大規模災害発生時の行政の対応について・2

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。前回は大規模災害発生時の行政の対応について、南海トラフ地震と首都直下型地震における国の対策計画を紹介し、行政対応の問題点について簡単に紹介しました。今回は熊本地震を取り上げて、具体的な対応や問題点について記述したいと思います。1.災害が発生したら災害が発生した時の行政の対応について、代表的な事柄を時系列で紹介します。4月14日 21:26 M6.4 (震度7)の地...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
前回は大規模災害発生時の行政の対応について、南海トラフ地震と首都直下型地震における国の対策計画を紹介し、行政対応の問題点について簡単に紹介しました。
今回は熊本地震を取り上げて、具体的な対応や問題点について記述したいと思います。

1.災害が発生したら
災害が発生した時の行政の対応について、代表的な事柄を時系列で紹介します。
4月14日
21:26 M6.4 (震度7)の地震発生
     地震発生後、熊本県は熊本県災害対策本部を設置
     大分県も県災害対策連絡室設置し2時間後に県災害警戒本部に格上げ
21:31 首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置
     警察庁は非常災害警備本部を設置し、熊本県内にヘリコプターや部隊を派遣
21:36 安倍首相が早急な被害状況の把握や災害応急対策に全力で取り組むこと、国民に対し避難や被害等に関する情報提供を適時的確に行うことを指示
    総理指示発信後、各省庁、自衛隊、海上保安庁、消防庁、警視庁、気象庁、国土交通省などが情報収集にあたる
21:59 原子力規制庁が、川内原発に異常がないことを確認
22:05 熊本県知事から総務省消防庁に緊急消防援助隊出動を要請
     これにより自衛隊350人、警察が県外から200人、消防200人が派遣された
22:10 災害対策基本法に基づく「非常災害対策本部」設置
22:30 厚生労働省は厚生労働災害対策本部を設置。九州ブロックを皮切りに、順次広範囲に災害派遣医療チーム(DMAT)の派遣を要請。その後、順次日本医師会災害医療チーム(JMAT)、全日本病院協会災害時医療支援活動班(AMAT)などに業務を引き継ぐ
22:40 熊本県知事から自衛隊陸自第8師団長に対して災害派遣を要請
4月15日
00:30 第1回災害対策本部会
01:00 熊本県は熊本県全域において「災害救助法」の適用を決定
07:40 環境省は九州地方環境事務所に災害対策本部を設置。災害廃棄物対策を支援
08:30 熊本県知事は非常災害対策本部に激甚災害の早期指定など全面支援を安倍晋三首相に要請
10:40 災害対策基本法に基づき政府が熊本県庁内に非常災害現地対策本部設置
自衛隊派遣内容 人員約1,700名(延べ約2,100名)
4月16日
01:25 M7.4(震度7)の地震発生
01:27 気象庁が有明・八代海に津波注意報を発表、2時14分に解除
01:59 原子力規制庁が、川内原発・玄海原発など周辺の原発に異常がないことを確認
02:38 安倍首相が、被災者の救命・救助等の災害応急対策に全力で取り組むよう指示
02:52 大分県知事が、陸上自衛隊に災害派遣を要請
03:40 気象庁が記者会見で、1時25分発生の地震が、14日夜以降に起きた地震の本震と発表
     福岡県災害対策本部が第1回の会議を開催
04:45 熊本空港で天井の一部崩落など建物被害が出たため、空港の閉鎖を決定
04:51 警察庁が11県警から応援部隊365人を追加派遣すると発表
04:55 中谷防衛相が陸海空3自衛隊による統合任務部隊編成を命令
05:10 政府が官邸で非常災害対策本部の会議を開催
05:51 菅官房長官が記者会見で、広範囲で甚大な被害が発生している、警察・自衛隊・医療部隊等を最大限投入、自衛隊は16日中に15,000人、17日以降に2万人態勢にすると述べる
07:00 佐賀県が災害警戒本部会議を開催
11:34 政府がこの日2回目の非常災害対策本部の会議を開催
14:00 熊本県知事が臨時記者会見で、16日夜から17日にかけ雨で地盤が緩むことが予想されるため、県民に早目の避難を呼びかける
4月17日
16:00 熊本県八代市長が、市庁舎に崩壊の恐れが生じたとして庁舎の封鎖を発表
    安倍首相が米軍オスプレイの支援受け入れを表明
4月19日 熊本空港が一部復旧
4月25日 激甚災害法に基づき、熊本地震による災害を「激甚災害」に指定
4月28日 特定非常災害特別措置法に基づき、熊本地震による災害を「特定非常災害」に指定。阪神・淡路大震災、新潟中越地震、東日本大震災に続き4例目の指定
5月9日  自衛隊初動対応に一定のめどがたち、陸海空3自衛隊による統合任務部隊が解散。最大2万6000人の自衛隊員が被災地で活動
5月10日 大規模災害復興法に基づき、熊本地震による災害を「非常災害」として指定する政令を閣議決定。東日本大震災を踏まえて2013年に制定されたもので、これが初の適用事例

