インフルエンザについて

インフルエンザについていつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。11月も半ばになり、インフルエンザが流行しやすい季節になってきました。今回は感染症の一つであるインフルエンザについて、改めて考えてみたいと思います。1.どんな感染症かインフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こるウイルス性呼吸器感染症です。インフルエンザウイルスがのどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症します。世...
インフルエンザについて

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
11月も半ばになり、インフルエンザが流行しやすい季節になってきました。今回は感染症の一つであるインフルエンザについて、改めて考えてみたいと思います。

1.どんな感染症か
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こるウイルス性呼吸器感染症です。インフルエンザウイルスがのどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症します。世界中で全ての年齢の方が罹患しますが、特に小児と高齢者で重症化しやすいとされています。流行の規模は一定ではありませんが、毎年冬季に流行が見られ、学級閉鎖の原因や高齢者施設における施設内流行の原因にもなります。
インフルエンザウイルスはA, B, Cの3つの型があり、流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。A型インフルエンザでは、数年から数十年ごとに世界的な大流行が見られますが、これは突然別の亜型ウイルスが出現して、従来のウイルスと代わることによって起こります。1918年のスペインかぜ(H1N1)は39年間、1957年にはアジアかぜ(H2N2)が11年間続き、1968年には香港型(H3N2)が、そして1977年にソ連型(H1N1)が加わり、現在はA型のH3N2とH1N1、及びB型の3種が世界中で流行しています。
インフルエンザは主に、インフルエンザに感染した人の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるインフルエンザウイルスを吸い込むことによる飛沫感染によって感染します。

2.インフルエンザの症状
いずれの型のインフルエンザも1~3日の潜伏期を経て、普通のかぜとは異なり突然の悪寒を伴う38℃以上の高熱、全身倦怠感を伴って急激に発症します。鼻汁、咳、咽頭痛などの呼吸器症状や、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状を伴うことが多く、頭痛、関節痛も現れます。筋炎を起こすと筋肉痛が生じ、下肢の場合は歩行困難になることがあります。
症状の程度、持続期間は、流行しているウイルスの種類、患者の年齢、過去の罹患状況などにより様々ですが、合併症がない場合は7日~10日以内に軽快します。発症した場合の重症度は、前回の流行からの期間やウイルスの変異の度合い、罹患した人の感染歴や免疫状態などによって決まります。
乳幼児は成人に比べて重症化しやすく、インフルエンザ脳炎を発症したり、高熱による熱性けいれんを起こすことがあります。また慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害などの持病がある方は、インフルエンザウイルスに感染すると重症化するリスクが高くなるので、手洗いやうがい、人混みを避けるなどの予防対策を積極的に行うように心がけましょう。
普通のかぜは1年を通してみられますが、インフルエンザは季節性があり、日本では11~12月頃に流行が始まり、1月~3月にピークを迎えます。発症後の経過も、普通のかぜは経過がゆるやかで、発熱も軽度であり、くしゃみ・のどの痛み・鼻水・鼻づまりなどの症状が現れます。これに対してインフルエンザの発症は高熱を伴って急激に発症し、全身倦怠感や食欲不振などの全身症状が強く現われます。
インフルエンザの予防接種を受ける方も多いと思いますが、実は感染を予防する効果はありません。ワクチンは、今年はこの型が流行するだろうと予想して製造しますが、ワクチンと違う型のインフルエンザには罹患してしまいます。厚生労働省の研究班の報告によれば、感染した場合もインフルエンザ発症と重症化を抑える効果はあるそうです。予防接種をしたからと過信をせず、身の回りを清潔に保ち、十分な睡眠とバランスのとれた食事や基礎的な体力をつける、規則正しい生活を送ることが基本になります。そして予防法としては、外出時のマスク着用、うがい、手洗いという基本的なものになります。
・正しいマスクの着用方法
  http://www.medicom-japan.com/special/mask.html
・正しい手の洗い方
  http://www.medicom-japan.com/special/hand-washing.html
・正しい手指消毒の方法
  http://www.medicom-japan.com/special/hand-hygiene.html

3.インフルエンザがパンデミックになる可能性
インフルエンザは、数十年おきに今までのインフルエンザウイルスとは全く異なる「新型インフルエンザ」に変異したウイルスが発生します。これまでに存在したことのない新しいウイルスのため誰も免疫を持っておらず、発生すると短い間に広がり、パンデミック(大流行)になる可能性があります。1918年のスペインかぜ、1957年のアジアかぜ、1968年の香港かぜと3回の新型インフルエンザが発生しました。
そして現在最も心配されているのが、鳥インフルエンザの人から人への感染です。2014年の時点で新型インフルエンザに変異する可能性が心配されていたのが、「H7N9型鳥インフルエンザ」と「H5N1型鳥インフルエンザ」でした。このH及びNというのは、その表面上の2つのタンパク質を指し、数字は特定のウイルスが有するタンパク質の型を指しています。この型の違いによりヒトが感染するものや、鳥だけが感染するもの、豚だけが感染するものなどに分けられます。
2013年3月、中国で鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染が初めて報告されました。H7ウイルスは鳥に感染し、ヒトへの感染はごく稀でしかありませんでした。しかし2013年に感染した135人のうち、およそ4分の1が死亡しました。それ以降、毎年H7N9の新しい流行がありましたが、鳥類と哺乳動物の両方でより効果的に増殖することを可能にする突然変異を獲得し、進化しました。2017年9月20日の時点で、中国でのH7N9の感染者数は1,589例となり、そのうちの39%が死亡しています。
新たな変異ウイルスの哺乳類への影響を確認するため、東京大学医科学研究所などのチームが、中国の患者からとったウイルスをマウスやフェレットに感染される実験を行いました。その結果、フェレットの実験では従来型のH7N9ウイルスを感染させても死にませんでしたが、変異型では4匹中2匹が死にました。更に周囲にいた3匹のフェレットにも飛沫感染し、そのうち2匹が死にました。
日本国内ではH7N9型にヒトへの感染例はありません。中国の症例では数例の家族内感染が発生していましたが、家族全員が直接H7N9に触れたのか、あるいは同じ鳥から感染したのかの証拠はありません。また感染したうちの多くの人々が家禽市場や車両、または自宅の鳥類と直接接触しているために、一般市民に対するリスクは非常に低いと考えられています。

