査所) 1924年噴火について(英語)
  https://volcanoes.usgs.gov/volcanoes/kilauea/geo_hist_1924_halemaumau.html

9日午前には、ハレマウマウ火口で短い爆発が発生しました。この爆発は火口壁の岩が崩れ落ちた衝撃で引き起こされた可能性が高く、噴火継続時間は短いものでした。この噴火から1時間後に火山学者が溶岩湖を観測した際、底の方で煮えたぎる溶岩が見えたといいます。
この噴火を受けてUSGSとハワイ火山観測所では、今後数週間のうちに爆発的な噴火が起きる可能性があると発表しました。また有害なスモッグや酸性雨が発生する恐れもあるとして、警戒を呼びかけています。
東部の住宅地では地面の亀裂から溶岩が流れ出し、有毒ガスが放出しています。当局は、二酸化硫黄の濃度が危険な水準にあると警告しています。こうした有毒ガスなどが湿気や埃と混じって火山スモッグが発生し、硫酸の水滴によって呼吸器系の問題を生じさせる恐れがあります。
専門家は「現時点で、そうした爆発的な活動が起きるかどうかの確証はない。爆発が起きた時の規模や、爆発的な活動がどれくらい続くのかもわからない。現在の活動は、南東部レイラニ地区に集中しているが、噴火活動が長引くと、他の地域も危険にさらされる可能性がある」と警告しています。

■BBC Nature ハワイ諸島の山体崩壊による超巨大津波説について
  https://matome.naver.jp/odai/2139798174919065501/2144404318037212003





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「三河地震について」

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2018年4月14日、愛知県西部を震源とする1日3回の有感地震が発生しました。いずれの震源も北緯34.8度、東経137.1度、深さ10kmが2回、北緯34.9度、東経137.3度、深さ40kmが1回と、ほぼ同エリアでの発生になっています。そしてこの場所は1945年1月13日に死者2,300名以上を記録した三河地震(M6.8)の震源地にごく近い場所で発生した地震ということで、今後の動きに注目が集まってい...

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
2018年4月14日、愛知県西部を震源とする1日3回の有感地震が発生しました。いずれの震源も北緯34.8度、東経137.1度、深さ10kmが2回、北緯34.9度、東経137.3度、深さ40kmが1回と、ほぼ同エリアでの発生になっています。
そしてこの場所は1945年1月13日に死者2,300名以上を記録した三河地震(M6.8)の震源地にごく近い場所で発生した地震ということで、今後の動きに注目が集まっています。今回はこの1945年の三河地震について取り上げてみたいと思います。

1.地震の概要
三河地震は1945年1月13日午前3時38分、愛知県東部を震源とするM6.8の内陸直下型の地震として発生しました。岡崎平野南部や現在の安城市、西尾市、幡豆郡吉良町・幡豆町(共に現在は西尾市)、額田郡幸田町、蒲郡市などに局地的な大被害をもたらしました。最大震度は後年の調査により、震度7相当と見積もられています。プレート内活断層が起こした地震で、地表に明瞭な地震断層が出現したり、多数の前震などが確認されています。また震源地が三河湾の海底だったため、三河湾沿岸では最大31cmの小規模な津波も観測されました。
三河地震は、1945年の終戦前後に4年連続で1,000人を超える死者を出した四大地震「1943年 鳥取地震」(昭和18年9月10日)、「1944年 東南海地震」(昭和19年12月7日)、 「1946年 南海地震」(昭和21年12月21日)の一つとしても知られています。
この地震は深溝断層と横須賀断層の活動によって引き起こされましたが、深溝断層は愛知県指定天然記念物に指定されています。西尾市の妙喜寺には、地震の際に出来た10mにも及ぶ地割れ跡が残っています。現在ではこの地震の記録が風化しないようにと地割れ跡の上に上屋を設け保存されており、地震の激しさを示す遺構として残されています。実際に被災し、姉を亡くされた住職は、新聞のインタビューで「若い人に70年前の地震のことを言葉で伝えるのは難しい。生々しい体験をした被災者が亡くなっていく中、子供達に身近な場所で大きな災害があったことを、断層の存在を通して伝えたい」(平成27年1月13日、日本経済新聞『幻の震災語り継ぐ』)と語っており、妙喜寺は「震災を後世に伝えたい」という強い思いが感じられる史跡となっています。
妙喜寺 http://myokiji.com/company.html