2.発生した問題点
(1) 各機関との連携体制
大災害が発生すると、警察・自衛隊・消防が救助活動を行います。その際、どの地域でどういう被害、例えば土砂崩れや生き埋めが発生しているかという情報や、誰がどの地域を捜索するかなどの担当がはっきりしていないと、複数のチームが現場に集まったり、反対に全くチームが来ないため救命が間に合わないこともあります。特に被災地域が広範囲にわたるほど、情報の混乱が発生します。
国家公安委員会と警察庁の防災業務計画によると、災害発生時には被災地を管轄する警察署長が救助隊を編成し、担当の区割りを決め、関係機関との調整を行うことになっています。しかし実際には災害発生直後の地元署は、避難誘導や被害の確認、交通規制などに忙殺され調整が十分できないこともあり、専門知識を持った調整役の必要性が指摘されていました。
今回の熊本地震の現場でも、4月14日の「前震」後、益城町に警察・自衛隊・消防などの「合同調整所」が設置されましたが、リーダーシップをとる調整役がいないため、関係機関との情報共有に課題が残りました。現場に派遣された警察幹部によると、地震発生直後は要救助者の有無などを確認した地域の情報を、消防・自衛隊との間で共有出来ず、他機関の捜索がどこでどう進んでいるのか、詳しく把握できないこともあったそうです。
自衛隊は隊員数も多く重機の扱いに優れている、消防は救助技術が高い、警察官は被災者から情報を聞き出す力があるなど、それぞれが得意分野を持っています。今回の熊本地震や大規模災害が相次ぐ中、警察庁は全国の警察本部に災害時に部隊の指揮や、消防・自衛隊など関係機関との調整を行う「指揮支援班」の設置を決めました。発生当初の救助活動をスムーズに行う目的で、それにより多くの方をより早く救助出来るようになります。
(2) 震災とは無縁という過信
熊本県では2011年度から2年間かけて地域防災計画の前提となる地震・津波被害想定調査を実施。今回地震を起こした布田川・日奈久断層帯の地震では、最大で建物の全半壊11万300棟、死者960人、避難生活者15万6000人といった被害が出ると想定していました。実際に想定を超えたのは、一時18万人まで膨れ上がった避難者のみでしたが、県内の自治体では様々な混乱が生じ、職員や被災者からは「想定外」の声が相次ぎました。
甚大な被害想定の一方で、県は「大規模地震と無縁の土地柄」と謳い企業誘致を行っていました。県の企業立地課の担当者は「国の地震調査委員会の発表では地震の確率が低く、想定はあくまで最悪の想定にすぎず、実際には起きないだろうと思っていた。正直、こんな地震が来て皆驚いている」と述べています。広報担当者は「熊本は地震リスクが低いとの認識だった。日本中どこでも大地震が来ることを思い知らされた」と語っています。
(3) 避難所や医療機関が被災
各自治体では防災計画において、避難場所や緊急時の診療体制がとれる医療機関などを指定しています。しかし今回の熊本地震では県内の医療機関の約3割にあたる450施設に何らかの被害があり、うち4施設は建物が損壊するなどして入院患者を別の病院に移しました。また県内にある447の高齢者施設も被災し、11施設が使用不能になっています。
熊本市では一時、想定の2倍、人口の約15%にあたる11万人近くが避難しました。県内の指定避難所562ヶ所中、70ヶ所が閉鎖されるなどし、避難所に入れない人も続出しました。治まらない余震の恐怖で、自治体が把握できないほど車中泊が増加しました。
二度の震度7に襲われた益城町では、2000人を収容するはずだった町最大の指定避難所は、メインアリーナの天井が崩落して使えず、通路などに数百人がひしめきあうという状態になりました。前震では天井板が数枚落下する程度だったため、半分だけ使用するかの検討も行いましたが余震を考えて使用しませんでした。その後の本震では重さ約10キロの天井板が一気に崩落し、もし避難者を収容していたら数百人規模の死傷者が発生した大惨事になっていました。つり天井は国の耐震工事の補助対象外で、耐震化されていませんでした。
また認知症高齢者らを優先的に受け入れると町が定めた「福祉避難所」は、一般の避難者で埋め尽くされました。そのため高齢者や認知症の方が一般の避難所に避難して、体調を崩される方が数多く出てしまいました。