4.治療法がないマールブルグ病流行の恐れ
世界保健機関(WHO)は、アフリカ東部ウガンダとケニアの国境地帯でマールブルグ病が発生し、これまでに医療関係者2名を含む5人が感染し、3人が死亡したと発表しました。マールブルグ病は発症が突発的で、自然界からヒトへの感染メカニズムは明らかになっていませんが、重症化するとエボラ出血熱によく似た症状を引き起こし、特異的な治療法がないため死亡率は最大88%になります。
ウイルスの宿主はルーセットオオコウモリだと考えられており、コウモリが住んでいる洞窟や鉱山に近寄った観光客が感染したというケースも確認されています。ヒトからヒトへは血液や体液、排せつ物で汚れた寝具や衣類に接したり、性的接触で感染する可能性も高いです。ウガンダで死亡した3人の診断に当たっていた医療関係者も感染した可能性が高く、先月末時点で患者に接した150人以上に感染リスクがあると言われています。

比嘉良丸氏の御神事の中には、感染症や伝染病を防ぐための御神事も含まれています。
アフリカで発生したマールブルグ病は、発症した人数こそまだ5人ですが、感染した可能性の高い人が入院を拒否して村へ帰るなど、アフリカ特有の習慣や考え方により、今後、患者数が急増する可能性があります。
鳥インフルエンザも、鳥からヒトへ感染しても直接接触したことが感染の原因なら、接触した個人のみしか発症しません。もしH9N7ウイルスがヒトからヒトへ感染する能力を獲得したら、その時が新たなパンデミックの始まりかもしれません。
人間が全ての生きとし生けるもの達や自然との共存、地球に生かされていることに気付かずに今の生き方を変えなければ、自然界は人間排除の方向へ動き出します。その時には既存のインフルエンザウイルスの変異や、新たな感染症や伝染病の大流行が待っているのかもしれません。

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感染症について

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。インフルエンザも取り敢えずピークの時期は過ぎたようです。しかし、まだ安心は出来ません。比嘉良丸氏は春先の感染症の流行を懸念されています。今回はインフルエンザを始めとする感染症について書きたいと思います。1.感染症とは感染症というのは、病原微生物や病原体(細菌、スピロヘータ、リケッチア、ウイルス、真菌、原虫、寄生虫)が体内に侵入して定着・増殖して感染を...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
インフルエンザも取り敢えずピークの時期は過ぎたようです。しかし、まだ安心は出来ません。比嘉良丸氏は春先の感染症の流行を懸念されています。今回はインフルエンザを始めとする感染症について書きたいと思います。

1.感染症とは
感染症というのは、病原微生物や病原体(細菌、スピロヘータ、リケッチア、ウイルス、真菌、原虫、寄生虫)が体内に侵入して定着・増殖して感染を起こすと組織を破壊したり、病原体が毒素を出したりして体に害を与えると、一定の潜伏期間を経て病気になるものを「感染症」といい、「伝染病」は伝染性を持つ感染症のことになります。
過去には、ペスト、天然痘、スペイン風邪、コレラ等の感染症の大流行がありました。天然痘は1977年を最後に患者の発生は報告されておらず、WHOは1980年に根絶宣言を行いました。現在はアメリカとロシアのバイオセーフティーレベル4の施設で、厳重に管理されています。ヒトに感染するものの中では、天然痘は人類が根絶した唯一の感染症です。日本では1976年までは予防接種「種痘」が行われていましたが、免疫の持続期間は一般に5~10年といわれており、現在では免疫を持っている人は殆どおりません。そのため、万一外部への流出があった場合は大変な事態が発生します。致死率は20%~50%と非常に高く、生物兵器として使用された場合には大きな被害を出す危険が指摘されています。また感染力の強さからも、短時間での感染の拡大が懸念されています。
その他にも日本国内での発生はなくても、海外で発生している感染症もあります。自由に海外へ行き来出来る現在、海外で感染する可能性もあります。海外へ行かれる際は、現地の情報を確認しましょう。
厚生労働省検疫所 国・地域別情報
 http://www.forth.go.jp/destinations/index.html