2.被害状況
三河地震は震源が浅く、地震の規模がM6.8と比較的大きかったにもかかわらず、戦時中の報道管制によりあまり報道されることもなく、被害報告も僅かしか残されていませんでした。しかし地震被害を報告した当時の帝国議会秘密会の速記録集が発見され、1970年代になって愛知県防災会議が被害実態を把握するための調査にとりかかりました。
震源域の三河地域では昭和東南海地震よりも多くの死者が記録されており、死者1,180人、行方不明者1,126人、負傷者3,866人、家屋の全壊が7,221棟、半壊が16,555棟、その他2万4,311棟とされています。特に現在の西尾市を中心とした幡豆郡と、現在の安城市を中心とした碧海郡の2つの郡に被害が集中しており、死者2,652人に達したという記録もあります。亡くなられた方の死因については、他の内陸直下型の地震と同様に、家屋倒壊による圧死者が多かったと考えられています。就寝中に突然、強烈な地震動に襲われ、逃げる間もなく家が潰れたという状況でした。この地震の37日前に東南海地震があり、その揺れによる家屋の損傷が既に発生していたため、今回の揺れに耐えられなかった家屋が多かったようです。特に戦時中のため、殆どの家では家屋を修理することなくそのまま住み続けていたため、被害の拡大に繋がってしまいました。被害が甚大な地区では、どの家でも死者がでるほどの高い死亡率だったそうです。妙喜寺でも本堂が倒壊し、疎開していた国民学校の生徒と教師に死者が出ています。その他、平坂町(現・西尾市)では堤防が4m沈下して79ヘクタールの水田が海水に没したり、矢作古川周辺では液状化現象も見られました。
三河地震による被害は、20~30km四方の狭い範囲に集中していました。深溝断層が集落の中央をほぼ北から南に走った形原町金平地区では、断層の西側が東側へのし上がるように動きました。そのため全壊及び半壊の家屋は断層の上盤側に当たる西側に集中し、ほとんどすべての家屋が倒壊しました。反対に断層の下盤側となる東側は、地表に現れた断層に接した場所も含めて、倒壊した家屋は一軒もないという、活断層地震特有の被害になっています。

愛知県 歴史地震に学ぶ防災・減災サイト 
http://www.pref.aichi.jp/bousai/densho/index.html
*ブラウザの種類により、一部反映されない場合があります
  
愛知県 防災減災ガイド ダウンロード
http://www.pref.aichi.jp/bousai/densho/pdf.html

3.発光現象
三河地震では、地面が揺れる瞬間、あるいは地震の前触れとして、地面から光が出たという目撃証言が多くあります。これは宏観異常現象といわれ、大きな地震の前触れとして発生、ないしは知覚されると言われている、生物的・地質的・物理的異常現象とされるものです。
近年の岩石実験により、そのメカニズムが解明されてきました。
三河地震で発光現象を目撃した人は、
「地震の後、蛍光灯がぼやけた程度ぐらい辺りが明るくなった」「余震があるたびに明るくなり、明るくなった時ほど強く揺れ、あまり明るくならなかった時は揺れも小さかった」「余震の前後に空が明るくなって、稲光よりももっと白く光った」「地下からモワーッという感じで何とも言えない明かりが出て、夜でも懐中電灯が要らなかった」というような証言が得られています。
地震発光現象は1600年代から文献に登場しており、そのうちの85%が断層上もしくはその周辺で確認されたもののようです。三河地震のように余震のたびに光ったという記録は、数少ないかもしれません。なお1995年の阪神大震災の時にも、発光現象の目撃証言がありました。