3.熊本地震から見えたこと
(1) 地域防災計画の盲点
全国の自治体が策定を義務付けられている「地域防災計画」は、益城町の場合は全93ページ。その中で水害想定の57ページに対し地震対策は7ページしかなく、その内容の多くは水害の章の準用で乏しい内容になっています。九州という土地柄か地震よりも台風への関心が強く、避難所への緊急職員配置や運営方法のマニュアルも、事前に備えられる豪雨や台風には必要ないと作成していませんでした。その結果、避難所の混乱を招いただけでなく、災害弱者を孤立させてしまいました。
地震発生確率が低かった活断層で起きた今回の地震を受けて、全国では防災計画の見直しが出始めています。長野県では直下型地震に対する備えの強化、鳥取県や滋賀県では物資集積拠点の分散化や備蓄方法の再検討、拠点施設の耐震性の点検などを行う方針が表明されました。滋賀県の防災担当者は「熊本地震の国の評価を待っていては遅くなる。出来るところからやりたい」と話しています。
(2) 救援物資
16日の本震直後から救援物資が次々と運び込まれましたが、避難者に行き渡らない状況が続きました。断層をまたいで走る高速道路は各地で断絶し、益城町では物資集積所になる計画だった大型催事場が損壊。国の広域防災拠点に指定されていた熊本空港も、ビルが使用不能になりました。県の防災担当者は、交通や拠点施設がここまで被害を受けるとは考えていなかったそうです。
今回は自治体や避難所からの要請を待たずに物資を送る「プッシュ型」でしたが、集積所の変更や避難所への配布ルートの断絶など、避難者の手元に届くまで予想以上に時間がかかってしまいました。南海トラフ巨大地震や首都直下地震では、国は物資の「プッシュ型」を計画しています。その際の防災拠点が安全なのか、輸送ルートは確保できるのか、様々な問題点が浮上しています。
(3) 人手不足
救援物資の仕分け、輸送を始めとして、避難所運営、罹災証明書を発行するための地震被害の調査等、あらゆる面で人手が必要になります。特に小規模自治体では、決定的に職員数が足りません。
各避難所での備蓄は不可欠ですが、住民も水や食料を備蓄して避難所に持っていくぐらいの自助意識を持つべきです。災害時に行政が人手不足になるのは当然のことで、住民の共助で避難所運営を行うことが必要です。阪神大震災の際には、住民達が避難所内で自治組織を作り、様々な事柄を分担して運営している所がありました。
今回の地震の発生直後、混乱する被災地に先に大きな災害に遭っている自治体が、経験を活かした緊急支援に駆けつけました。そこから見えたことは、避難所での責任者がはっきりせず混乱している、幹部職員が避難所の現場に出ているため役所の機能が動かないなど、混乱と人手不足による対応の遅れです。
特に生活再建に欠かせない罹災証明書の発行の遅れは、復興に向けた大半の業務が滞ります。現在は住宅の被災状況や所有者に関する情報を一元管理し、簡単に証明書が発行できる支援システムが複数でき熊本市も導入済みでしたが、水害による局地的被害だけで使ったことがなく、県内ではシステムの存在を知らなかった自治体も多くありました。