2.ノロウイルスによる感染症
毎年冬に流行し、嘔吐や下痢の原因になるノロウイルスを主な原因とする感冒性胃腸炎ですが、今年は2006年以来の大流行で、特に大人数による食中毒が目立っています。先ごろも東京立川市で900人を超える集団食中毒がありました。また和歌山県でも700人を超える人が、ノロウイルスを原因とした食中毒になりました。いずれも学校給食で用いられた食材が汚染されていたのが原因です。
ノロウイルスの特徴はその感染力の強さです。ウイルスに汚染された食品を食べて感染するほか、患者の嘔吐物や下痢便には大量のウイルスが含まれており、その処理の際に感染する可能性があります。そのため嘔吐物や便を処理する時には、使い捨ての手袋やマスクガウンを着用し、ペーパータオルなどで静かに拭き取った後には、ビニール袋に入れて密封して処分します。潜伏期間は2日前後と短く、発病すると激しい嘔吐や下痢を1日に10回以上繰り返すこともあります。1~2日で自然に治ることも多いですが、現時点では予防のワクチンや有効な治療薬はありません。
集団感染の発生場所をみると、幼稚園と保育所が約4分の3を占めており、ウイルスの分析では近年流行していないタイプのウイルスが大半を占めており、免疫のない幼児がかかりやすくなっているようです。また以前の型が変異したものも発生しており、過去に感染した人も罹りやすくなっている可能性があります。
・ノロウイルス等の食中毒の予防について
  http://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/

3.インフルエンザ
国立感染症研究所の2月17日発表によると、日本全国でのインフルエンザ患者は前週に比べて48万人ほど減少したようですが、それでも国内で報告のあったインフルエンザ患者は約151万人もいます。
2月6日~12日までの一週間に、全国5000ヶ所の医療機関を受診したインフルエンザ患者の数は、14万1666人に上ります。1医療機関当たりでは28.57人となり、前週に比べると10人近く少なくなりました。医療機関当たりの患者数を都道府県別にみると、高知県が最も多く41.63人、次に福岡県が39.77人、大分県が38.55人、鹿児島県が38.31人、愛知県が38.03人と、西日本を中心に患者数が多い状態が続いています。
インフルエンザウイルスはA, B, Cの3つの型があり、流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。A型インフルエンザでは、数年から数十年ごとに世界的な大流行が見られますが、これは突然別の亜型ウイルスが出現して、従来のウイルスと代わることによって起こります。1918年のスペインかぜ(H1N1)は39年間、1957年にはアジアかぜ(H2N2)が11年間続き、1968年には香港型(H3N2)が、そして1977年にソ連型(H1N1)が加わり、現在はA型のH3N2とH1N1、及びB型の3種が世界中で流行しています。インフルエンザのワクチンは、今年はこの型が流行するだろうと予想をして製造します。インフルエンザの予防接種を受けられた方も多いと思いますが、実は感染を予防する効果はありません。厚生労働省の研究班の報告によれば、感染した場合もインフルエンザ発症と重症化を抑える効果はあるそうです。また、ワクチンと違う型のインフルエンザには罹患してしまいます。そのため「予防接種したのに、インフルエンザに罹った」という声を聞くことがあります。予防接種をしたからと過信をせず、身の回りを清潔に保ち、十分な睡眠とバランスのとれた食事や基礎的な体力をつける、規則正しい生活を送ることが基本になります。そして予防法としては、外出時のマスク着用、うがい、手洗いという基本的なものになります。
・正しいマスクの着用方法
  http://www.medicom-japan.com/special/mask.html
・正しい手の洗い方
  http://www.medicom-japan.com/special/hand-washing.html
・正しい手指消毒の方法
  http://www.medicom-japan.com/special/hand-hygiene.html