4.今後はどうなる?
1945年の三河地震の前後ではどのような地震が起きていたのか、また三河地震はどのような地域に影響を及ぼしていたのでしょうか。
何と言っても特筆すべきなのが、1945年1月13日の三河地震(M6.8)が1944年12月7日の昭和東南海地震(M7.9)と、1946年12月21日の昭和南海地震(M8.0)の間に起きていた地震という点です。位置的にも南海トラフとの関連は決して無視できません。
そして、三河地震以降に起きていた目立った地震としては、まず愛知県西部や三河湾といった震源でM5を超える地震が1週間以内に15回以上起きていた以外では、三河地震の2週間後に新島・神津島近海でM5.3、震度2、また1ヶ月後に青森県東方沖でM7.1という大地震が発生していたことが挙げられます。
今回、2018年4月14日の愛知県西部の震源位置と同地域で過去に起きた事例では、その後に南海トラフ地震と関連の深い場所が揺れていた事例が見られ、今回の地震も切迫しているとされる南海トラフ巨大地震に繋がっていくのではないかとの懸念も持たれています。

現在、愛知県西部を震源とする地震は止まりましたが、南海トラフ地震は必ず発生します。発生するかしないかではなく、いつ発生するかというタイムラインに入っています。イザという時には落ち着いて行動出来るように、日頃から防災意識を高めておきましょう。
もうすぐゴールデンウィークです。この休みを利用して、各地域にある防災館を訪ねて防災体験学習をしてみるのはいかがでしょうか。

そなエリア東京 
http://www.tokyorinkai-koen.jp/sonaarea/

大阪市立阿倍野防災センター 
http://www.abeno-bosai-c.city.osaka.jp/bousai/bsw/d/a/bswda020.aspx

神奈川県総合防災センター
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/zn2/bousaicenter/homepage.html

名古屋大学 減災連携研究センター  
http://www.gensai.nagoya-u.ac.jp/

防災体験無料スポット るるぶ.com
各県の防災センターが検索できます
https://www.rurubu.com/season/special/tada/list.aspx?gc=7&p=2



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鬼界カルデラについて

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。神戸大学と海洋研究開発機構などのチームが、鹿児島県沖の海底火山「鬼界カルデラ」の中央部に、巨大な溶岩ドームがあるのを確認したと発表しました。鬼界カルデラは約7300年前に巨大噴火が起き、火砕流が九州南部を広く覆ったと言われていますが、ドームの溶岩はその後に噴出したもので、今も活動的な状態が続いているといわれ、英科学雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」...

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
神戸大学と海洋研究開発機構などのチームが、鹿児島県沖の海底火山「鬼界カルデラ」の中央部に、巨大な溶岩ドームがあるのを確認したと発表しました。鬼界カルデラは約7300年前に巨大噴火が起き、火砕流が九州南部を広く覆ったと言われていますが、ドームの溶岩はその後に噴出したもので、今も活動的な状態が続いているといわれ、英科学雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されました。
今回は改めてこの鬼界カルデラについて書きたいと思います。

1.カルデラとは
「カルデラ」という言葉は、スペイン語の「大釡」という言葉に由来し、火山活動で生じた大きな凹地のことを表し、日本ではその直径が2km以上の大きさのものを「カルデラ」と呼んでいます。大型カルデラは、大量のマグマが一度に噴出したことで地下のマグマ溜りに空洞が生じ、そのためにマグマ溜りの天井部分が崩壊して、直上の地表部分が大規模に陥没するために形成されます。
巨大カルデラを形成する「超巨大噴火」は、数万年から数十万年といったきわめて長い間隔をおいて噴火を繰り返します。アメリカのイエローストーン火山、ニュージーランドのタウポ火山地域、インドネシアのトバ火山など、地球には超大型のカルデラが存在します。
そして日本列島では、北海道の摩周カルデラ、屈斜路カルデラ、支笏カルデラ、洞爺カルデラ、東北の十和田カルデラ、そして九州地域の阿蘇カルデラ、姶良カルデラ、阿多カルデラ、鬼界カルデラと、日本列島の北と南にカルデラが存在しています。
巨大なカルデラが存在するということは、はるか大昔に、そこから数百万立方キロにも及ぶ大量のマグマが噴出して地下空洞が出来たことを意味しており、過去12万年の間に、琵琶湖1.5杯分ものマグマを一気に噴き出した巨大カルデラ噴火が少なくとも10回は発生したことが確認されています。