今回の地震は、被害が大きかったのは熊本県内の一部地域です。それでも多くの避難者が発生し、数々の問題点が生じました。これがもっと被害地域が大きくなる南海トラフ巨大地震や首都直下地震だった場合、どんな混乱が発生するか想像が出来ません。防災計画の見直しを始めとして、他自治体との間で応援派遣の取り決めや調査方法の共有など、平時からの備えが欠かせません。
また私達各自が家の耐震化、家具や本棚の固定、非常食の準備などの防災活動を行うことが重要です。自宅には最低でも一週間分の水と食料を準備しましょう。また職場にも非常用のリュックを備えておきましょう。それ以外の物品も、下記のサイト等を参考にして用意しておくと安心です。
参考 防災用品のまとめ方
http://allabout.co.jp/gm/gc/2245/2/
http://matome.naver.jp/odai/2133068540507871501
東京防災 http://www.bousai.metro.tokyo.jp/book/index.html

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首都直下地震とは

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。4月に発生した熊本地震は、僅か28時間の間隔をあけて二つの活断層が動いた連続地震でした。その後、阿蘇地方や大分県など北東方向に連鎖が広がり、震源域は約100kmに及び、専門家も「見たことがない現象」と指摘しています。多数の活断層がひしめく日本では、地震の連鎖は熊本以外でも起こる可能性があり、専門家は「他の地域でも隣接する活断層がある場合は、大地震が連続する...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
4月に発生した熊本地震は、僅か28時間の間隔をあけて二つの活断層が動いた連続地震でした。その後、阿蘇地方や大分県など北東方向に連鎖が広がり、震源域は約100kmに及び、専門家も「見たことがない現象」と指摘しています。多数の活断層がひしめく日本では、地震の連鎖は熊本以外でも起こる可能性があり、専門家は「他の地域でも隣接する活断層がある場合は、大地震が連続することを想定する必要がある」と述べています。
日本で地震が多いのは、地球の表面を覆う十数枚のプレートのうち、4枚が複雑に地下で重なり合っているためです。海側のプレートは陸側のプレートの下に沈み込み、岩盤にひずみを蓄積。これが活断層を動かす要因となっています。2008年の岩手・宮城内陸地震(M7.2、最大震度6強)のように、見つかっていなかった断層で大地震が起こることもあります。また今回のような直下型地震は、海底のプレート境界付近で起こる地震に比べ、被害が局地的になりやすく、それだけに各地域での防災対策が重要になります。
今後必ず発生する首都直下地震は、活断層が震源になる可能性もあります。今回は首都直下地震の概略について、簡単に解説したいと思います。

1.首都直下のプレート
東京を中心に、埼玉・千葉・神奈川の1都3県には日本の全人口の約3割が集中しており、首都直下地震はその東京近辺の直下を震源とする地震になります。
首都圏は大陸プレートである北米プレートの上にありますが、その下には海洋プレートのフィリピン海プレートが潜り込み、さらにその下に太平洋プレートが潜り込んでいます。それぞれのプレート境界では、プレートの沈み込みによる海溝型の地震が、また各プレートの内部では、プレートの複雑な動きで生まれるひずみによる地震が想定されています。
首都圏プレート図 産総研
  http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20081010/nr20081010.html

2.M8の前にM7クラスが
東京近辺ではM8クラスの巨大地震が、過去400年の間に2度起きています。1度目は1703年の「元禄関東地震」で1万人以上の死者を出しました。北米プレートとフィリピン海プレート境界の「相模トラフ」とよばれる所で起きた海溝型地震で、規模はM8.5と推定されています。2度目は1923年の「大正関東地震」で、10万人以上が亡くなりました。これも相模トラフで起きた海溝型地震で、規模はM8.2と推定されています。
政府の中央防災会議では、「元禄」型の関東地震は2000~3000年程度の間隔で、「大正」型の関東地震は200~400年の間隔で発生すると予測しています。
しかし、2つの巨大地震の前には、少し規模の小さいM7クラスの地震が幾つも発生しています。例えば大正関東地震から約70年前の1855年には、M6.9と推定される安政江戸地震が起き、4000人以上が亡くなりました。これは東京湾北部が震源の直下型地震です。このような事例から、次の巨大地震の前にもM7クラスの直下型地震が起こると考えられています。中央防災会議はその確率を、今後30年間に約70%と予測しています。