4.新型インフルエンザ
インフルエンザは、数十年おきに今までのインフルエンザウイルスとは全く違う「新型インフルエンザ」に変異したウイルスが発生します。これまでに存在したことのない新しいウイルスのため、誰も免疫を持っておらず、新型インフルエンザが発生すると短い間に広がり、大流行(パンデミック)になる可能性があります。1918年にスペインかぜ、1957年にアジアかぜ、1968年に香港かぜと3回の新型インフルエンザが発生しました。
そして、現在最も心配されているのが、鳥インフルエンザの人から人への感染です。鳥インフルエンザに感染しても、患者から他の人にうつることは殆どありません。しかし人への感染が繰り返されるうちに、鳥インフルエンザウイルスが人の身体に合うように変異することがあります。人の体内で増えやすいウイルスが作られるようになり、他の人へ移っていく力をウイルスが持つようになるのです。こうして人から人へと感染するまでに変異したウイルスは、鳥インフルエンザウイルスではなく人インフルエンザウイルスに変異したことになります。元々が鳥のウイルスのため、殆どの人が感染した経験を持たず、大流行を起こす恐れがあります。
2014年の冬に鳥インフルエンザから新型インフルエンザに変異する可能性が心配されていたのが、「H7N9型鳥インフルエンザウイルス」と「H5N1型鳥インフルエンザウイルス」です。「H5N1型」は香港で発生し、東南アジア、ヨーロッパ、アフリカなど広い地域で鳥の間に広がり、人への感染も報告されています。
「H7N9型」は、中国での感染が報告されており、人の体内でも増えるまでに変異することがわかりました。2016年11月以降、中国全土で鳥インフルエンザウイルスに感染した人間の患者数は360人を超えています。2013年3月に鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染が中国で最初に報告されて以来、過去4年間で1000人以上が感染し、このうち少なくとも359人の死亡が確認されています。
今年に入ってから福建、雲南、湖南、湖北、浙江各省などで感染報告が上がっています。政府の統計によると、今年1月の感染者は192人に上り、そのうち79人が死亡と発表されていますが、実際の感染者はもっと多いとの見方もあります。中でも江蘇省では49人の感染者のうち21人が死亡、安徽省では40人以上が発症し20人が死亡したと発表されています。特に患者数が多い江蘇省と安徽省では、感染して入院中の父親を看護した家族や、同部屋に入院した別の患者が発症するなど院内感染のケースも報告されています。
アメリカ・ニューヨーク市では、保護された400匹近い猫が鳥インフルエンザに感染し、治療にあった獣医師からもウイルスの陽性反応が出ました。
日本でも2016年11月以降、青森県(2ヶ所)、新潟県(2ヶ所)、北海道、宮崎県(2ヶ所)、熊本県、岐阜県、佐賀県と10農場で高病原性鳥インフルエンザが発生し、家禽の処分が行われています。それ以外にも21都道府県、合計171事例の死んだ野鳥から鳥インフルエンザウイルスが検出されています。
厚生労働省検疫所 鳥インフルエンザ発生状況
 http://www.forth.go.jp/topics/2017/02211146.html
農林水産省 平成28年度国内発生事例
 http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/H28AI/h28_hpai_kokunai.html

まだ日本では人への感染は報告されていませんが、特に今年は野鳥から検出される事例が多くなっています。中国を始めとして東南アジアでは、生きた家禽を扱う市場が数多く存在しています。鳥インフルエンザの人から人への感染によるパンデミックは、もうすぐそこまで迫っているのではないでしょうか?



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感染症について緊急のお知らせ

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。今回は緊急でおたふく風邪についてのお知らせです。おたふく風はムンプスウイルスに感染して起き、耳下腺や顎下腺、舌下腺といった唾液を分泌する腺が炎症を起こして、耳の下からあごの辺りが腫れる病気で、発熱や痛みを伴うこともあります。主に子供の病気として知られていますが、抗体がない大人も感染します。1月17日現在、全国約3000の小児科から報告された患者数は2793人...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。今回は緊急でおたふく風邪についてのお知らせです。
おたふく風はムンプスウイルスに感染して起き、耳下腺や顎下腺、舌下腺といった唾液を分泌する腺が炎症を起こして、耳の下からあごの辺りが腫れる病気で、発熱や痛みを伴うこともあります。主に子供の病気として知られていますが、抗体がない大人も感染します。
1月17日現在、全国約3000の小児科から報告された患者数は2793人で、都道府県別では石川・佐賀・沖縄などで患者が多くなっています。
おたふく風邪は、唾液を介した飛沫感染が主になり、2~3週間程度の潜伏期間の後に症状が出て、通常は1~2週間で治まります。ただ、ごく軽い症状や症状が出ない「不顕性感染」が約3割おり、本人がおたふく風邪と気が付かないまま、他人に感染させるケースもあります。
現時点では効果的な治療法はなく、解熱剤や痛み止めなど対症療法になります。
口を開けたり、そしゃくしたりすると痛むので、刺激が少なく喉ごしがいいものを食べさせ、脱水に気を付けます。
おたふく風は、まれに無菌性髄膜炎や脳炎など合併症を起こすこともあります。
頭痛や嘔吐、けいれんがあれば、髄膜炎や脳炎を疑う必要があります。また1000人に1人程度の割合で、難聴になることが報告されています。思春期以降に感染すると、睾丸炎や卵巣炎を起こす場合もあります。
おたふく風邪の唯一の予防法はワクチン接種です。一度感染すると抗体ができますが、かかった覚えがない人やワクチン接種をしたかどうかはっきりしない人は、抗体検査をすると判明します。

筆者が小学生の時、担任教師が児童のおたふく風邪がうつり、発症しました。その結果、約1ヶ月の入院になり、クラスが4つにわけられて、他のクラスに居候生活となりました。このように大人が感染すると重症の事態を招くことがあります。
飛沫感染を防ぐにはなるべく人混みに行かない、またくしゃみや咳で直接飛沫を浴びないように、マスクを着用することが大切です。インフルエンザも流行の時期を迎え、各地で注意報が発令されています。帰宅時のうがい、手洗い、マスク着用、食事、睡眠など、日頃からの備えをして、感染する可能性を下げましょう。