2.最後の噴火
何回かあったカルデラ噴火のうち、鬼界カルデラは最も直近の7300年前に噴火しました。このカルデラは九州最南端、大隅半島佐多岬のさらに南西50キロに位置している25×15キロの規模の海底カルデラで、最深部は水深500mにも達しています。現在この海域には薩摩硫黄島、新硫黄島、竹島がありますが、ほぼ東西に並んだこれらの火山島は鬼界カルデラの北縁にあたり、カルデラの北縁がかろうじて海面に顔を出している部分です。
7300年前の噴火によって発生した火砕流は、海を渡って50キロ先の鹿児島県南部を埋め尽くしました。火災流は高温の火山ガスと混合一体化しているため地面との摩擦が少なく、100km/時を超えるスピードで一気に遠くまで流れます。ガス成分が多い場合は比重が小さいため、海面上を火砕流が滑走することもあります。この時の噴火では、9500年も前から始まっていた独自に発達した日本最古の縄文定住集落が、火砕流により壊滅してしまいました。また海中に突入した火砕流の一部は大津波を発生させ、その痕跡は長崎県島原半島で確認出来ます。
この噴火で降り積もった火山灰は濃いオレンジ色が特徴の「アカホヤ火山灰」と呼ばれ、南九州では50cmを超える厚さの火山灰で覆われました。そして四国や紀伊半島は厚さ20cmを超える灰白色の火山灰で一面を覆われ、遠く離れた関東地方にも10cm程度の火山灰を降らせました。西日本の森林は枯れ果て、食料の大半を森林に頼っていた西日本の縄文人は飢餓に陥り、その上、有毒な火山灰による呼吸器障害に見舞われ、数週間のうちに多くが死滅しました。そして鬼界カルデラの超巨大噴火後、南九州では900年あまりもの間、豊かな照葉樹林の森は復活せず、人が住めない無人の地となっていたようです。

3.現在の鬼界カルデラ
先月、草津白根山の噴火がありましたが、このような「山体噴火」に対して「カルデラ噴火」は噴火の間隔が非常に長く、前回噴火したのが何万年も前になるため、地質を調べることにより噴火の痕跡がわかるというものです。そのため噴火の確率も1万年に1回となり、もし噴火が発生したら1億人近くが命を落とすと言われても、ピンと来ないのが現実です。火山学者も巨大カルデラの存在はわかっていましたが、あまり研究されてはいませんでした。しかし、2002年に石黒耀・著『死都日本』という小説が出版されてから、カルデラ噴火が注目されるようになり、その研究が開始されました。
2016年10月に神戸大学と海洋研究開発機構などのチームは、鬼界カルデラ内でドーム状に盛り上がっている場所を調べました。音響測深装置で水深約200~300mの海底に向けて船から音波を出し、反射波を観測。その結果、少なくとも5ヶ所で熱く濁った水が海底から湧き出る「熱水プルーム」が確認されました。海底からの高さは最大で約100mに上ります。

2017年3月の第2回調査では、カルデラ内の海底にある直径約10キロ、高さ約600mに及ぶ巨大な溶岩ドームの存在が明らかになりました。体積は320億立方メートル以上で、琵琶湖の水量275億立方メートルをも上回ります。水中ロボットによる調査で、溶岩が急速に冷えて固まった際にできる割れ目が多数あることや、ガスの湧き出しを確認し、未解明だったドームの性質が裏付けられました。
ドームを作る溶岩の量は桜島の2倍以上。岩石を採取して解析した結果、その成分は7300年前の噴出物とは違い、比較的新しいとみられています。その表面では火山ガスや熱水が湧き出ており、チーム代表の巽好幸・神戸大教授は「活動度が高いのは明らか。地下に巨大なマグマだまりが残っている可能性がある」と語っています。
          
サイエンティフィック・リポーツ
Giant rhyolite lava dome formation after 7.3 ka supereruption at Kikai caldera, SW Japan
  http://www.nature.com/articles/s41598-018-21066-w