3.直下地震のシミュレーション
中央防災会議では、首都圏に起きる可能性のあるM7クラスの地震を、都心南部直下(M7.3)、都心東部直下(M7.3)、都心西部直下(M7.3)、成田空港直下(M7.3)、千葉市直下(M7.3)、市原市直下(M7.3)、茨城南部(M7.3)、茨城・埼玉県境(M7.3)、さいたま市直下(M6.8)、関東平野北西縁断層帯(M6.9)、立川市直下(M7.3)、立川断層帯(M7.1)、伊勢原断層帯(M6.8)、横浜市直下(M6.8)、西相模灘(M7.3)、三浦半島断層群主部(M7.0)、川崎市直下(M7.3)、羽田空港直下(M7.3)の19パターンで震源を想定しています。
最も大きな被害が予想されるのは、「都心南部直下」のフィリピン海プレート内に想定したM7.3の地震です。この地震では、家屋の全壊と消失が最大約61万棟、建物の倒壊や火災による死者が最大2万3000人に及び、地震直後では都区部の約5割で停電と断水が起こります。特に心配されるのが、1981年の建築基準法の改正前に建てられた建物で、震度7で6割以上が全壊すると考えられています。
交通機関では、地下鉄は1週間、私鉄・JRは1ヶ月ほど運行停止、主要道路でも1~2日は通行不能の状態になると予測されています。
朝日新聞 首都直下地震の被害想定
  http://www.asahi.com/special/syutochoka/

4.津波の危険性も
元禄関東地震や大正関東地震のように、相模トラフを震源とする海溝型地震の特徴は、揺れだけではなく津波も引き起こすことです。元禄関東地震では鎌倉に高さ8m、品川に高さ2mの津波が押し寄せました。再び同じタイプの地震が起これば、津波が予想されます。
東京は海水面よりも地面が低い「ゼロメートル地帯」も多いことから、被害が広い範囲に及ぶおそれがあります。高さ2mの津波でも海岸から約20kmまで、高さ6mでは約40kmまで水没するところがあるといわれています。また都心部は地下鉄が発達しているため、地下に水が浸入する危険性も高いです。
なお被害想定の死者数には、地下鉄や地下街が水没することによる犠牲者の数は含まれていません。「地下」は過去にはなかったものなので、想定の対象には含まないということになっています。

活断層図を見ると、首都圏の直下には活断層がありません。これは活断層が存在しないのではなく、関東ローム層に覆われているので分からないというのが実際です。そのため、首都圏でいきなり地震が発生する可能性も否定できません。
現在、熊本県の災害対策本部には、中央官庁から多くの職員が詰めています。災害後の対応はもちろんですが、次の災害に活かすためにあらゆる情報を収集しています。逆に言えば、南海トラフ地震や首都直下地震の発生は確実だということです。
各自が家の耐震化、家具や本棚の固定、非常食の準備などの防災活動を行うことにより、死者数も減らすことが出来ます。首都直下地震は、発震後3日目までは備蓄で対応するのが原則になっています。言い換えれば3日間は救援物資が来ないということです。自宅には最低でも一週間分の水と食料を準備しましょう。また職場にも非常用のリュックを備えておきましょう。それ以外の物品も、下記のサイト等を参考にして用意しておくと安心です。
参考 防災用品のまとめ方
  http://allabout.co.jp/gm/gc/2245/2/
  http://matome.naver.jp/odai/2133068540507871501
東京防災 http://www.bousai.metro.tokyo.jp/book/index.html

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大規模災害発生時の行政の対応について

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。熊本地震から1ヶ月が過ぎました。しかし一日の回数は少なくなったものの未だに地震が続き、その数は1400回を超えました。この回数は1995年の阪神淡路大震災の2倍にもなっています。そのため被害調査も始められないばかりか、繰り返す地震の為にその被害がどんどん広がっている箇所もあります。避難されている方も1万人以上いらっしゃいます。仮設住宅の建設が始まり、少しずつ...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
熊本地震から1ヶ月が過ぎました。しかし一日の回数は少なくなったものの未だに地震が続き、その数は1400回を超えました。この回数は1995年の阪神淡路大震災の2倍にもなっています。そのため被害調査も始められないばかりか、繰り返す地震の為にその被害がどんどん広がっている箇所もあります。避難されている方も1万人以上いらっしゃいます。仮設住宅の建設が始まり、少しずつ復旧・復興への歩みも始まりましたが、まだまだ前途多難な状況が続いています。
大規模災害が発生すると、まず「災害対策本部」が設置され、そこを中心に様々な対応がなされていきます。今回は大規模災害発生時の行政の対応について、南海トラフ地震と首都直下型地震における国の対策計画を紹介し、行政対応の問題点について述べたいと思います。