また現在、蚊が媒介する「ジカ熱」の感染が、中南米地域から欧米にも広がっています。昨年5月にブラジル北東部から感染が始まり、中南米22ヶ国以上の国と地域に広がっていますが、欧米でも発症する人が出て来ました。
感染すると発熱や関節痛、結膜の充血、発症などの症状が現れ、4~7日間症状が続きますが、ほとんどの感染者は症状が出ないことが多く、感染に気付かない場合もあります。一方、妊婦の方が感染すると新生児が小頭症や神経障害につながる危険性があります。ブラジルでは4180件の小頭症の新生児が確認されています。死産になった赤ちゃんから、またお母さんの羊水からジカウイルス検出されたので、小頭症との関連性は高いようです。
日本国内ではまだ感染の確認はありませんが、2016年2月15日から「4類感染症」としてジカ熱の診断をした医療機関から保健所への届け出が必要になりました。
ブラジルでは2月にリオのカーニバル、そして8月にはオリンピックがあり、渡航される方も多いと思います。その際にはきちんと情報を確認してから、渡航するようにつとめましょう。
厚生労働省検疫所 http://www.forth.go.jp/index.html


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感染症・伝染病について PART2

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。 前回に引き続き、今回は現在日本で流行している感染症について、その対策方法、そして将来発生が懸念される感染症について述べたいと思います。1.現在流行している感染症① ノロウイルスによる感染症 毎年冬に流行し、嘔吐や下痢の原因になるノロウイルスを主な原因とする感染性胃腸炎の患者数は、今年10月末以降急増しています。ノロウイルスの特徴はその感染力の強さです...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
前回に引き続き、今回は現在日本で流行している感染症について、その対策方法、そして将来発生が懸念される感染症について述べたいと思います。

1.現在流行している感染症
① ノロウイルスによる感染症
毎年冬に流行し、嘔吐や下痢の原因になるノロウイルスを主な原因とする感染性胃腸炎の患者数は、今年10月末以降急増しています。ノロウイルスの特徴はその感染力の強さです。ウイルスに汚染された食品を食べて感染するほか、患者の嘔吐物や下痢便には大量のウイルスが含まれており、その処理の際に感染する可能性があります。そのため嘔吐物や便を処理する時には、使い捨ての手袋やマスクガウンを着用し、ペーパータオルなどで静かに拭き取った後には、ビニール袋に入れて密封して処分します。
潜伏期間は2日前後と短く、発病すると激しい嘔吐や下痢を1日に10回以上繰り返すこともあります。1~2日で自然に治ることも多いですが、現時点では予防のワクチンや有効な治療薬はありません。
2014年には国内で採取された糞便から、新型ウイルスが確認されました。国内では新型ウイルスに感染した経験がなく、感染を防ぐ抗体を持たない人が大半です。今後この新型ウイルスが国内で大流行を引き起こす恐れがあります。
② エンテロウイルスD68
乳幼児や子供が発症しやすく、発熱やくしゃみ、鼻水などの症状から気管支炎や肺炎、呼吸困難に至り、深刻化すると筋肉に力が入らなくなり、脳神経機能に異常をきたしたり麻痺が残るケースもあります。昨年から全米で1000人以上が感染し14人が死亡したことから「謎のウイルス」と呼ばれています。
国内では2010年と2013年にそれぞれ120人以上の患者が発生していますが、昨年の感染報告者数は9人でした。今年は8月以降から報告が増え始め、11月末の時点で全国で過去最高となる202人に達し、全国各地に広がりを見せています。青森県では10歳の男子に重い麻痺症状が確認されました。現時点ではやはり予防のワクチンや有効な治療薬はありません。
③ RSウイルスによる感染症
RSウイルスは1歳までに約半数が、2歳までにほぼ100%が一度は感染し、その後に何度も罹ります。鼻水やせき、発熱など風邪に似た症状が特徴で、初めて感染した乳幼児の25~40%が肺炎や気管支炎になるなど重症化しやすい。せきやくしゃみなどのしぶきや接触によってうつります。感染力が強く、手すりなどに付着したものでもその後4~7時間は感染力が持続するという。
RSウイルスも予防のワクチンはなく、風邪と誤解して受診が遅れがちになる場合があります。2歳以下の場合、重症化して入院が必要になったり、突然亡くなったりするケースもあります。特に新生児や37週未満で生まれた早産児、心疾患などのある子は重症化しやすいようです。特効薬はなく、症状を和らげる治療が中心になります。
一番重要なのは乳幼児に感染させないことで、今の時期は乳幼児をむやみに人込みの中に連れ出さない、風邪をひいた人を乳幼児に近付けない、乳幼児が触れるおもちゃなどは細目にアルコール消毒する、風邪を引いた家族はマスクを着用するなどを守ることが大事になります。
④ インフルエンザ
インフルエンザウイルスによる急性の呼吸器感染症で、毎年冬になると各地でインフルエンザが流行し、学級閉鎖が相次いだりします。1~3日ほどの潜伏期間の後に、38度以上の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが突然現われ、咳、鼻汁などの上気道炎症状が続き、約1週間ほどで回復します。風邪と似たような症状ですが、全身症状が風邪に比べて強くなります。特に高齢者や呼吸器・循環器・腎臓に慢性疾患を持つ人、糖尿病などの代謝疾患、免疫機能が低下している患者はインフルエンザの悪化と共に、呼吸器に二次的な感染を起こしやすくなります。小児では中耳炎の合併、熱性痙攣や気管支喘息を誘発する場合もあります。近年、幼児を中心とした小児において、急激に悪化する急性脳症が増加しています。毎年50~200人のインフルエンザ脳症の患者が報告されており、その約10~30%が死亡しています。
インフルエンザウイルスはA, B, Cの3つの型があり、流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。A型インフルエンザでは、数年から数十年ごとに世界的な大流行が見られますが、これは突然別の亜型ウイルスが出現して、従来のウイルスと代わることによって起こります。1918年のスペインかぜ(H1N1)は39年間、1957年にはアジアかぜ(H2N2)が11年間続き、1968年には香港型(H3N2)が、そして1977年にソ連型(H1N1)が加わり、現在はA型のH3N2とH1N1、及びB型の3種が世界中で流行しています。