4.もし巨大カルデラ噴火が起きたら
巨大カルデラ噴火は、途轍もないマグマが一気に噴出します。カルデラは北海道と九州に集中していますが、日本列島全体に大きな影響を及ぼすのは九州にあるカルデラが噴火した場合です。火山灰が偏西風で東へ運ばれ、日本列島全体を覆う可能性があるからです。
まず最初のプリニー式噴火によって、九州中部では場所によっては数メートルもの軽石が降り積もって壊滅的な状況に陥ります。そしてクライマックス噴火が始まると巨大な噴煙柱が崩落して火砕流が発生し、全方位へと広がって行きます。数百℃以上の高温の火砕流は全てのものを呑み込み、そして焼き尽くし、発生後2時間以内に700万人の人々が暮らす領域を覆い尽くしてしまいます。
九州が焼き尽くされた後、中国・四国一帯では大量の火山灰が降り注ぎます。そして降灰域はどんどん東へ広がり、噴火開始の翌日には近畿地方へ達します。大阪では火山灰の厚さは50cmを超え、木造家屋の半数近くは倒壊します。その後、首都圏でも20cm、青森でも10cmもの火山灰が積もり、北海道東部と沖縄を除く全国のライフラインは完全に停止します。
巨大カルデラ噴火の発生による直接的な被害者は、火砕流と降灰合わせて1000万人程度と考えられます。しかし水道は給水不能、発電も不可能、国内ほぼ全ての交通網はストップし、生活不能に陥った人達に対する救援・復旧活動も絶望的になります。救援活動が殆ど不可能な状態では、1億人以上が命を落とすこともあり得ます。

YAHOOニュース 巨大カルデラ噴火 神戸大学教授・巽 好幸
  https://news.yahoo.co.jp/byline/tatsumiyoshiyuki/20170511-00070808/


カルデラ噴火の前兆として、溶岩の流出を伴う噴火が起きた例も確認されていますが、その詳細は判明していません。前兆現象を長年研究してきた鹿児島大学名誉教授の小林哲夫氏(火山地質学)は、「前兆現象は、数百年前に起きることもあれば、1年前に起きることもある。何が引き金になって、どんなタイミングで噴火が起こるのか不明な点が多い。さらなる研究が必要だ」と話しています。
人間の感覚からすれば、数百年という年月でもとんでもなく長いものですが、地球の歴史から見ればほんの一瞬です。いつ起きてもおかしくないと言われ始めたカルデラ噴火に、私達が遭遇することがないことを祈ります。






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「地震予知前提の見直しについて」 追記

国では、10年から100年単位での長期的な地震発生の可能性と、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を公表しています。その中で、静岡県から九州の太平洋側に延びる南海トラフで、今後30年以内にM8~9級の巨大地震が発生する確率が「70~80%」に引き上げられました。この発生確率は、政府の地震調査委員会が毎年1月1日現在の発生確率を計算して公表されますが、2014年に発表された「70%程度」から確率が高まりました。...

国では、10年から100年単位での長期的な地震発生の可能性と、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を公表しています。その中で、静岡県から九州の太平洋側に延びる南海トラフで、今後30年以内にM8~9級の巨大地震が発生する確率が「70~80%」に引き上げられました。この発生確率は、政府の地震調査委員会が毎年1月1日現在の発生確率を計算して公表されますが、2014年に発表された「70%程度」から確率が高まりました。
今後10年以内の発生確率も、これまでの「20~30%」から「30%程度」に引き上げられました。50年以内の確率は「90%程度、もしくはそれ以上」に据え置かれました。
南海トラフでは、概ね100~150年おきにM8級の海溝型地震が発生してきました。地震は様々なパターンで起きることなどを考慮し、地震調査委員会は平均発生間隔を88.2年と仮定しています。最後の南海トラフ地震は1944年の「昭和東南海地震(M7.9)」と1946年の「昭和南海地震(M8.0)」で、既に70年以上が経過しました。
この30年以内の地震発生確率は、今現在から30年間の期間のことで、30年後ではありません。そのため明日にでも地震が発生することもあり得ます。次の地震が必ず発生し、その発生時期が近付いていることを忘れずに、各自の備えをしてください。

防災科学技術研究所 地震ハザードステーション
  http://www.j-shis.bosai.go.jp/maps-pshm-prob-t30i55



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2017年を振り返る

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2017年の酉年は、善き流れは一層善き流れとして未来へきちんと繋ぎ、結ぶ。そして悪きものは酉年にてすべてを清め、改め、浄化して、明日へと繋ぐことがないようにしっかりと清め改めるという意味を持つ年でした。今回は2017年の自然災害を振り返ってみたいと思います。 1.地 震(1) 日本国内気象庁のまとめによると、2017年に国内で発生した震度1以上の地震は2,025回に...