1.南海トラフ地震における応急対策活動計画
南海トラフ地震は将来必ず発生する地震です。地震の規模M9.0~9.1、津波の最大高さ34m、津波の浸水面積1015平方キロ、死者・行方不明32万人、負傷者62万3000人、全壊棟数238万棟、避難者950万人、断水3440万人、停電2710万軒、経済的な被害は最悪220兆円にのぼるという算定がなされました。そして「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」に基づき、南海トラフ地震の発生時の災害応急対策活動が計画されました。
計画は「輸送ルート」「救助・消火」「医療」「物資」「燃料」の5分野に分けて策定され、生存率が大幅に低下する「発生後72時間」以内の救援を最重点に掲げ、各分野ごとに72時間の活動を詳細に定めました。
発生初日には応援部隊を出動させ、物資調達を開始。2日目には緊急交通路の指定や船による救助を行い3日目には物資を被災地近くの拠点まで運び込みます。救援物資は発生から3日間で被災地の備蓄が尽きると想定し、4日目には被災者の元に支援物資が届くようにします。食料や毛布など必需品6品目は、被災地の要請を待たずに輸送します。
応援部隊の動員計画は、津波被害が予想される10県(静岡・愛知・三重・和歌山・徳島・香川・愛媛・高知・大分・宮崎)を必ず応援を要する「重点受援県」と定め、残る37都道府県から最優先で応援部隊を派遣します。最大で警察約1万6000人、消防約1万6600人、自衛隊は10県の部隊も含めて約11万人を投入。域内の警察・消防は警察職員3万6000人、消防職員2万5000人、消防団員14万8000人を最大限動員します。想定される被害規模に応じ、中部に4割、四国に3割、近畿に2割、九州に1割を振り向けます。海や空での移動や輸送のため、全国の警察や自衛隊などから最大でヘリコプター計約480機と航空機約140機、船舶約470隻も出動します。
中央防災会議 南海トラフ地震対策
  http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/index.html

2.首都直下地震における応急対策活動計画
首都直下地震は「30年間の間に発生する確率が70%」と予想されるマグニチュード7クラスの大地震です。関東地方の地下は北米プレート(岩板)の下に、フィリピン海プレートと太平洋プレートが潜り込む複雑な構造になっています。このため首都圏のどこで直下型地震が起こるのか分からず、中央防災会議は東京西部の立川断層、千葉県の成田空港直下、三浦半島付近など19パターンの震源を想定しています。このうち「都心南部直下」型は被害が最悪になるとみられ、約2万3000人が死亡し、約61万棟が全壊またし消失と試算されています。そして「首都直下地震緊急対策推進基本計画」に基づき、首都直下地震の発生時の各防災関係機関が行う応急対策活動が計画されました。
計画は「輸送ルート」「救助・消火」「医療」「物資」「燃料」「帰宅困難者」の6分野に分けて策定され、生存率が大幅に低下する「発生後72時間」以内の救援を最重点に掲げ、各分野ごとに72時間の活動を詳細に定めました。また巨大過密都市を襲う膨大な被害の様相を踏まえた対応を反映し、「道路交通麻痺に対応するための道路啓開及び滞留車両の排除や交通規制」「救助活動拠点の明確化」「災害拠点病院機能の最大限の活用」「帰宅困難者対応」等がポイントになっています。特に首都直下地震の発生から48時間以内に、都心部へと繋がる緊急ルートを周辺の8つの方向から確保し、壊滅的な被害を受ける都心部への道を早期に開通させ、救出作業や物資の輸送に役立てます。その際、放置されている車両は、国や自治体が強制撤去できる権限が与えられます。
救援物資は、発災後3日までは備蓄にて対応、4日目から広域物資輸送拠点から地域内輸送拠点や避難所へ輸送されます。
応援部隊の動員計画は、甚大な被害が予想される1都3県(東京・埼玉・千葉・神奈川)以外の43道府県から応援部隊を派遣します。最大で警察約1万4000人、消防約1万6000人、自衛隊は1都3県の部隊も含めて約11万人を投入。域内の警察・消防は警察職員8万人、消防職員4万5000人、消防団員8万2000人を最大限動員します。また航空機450機、船舶330隻を活用します。
中央防災会議 首都直下地震対策
  http://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/index.html