2.感染症に対する対策
感染症に対する基本的な対策としては、身の回りを清潔に保ち、免疫力を低下させないことが大切です。十分な睡眠をとり、バランスのとれた食事や基礎的な体力をつける、規則正しい生活を送ることが基本になります。そして予防法としては外出時のマスク着用、うがい、手洗いという基本的なものになります。
・正しいマスクの着用方法
  http://www.medicom-japan.com/special/mask.html
・正しい手の洗い方
  http://www.medicom-japan.com/special/hand-washing.html
・正しい手指消毒の方法
  http://www.medicom-japan.com/special/hand-hygiene.html
・ノロウイルス等の食中毒の予防について
  http://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/

インフルエンザには予防接種がありますが、実は感染を予防する効果はありません。厚生労働省の研究班の報告によれば、感染した場合もインフルエンザ発症と重症化を抑える効果はあるそうです。インフルエンザワクチンは、接種を受けた人の体にウイルスを排除する抗体を作り、同じウイルスが入って来た時にそれを攻撃して、発症や重症化を抑えるものです。ただインフルエンザワクチンに関しては、乳幼児や高齢者は抗体ができにくい上、インフルエンザウイルス自体が毎年少しずつ変異するため、予防接種を受けていても発症したり、同じ年にA型とB型の両方に罹ったりという事態も起こります。特に持病もない元気な10代~50代なら、インフルエンザに罹患しても1週間程度で回復します。それなら予防接種は必要ないと考えるなら、「受けない」という選択肢もあり得ます。
詳細は下記のサイトをご覧ください。
http://shokutokenkounowa.blog.fc2.com/blog-entry-211.html

3.将来発生が懸念される感染症
近年、様々な新しい感染症が現れて来ました。1981年に初めて発見されたエイズ(後天性免疫不全症候群)のように研究が進み、治療効果が高くなってきた感染症もあります。しかし感染症で最も懸念されることは、ウイルスが変異を起こすことです。冬場に多いノロウイルスによる感染性胃腸炎も、新型ノロウイルスの発生が確認されました。同じウイルスの場合、過去に一度感染していたら、次に感染した時は症状が軽く済みます。しかし新型の場合は人間がまだ免疫を持っていないため、重症化する可能性も出て来ます。
その中でもっとも懸念される感染症は、「鳥インフルエンザ」のヒトからヒトへの感染です。ウイルスは感染した細胞の中で、自分の遺伝子のコピーを作成して増殖していきます。インフルエンザウイルスの遺伝子はRNAで、このRNAは誤ったコピーが発生しやすく、これを「変異」といいます。インフルエンザウイルスは常にこの変異が起こっています。通常はRNAの一部だけの変異が、数十年に一度、大規模な変異を起こします。今までは鳥だけに感染していたウイルスが変異して、人に感染するようになります。更に人から人に感染するようになったものが新型インフルエンザです。
鳥インフルエンザが人に感染する新型インフルエンザに変異するのは、現在以下の3通りが考えられています。
① 鳥と人の両方のインフルエンザウイルスが、両方のウイルスに感染しやすいブタに同時に感染し、ブタの体内で両方の遺伝子が交じり合うことにより、全く新しいインフルエンザウイルスになる。
② 鳥インフルエンザが突然変異を繰り返しているうちに、ヒトからヒトに対する感染性を獲得して新型インフルエンザになる。
③ 鳥と人の両方のインフルエンザウイルスが、人の体内で遺伝子を交わらせて新型インフルエンザになる。
鳥インフルエンザ自体は、日本でも毎年各地で発生しており、ニュースで鳥を処分している映像を見る機会も多くなってきました。これは鳥から鳥への感染です。2003年以降、アジアでは鳥からヒトへ133人が感染し、68人が死亡しています。しかし2007年には南京市で鳥インフルエンザに父子が感染し、子供が死亡しました。父は子から感染したもので、中国で初めてのヒトからヒトへの感染例でした。子供の感染源は不明です。2013年にはやはり南京市で、猛毒型のH7N9亜型鳥インフルエンザに4人の感染が確認されました。いままではこの型はヒトへの感染はありませんでしたが、ブタなどを通じてヒトに感染するように変異した可能性があります。このようにウイルスは変異を起こすため、人間の間で感染(ヒトヒト感染)する能力を持つウイルスが生まれることが懸念されています。もしそうなったら第二のスペイン風邪になり、パンデミックが引き起こされる恐れがあります。