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

2017年の酉年は、善き流れは一層善き流れとして未来へきちんと繋ぎ、結ぶ。そして悪きものは酉年にてすべてを清め、改め、浄化して、明日へと繋ぐことがないようにしっかりと清め改めるという意味を持つ年でした。

今回は2017年の自然災害を振り返ってみたいと思います。

 

1.地 震

(1) 日本国内

気象庁のまとめによると、2017年に国内で発生した震度1以上の地震は2,025回にのぼりました。熊本地震があった2016年は6,500回を超えたので、その3割ほどになる少ない回数でした。また比較的大きな地震も少なかった一年で、震度4の地震は32回、震度5弱は228日の福島沖、71日の北海道胆振地方、72日の熊本県阿蘇地方、106日の福島県沖の4回、震度5強は620日の豊後水道、625日の長野県南部、711日の鹿児島湾、98日の秋田県内陸部の4回、震度6以上の地震はありませんでした。

地震の規模を示すマグニチュードで見ると、最大のものは59日に宮古島近海を震源としたM6.4106日に福島沖で発生したM6.3921日に三陸沖で発生したM6.3が挙げられます。

昨年で特筆すべき点は、東海地震の事前予知を基本にした防災計画が全面的に見直されたことです。これは地震の事前予測は不可能ということを認めたことになります。なおこの件については、次回に詳述します。

(2) 海 外

比較的静かだった日本国内に対して、海外ではM7を超える地震が12回も発生しました。そのうち2回はM8を超えています。昨年発生した最も大きな地震は、122日の南太平洋ソロモン諸島でのM8.4になります。しかし震源の深さが170kmと深かったため、特に被害はありませんでした。

98日にはメキシコ太平洋側チアパス州沖でM8.2の地震が発生し、102人の方が亡くなりました。そして20日後の919日には、今度はメキシコ中部を震源とするM7.1の地震が発生し、369人の方が亡くなりました。この時には首都のメキシコシティでも建物倒壊などかなりの被害が発生しました。地震の発生が日中だったため、幾つかの小学校が倒壊して、多くの児童が犠牲になりました。またこの919日は、32年前の1985年の同じ日にも1万人近くが亡くなった大地震が発生しており、午前中に各地で避難訓練が行われたその午後にまさかの大地震発生でした。メキシコシティは震源地から約90キロほど離れていますが、元々は湖を埋め立てた土地のため地盤が悪く、多くの建物の倒壊や一部損壊が発生してしまいました。筆者は地震発生2日後にメキシコヘ行きましたが、往復の飛行機で日本の緊急援助隊と一緒になりました。国内ではあまりニュースにも取り上げられませんでしたが、メキシコの空港ではそこに居合わせた一般のメキシコの人々から、救助に来てくれたという感謝の思いの拍手を受けていました。

1113日にはイランとイラクの国境付近でM7.3の地震が発生し、500人近くの方が亡くなりました。この地震が昨年では最も犠牲者が多く出た災害でした。

 

2.火山活動

2017年は環太平洋火山帯での噴火数が、近年では最高のレベルになってきました。同時に33もの火山が噴火していたり、コスタリカでは3つの火山が同時に爆発的噴火を起こしました。以前より噴火が続いているメキシコのポポカテペトル山では、9月の地震の後、その活動が一時的に活発になりました。またインドネシア・バリ島のアグン山では、噴火の兆候が現われて近隣住民が避難してから1ヶ月以上も経過してからの大噴火となりました。一時的に空港が閉鎖されたため、観光客が足止めになったりしましたが、事前避難のため人的な被害はありませんでした。

国内での火山活動は比較的静かでした。日光の男体山が新たに「活火山」に指定されましたが、現在のところ噴気活動は認められません。一方、20119月に噴火した新燃岳が6年ぶりに、201311月に活動が始まった西ノ島が201511月以来、15ヶ月ぶりに活動が再開しました。阿蘇山は20148月以来出されていた噴火警戒レベル2が、レベル1の「活火山であることに留意」に引き下げられました。

 