3.行政対応の問題点
(1) 直後の混乱
地震発生直後は、余震や停電など様々な事柄が発生します。熊本地震では消防の総合指令センターの通信が約5分間途絶え、119番通報が繋がりませんでした。道路の損壊や通行不能箇所も多く、1727件の通報に対して450件しか対応が出来ませんでした。東日本大震災の時には航空自衛隊松島基地を始めとして、消防署や警察署自体が津波の被害を受け、全く機能しなくなってしまいました。熊本地震でも市役所の建物が崩壊して、行政自体に様々な支障が出ています。
(2) 二次災害
地震により大規模火災や有毒ガスの発生等、ただちに救助活動が出来ない場合があります。熊本地震では南阿蘇村で大規模な地滑りが発生し、生き埋めになった方がおりました。自衛隊・消防・警察が懸命な捜索活動を行いましたが、その最中、新たな亀裂が発見されて全員が退避、救助活動が中断するという出来事がありました。人命救助は最重要事項ですが、新たな被害を生むわけにはいきません。そのため二次災害が予想される場合は、どうしても救助活動が中断してしまいます。
(3) 災害対策本部の連携
災害が発生すると、災害対策本部が立ち上がります。大規模災害の場合は地方自治体の災害対策本部だけではなく、政府内にも災害対策本部が設置されます。今回紹介した南海トラフ地震と首都直下地震の応急対策活動計画は「国」の計画です。これらの計画を遂行する為に地方自治体と協働していきますが、混乱の中、果たして連携が上手くとれるのでしょうか?
熊本地震では、救援活動に出動した自衛隊と地方自治体との連携で混乱がみられました。自衛隊の大型トラックが、自治体側から事前に指定された集積所に着いても物資が全くなかったケースや、逆に山積みの物資を運ぼうとしても自治体側の許可が下りず、動けないことも多かったそうです。

4.自助・共助・公助
現在、各自治体では今後予想される災害の防災計画を作成しています。しかしどんなに綿密な計画を立てていても、自然の動きは人間の予想を超える場合が多々あります。被災地内の消防隊員や警察官も被害を受けますし、応援部隊の動員も計画通りにいくか不明です。阪神淡路大震災では各地から多くの消防隊が救援に来ましたが、消防ホースの規格が一致せず役立てなかったことがありました。また被災地の自治体職員の方も被災者であり、もしも多くの方がケガを負った場合、災害対策本部も即座に動くことが出来ません。南海トラフ巨大地震が発生した場合、「助ける側」より「助けられる側」が多くなり、かなりの困難が見込まれています。
このような中で重要なのが「自助」と「共助」です。地震防災対策について、まず自分で出来ることを行う。家の耐震化、家具や本棚の固定、非常食の準備は「自助」です。特に南海トラフ地震と首都直下地震は、発震後3日目までは備蓄で対応するのが原則になっています。言い換えれば3日間は救援物資が来ないということです。自宅には最低でも一週間分の水と食料を準備しましょう。また職場にも非常用のリュックを備えておきましょう。それ以外の物品も、下記のサイト等を参考にして用意しておくと安心です。
参考 防災用品のまとめ方
 http://allabout.co.jp/gm/gc/2245/2/
  http://matome.naver.jp/odai/2133068540507871501
自分で出来ないことは地域で取り組みます。これが「共助」で、地域の町内会や自主防災組織を作って、住んでいる地域を守ることです。いざという時の安否確認は、地域住民で行うのがベストです。阪神淡路大震災の際、淡路島の北淡町(現・淡路市)では誰がどの位置で寝ているかまで住民同士が把握しており、倒壊した家屋に閉じ込められた住民の捜索活動がいち早く進みました。この地震の捜索活動では、「公助」で助けられた人は全体の2%でしかなく、殆どが「自助」と「共助」でした。
避難所の確保、道路や堤防の整備、地震の情報提供、災害に強い都市計画などは自治体や国による「公助」になります。