映画「感染列島」で感染経路が描かれていましたが、こうもりが保持する菌に感染した海外在住の日本人が一時帰国し、その家族が感染します。そして受診した家族を診察した医師が、吐血の飛沫を浴びて感染します。また海外に帰国する際に駅で吐血し、それを清掃処理していた駅員が手袋をしていない手で自分の眼をこすり、やはり感染します。
このように飛沫感染するウイルスは、皮膚表面にある傷口や目の粘膜からも入るので、手袋やゴーグル着用、映画ではフェースガードまで着用していました。
最後にインフルエンザのパンデミックが発生した時に備えて、事前に出来る準備を紹介します。このような事態にならないことを祈ります。
http://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/influenza/preparation.html


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感染症・伝染病について PART 1

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。11月には札幌で62年ぶりという大雪になりました。いよいよ冬本番に突入のようです。それと同時にインフルエンザの流行が始まる季節にもなってきました。比嘉良丸氏は、この時期はいつも感染症・伝染病が広がらないようにという御神事も行っています。そこで今回は2回にわたり感染症・伝染病についてとりあげてみたいと思います。まず第1回目は過去に流行したもの、そして近年流...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
11月には札幌で62年ぶりという大雪になりました。いよいよ冬本番に突入のようです。それと同時にインフルエンザの流行が始まる季節にもなってきました。比嘉良丸氏は、この時期はいつも感染症・伝染病が広がらないようにという御神事も行っています。そこで今回は2回にわたり感染症・伝染病についてとりあげてみたいと思います。まず第1回目は過去に流行したもの、そして近年流行した感染症・伝染病について紹介したいと思います。

1.感染症とは
感染症というのは、病原微生物や病原体(細菌、スピロヘータ、リケッチア、ウイルス、真菌、原虫、寄生虫)が体内に侵入して定着・増殖して感染を起こすと組織を破壊したり、病原体が毒素を出したりして体に害を与えると、一定の潜伏期間を経て病気になるものを「感染症」といい、「伝染病」は伝染性を持つ感染症のことになります。ここではまとめて「感染症」と記します。

2.歴史的な感染症
① ペスト
現代のペストと同じ症状の感染症で記録に残る最初のものは、542年に東ローマ帝国で流行したものであり、最も猛威を振るったのは14世紀のヨーロッパになります。感染すると2日~1週間で発熱し、皮膚に黒紫色の斑点や腫瘍ができることから「黒死病」とも呼ばれました。中国で大流行し、モンゴル帝国によるユーラシア大陸の東西を結ぶ交易を背景に、イスラム世界からヨーロッパ全土に拡大しました。全世界で6,500万人が亡くなったといわれています。その後も何度か流行を繰り返し、17世紀には14世紀とともに小氷期によりヨーロッパの気候が寒冷化し、ペストが大流行して飢饉が起こり、戦乱の多発により人口が激減しました。ペスト菌の存在がわからなかった時代には、大流行のたびにその原因が特定の人々に押し付けられ、魔女狩りやユダヤ教徒を迫害する事件が続発しました。
日本では明治になって国外から侵入したのが、初めてのペスト流行だとされています。また1960年代のベトナムでペストが大流行し、死者が年間1万人を超える年もあったようです。ベトナム戦争等による社会秩序の混乱が、伝染病の蔓延を促進した典型例と言われています。
② 天然痘
天然痘は有史以来、高い死亡率、治癒しても瘢痕を残すことから、世界中で悪魔の病気と恐れられてきた代表的な感染病です。天然痘ウイルスによる高熱、嘔吐、腰痛があり、全身に発疹し、既に1万年前にはヒトの病気だったようです。天然痘で死亡したと確認されている最古の患者は、紀元前1157年に死亡したとみられる古代エジプト第20王朝ファラオのラムセス5世で、ミイラの頭部に天然痘の痘疱があることが確認されています。「太陽王」と呼ばれたフランスのブルボン王朝ルイ14世も、その死因は天然痘です。また1521年にエルナン・コルテスがアステカ王国を征服しましたが、コルテス一行が持ち込んだ天然痘ウイルスに先住民族が感染して激減してしまったことも、征服された一因になったと言われています。
天然痘は1977年を最後に患者の発生は報告されておらず、WHOは1980年に根絶宣言を行いました。現在はアメリカとロシアのバイオセーフティーレベル4の施設で、厳重に管理されています。ヒトに感染するものの中では、天然痘は人類が根絶した唯一の感染症です。以前は天然痘の予防接種「種痘」が行われていましたが、現在天然痘ウイルスは自然界に存在しないとされているため、1976年以来、日本では行われていません。しかし厳重に保管されているとはいえ、天然痘ウイルスは現存しています。万一外部に漏れるような事故・事件が発生したら、とんでもない状況を招くことになります。また生物兵器の対策として、軍隊でも海外派遣される隊員に対しては集団接種が行われることがあるようです。
③ スペイン風邪
1918年、アメリカ合衆国の兵士の間で流行し始めたスペイン風邪は、鳥インフルエンザの一種と考えられ、人類が最初に遭遇したインフルエンザのパンデミックとなりました。感染者は6億人(当時の世界人口は12億人)、死者は4000万人から5000万人に上りました。この数は戦争や災害などすべてのヒトの死因の中で、最も多くのヒトを短期間で死に至らしめた記録的なものです。スペイン風邪の病原体は、鳥インフルエンザが突然変異しヒトに感染する形に変化し、これに対する免疫を持った人が極めて稀であったため、大流行になったと考えられています。
死者数は第一次世界大戦の死者を遥かに上回り、日本では当時の人口5,500万人に対して39万人が死亡、アメリカでは50万人もの人々が死亡しました。インフルエンザに対する免疫が弱い南方の島々では、島民がほぼ全滅するケースもありました。スペイン風邪は、それまでヒトに感染しなかった鳥インフルエンザが突然変異し、受容体がヒトに感染する形に変化するようになったことが原因と考えられ、これに対する免疫を持った人が極めて稀であったため、大流行になったと考えられています。当時は第一次世界大戦の最中でしたが、この大流行により戦争終結が早まったとも言われています。