3.台風などの風水害

日本には毎年数個の台風が上陸しますが、2017年もいままでにはない動きをする台風が発生しました。

72日に発生した台風3号は、九州に上陸して日本列島を横断して行きましたが、台風通過後も福岡県と大分県では豪雨が続き、平成297月九州北部豪雨が発生し、甚大な被害が出ました。7月下旬頃になると熱帯低気圧が多発し、21日から30日の10日間で台風が6個も発生し、7月の台風発生数は8個となり史上最多タイ記録となりました。723日には4個の台風が同時に存在しました。これは1994年以来、23年ぶりのこととなります。

また20日に南鳥島付近で発生した台風5号は、台風として19日間も存在し、これまでで1位タイの長寿台風となりました。台風5号は日本のはるか東の太平洋上で大きな楕円を1周描くような進路をとり、小笠原諸島付近を迷走した後、31日には950hPaまで急速に発達して「非常に強い」台風へと勢力を強めて九州に接近しました。87日には室戸岬付近を通過し、和歌山県に上陸してから日本海側へ抜け、8日に温帯低気圧になりました。

1016日に発生した台風21号は、強風域が半径800km以上、中心付近の最大風速が44m/s以上の「超大型」台風になりました。静岡県掛川市付近に上陸した時の中心気圧は950hPa、最大風速は40m/sでした。「超大型」での日本への上陸は、台風の確実な記録が残る1991年以降初めてのことでした。

9月には大西洋でハリケーン「イルマ」が発生し、ハリケーンの等級として最大の「カテゴリー5」に発達しました。「カテゴリー5」は風速70m/s以上で、多くの建物が破壊され、幹線道路が切断される状態を指します。直撃されたカリブ海の島々では、建物の95%が何らかの被害を受けた島や、ほぼ居住不可能なまでに破壊された島もあり、甚大な被害が発生しました。「イルマ」は大西洋で発達したハリケーンの中で、過去最強のものでした。また直後にはハリケーン「マリア」が発生し、プエルトリコを直撃し、強風と豪雨に伴う「壊滅的」な洪水に襲われました。

 

2018年が始まったばかりの15日、富山県を震源とする地震と茨城沖を震源とする地震が3秒違いで発生し、緊急地震速報が流れるという出来事がありました。これは二つの地震を一つの地震と捉えた結果の誤報でした。また同日の夜中、日付としては翌日になりますが、千葉県北西部を震源とするM4.8の地震が発生し、東京23区や横浜市で震度4が観測されました。

比嘉良丸氏によると、これらの地震は啓示的には震度5強以上が発生し、その動きが関東の内陸部を中心に広がり、その後震度7クラスの地震へと繋がり、最終的には一気に地殻変動へ連鎖連動してゆく流れの地震であると伝えられていたそうです。幸いにも小さな震度で済みましたが、油断出来ない状況が続いているようです。イザという時には自分や家族を守るという強い意識を持ち、物事が起きた際の集合場所の取り決めや連絡方法など、すべての物事に意識を傾けきちんと決めておくことは大切なことになります。

110日には中米・コスタリカのカリブ海で、M7.6の大地震が発生しました。幸いにも津波は観測されず、また震源地が陸地から離れていたので、被害もありませんでした。

また現在夏になる南半球のオーストラリア・シドニーでは、観測史上2番目に高い47.3℃を記録、反対に冬の北半球のアメリカは大寒波に襲われ、ニューヨークのマンハッタンでは25cmもの降雪がありました。12月に大規模な山火事に襲われたカリフォルニアでは、大雨による洪水と土石流に襲われました。

新しい年が始まったばかりで、大地震、洪水、異常高温、寒波などに見舞われています。今年は戌年ですが、過去の戌年を振り返ると19589月の狩野川台風では犠牲者1,269人、都心の1日降水量が371.0mmで、この記録は半世紀以上たった現在でも最高記録です。19707月は関東南部で集中豪雨、19827月は長崎大水害で犠牲者299人、19949月は大阪北部で局地的大雨、そして前回の20067月は九州から本州にかけての記録的大雨で犠牲者30人と、戌年は豪雨災害が多い傾向にあるようです。果たして2018年はどのような一年になるでしょうか。
 


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