3.近年流行した感染症
近年流行した、または現在も流行している代表的な感染症を紹介します。
① コレラ
コレラ菌による感染症で、突然の高熱、嘔吐、下痢、脱水症状が起こり、その感染力は非常に強く、これまでに7回のパンデミックが発生しています。日本では幕末1858年から3年に亘り全国的な大流行となり、江戸だけで10万人が死亡したといわれています。この時は長崎から始まり、江戸で大流行して函館まで広がりました。
最も重要な感染源は、患者の糞便や吐瀉物に汚染された水や食物です。通常の接触では人から人への感染の危険性は低く、不衛生な食材や調理環境で危険性が高く、流行地域ではアイスクリームや生もの、生水や氷は避けて下さい。コレラの直接の死亡原因となるのは、大量の下痢と嘔吐による水と電解質の損失によって起きる脱水症状です。そのため失われた水と電解質を補給することで、きわめて効果的に死亡を抑制することが出来ます。
コレラの流行は現在でも続いており、2015年8月からはアフリカ東部のタンザニアで大流行しており、これまでに少なくとも9871人が感染して150人が死亡したとWHOが伝えています。
② 新型インフルエンザ
2009年、当初はメキシコとアメリカ合衆国での局地的流行だったものが、春頃から翌年3月にかけ世界的に流行し、豚経由とみられたため、当初は「豚インフルエンザ」と呼ばれました。季節性インフルエンザに比べて、下痢などの消化器症状が多い可能性が指摘されています。また慢性呼吸器疾患や慢性心疾患などの持病のある方は、重症化する可能性が高い場合があります。ただし現在の日本では、季節性インフルエンザとほぼ同様の扱いになっています。
③ デング熱
熱帯や亜熱帯の全域で流行しており、2014年には日本でも感染者が発生しました。原因はこのウイルスを持つ蚊に刺されることにより発症します。ヒトからヒトへの直接感染はありません。感染すると発熱、頭痛、筋肉痛や皮膚の発疹が主症状です。
④ MERS (中東呼吸器症候群)
2012年9月に初めて発見されました。サウジアラビア、カタール、ドバイ等の中東地域で感染が報告されており、この名がつけられました。その他、ヨーロッパでも患者が確認されていますが、いずれも中東への渡航歴のある人、もしくはその接触者です。肺炎を主症状とし、死亡率は40~50%と非常に高くなっています。
2015年の韓国での流行は、バーレーンに半月間滞在した男性が自身の感染を知らずに帰国し、発症後に複数の病院を受診、その内の一つの病院で感染が広がり、その後、数名の隔離対象者が各地へ旅行したりで一気に騒ぎが拡大したものです。現在は自己申告になっているため、実際の感染者が不明確になっています。
⑤ エボラ出血熱
2014年から西アフリカで流行した、現在進行形の感染病です。1976年にスーダンで初めて発見され、最初の感染者の出身地付近のエボラ川からこの名前が付けられました。これまでにもアフリカ大陸で10回、突発的に発生し流行しましたが、感染した時の致死率は50~90%と非常に高く、最も危険な感染病の一つになっています。2015年11月時点では、西アフリカ3ヶ国(ギニア、リベリア、シェラレオネ)の感染者数は28,601人、死亡者数は11,299人になっています。また終息宣言が出された後も、新たな患者が発見されています。
患者の血液、分泌物、排泄物、体液や唾液などから飛沫感染し、死亡した患者の遺体からも感染する可能性があります。ただし空気感染はしません。今回の流行では治療に当たった医療者の感染も相次ぎ、本国での治療を受けた医師が回復した例もありましたが、現在でも体内にウイルスは存在しているようです。
映画「アウトブレイク」はこの病気をモデルにしています。
⑥ エイズ (後天性免疫不全症候群)
ハリウッドの有名俳優がHIV感染したとの告白がありましたが、エイズはヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によって引き起こされます。HIV感染症は性感染症で、性行為により感染します。また血液を介して感染することもあります。日本ではHIVを含む血液から作られた血液製剤により、全血友病患者の4割にあたる方が感染してしまいました。
最近ではHIVに感染しても発症を抑える治療薬剤が多数開発され、エイズで亡くなる患者数は大幅に減りました。しかしHIV感染症自体を根治することは不可能なため、生涯薬を飲み続ける必要があります。

以上、代表的な感染症を取り上げてみましたが、これ以外にも様々な感染症が存在します。また歴史的な感染症も、いつまた現代で流行するかわかりません。
次回は、現在日本で流行している感染症をとりあげ、その予防方法も紹介したいと思います。

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