日本は地震や噴火だけでなく、台風などの風水害も多い国です。自治体からの避難勧告を待っていては、間に合わない場合があります。東日本大震災の時は、停電のため大津波警報の発令を知ることが出来なかった地域もありました。いきなり発生する地震とは異なり、台風や大雨は事前にその状況が予測できます。自分で情報を判断して、危険を感じたら避難勧告の発令前でも避難しましょう。特に高齢の方や一人では動けない災害弱者の方が家族にいる場合、余裕をもって避難行動にとりかかることが大切です。
まず基本になるのは「自助」です。自分を守ることが、家族や周囲の人を助けることに繋がります。そして「共助」で協力し合いましょう。ちょっと変な例えですが、何か事件があると近所の住人のインタビューが流れます。すると「そんな人が住んでいるのに気が付かなかった」という言葉がよく聞かれます。逆に考えれば、自分が生き埋めになったとしても、そこに誰かがいると思ってもらえない → 救助が来ないということになります。普段から近隣の方と挨拶を交わしていれば、万一の時「そういえば、あそこの家の人は?」と思い出してもらえます。
日本は災害列島です。特に最近は「過去に経験したことがない」と云われるような災害が次々と発生しています。行政に頼るだけではなく、まず自分でしっかりと準備を行い、命を守っていきましょう。


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平成28年(2016)熊本地震について

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。この度の未曽有の熊本地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方やそのご家族様にはお悔やみを申し上げます。被災された皆様が一日でも早く平穏な日々を取り戻すことができるよう、お祈り申し上げます。今回は熊本で発生した未曽有の地震についての記事を掲載いたします。1.経 過2016年4月14日午後9時26分頃、熊本県熊本地方を震源とするM6.5...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
この度の未曽有の熊本地震で被災された方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方やそのご家族様にはお悔やみを申し上げます。被災された皆様が一日でも早く平穏な日々を取り戻すことができるよう、お祈り申し上げます。
今回は熊本で発生した未曽有の地震についての記事を掲載いたします。

1.経 過
2016年4月14日午後9時26分頃、熊本県熊本地方を震源とするM6.5の地震が発生し、熊本県益城町で震度7が観測されました。マグニチュードに対して震度が大きかったのは、震源の深さが11kmと浅かったためです。震度7が観測されたのは、兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)、新潟県中越地震、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)以来の4回目で、九州では初めてのことになります。この地震は日奈久断層帯の活動によって引き起こされたものと考えられました。
この地震に対しての余震はその日だけでも、震度6弱が1回、震度5弱が1回、震度4以下が37回と、総回数が40回に上りました。翌日15日は震度6強が1回、震度5弱が1回、震度4以下が110回と、総回数が112回にも上りました。気象庁はこの地震に対して「平成28年(2016)熊本地震」と名称を付けました。
そして最初の地震が発生した28時間後の2016年4月16日午前1時25分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする、震源の深さ12km、M7.3の地震が発生しました。この地震では再度熊本県益城町で震度7、そして西原村でも震度7が観測されました。同じ地域で震度7が2回観測されたのは、今回が初めてです。この地震により、14日の地震が「前震」、16日の地震が「本震」になるとの見解が気象庁より発表されました。
震度7の揺れに二度も襲われた益城町では、14日の地震後では瓦が落ち、外壁やブロック塀が崩れていても、まだしっかり建っている家が数多く残っていましたが、倒壊していない家屋を探す方が難しい地区が複数見られるなど、前日とは町の形が完全に変わってしまいました。熊本城は最初の地震で残っていた最上部の瓦がほとんど完全に落ちてしまい、シンボルとなっていたシャチホコも落下してしまいました。当初シャチホコは行方不明になっていましたが、ドローンを用いた調査により下層階の屋根に落下しているのが発見されました。また多くの箇所で築城以来400年壊れることが無かった石垣の崩壊や一部の櫓が崩壊、土台の石垣が崩れ落ちてしまい倒壊寸前になっている櫓もあります。「日本三大楼門」の一つである阿蘇神社の楼門は全壊、拝殿や三ヶ所の神殿も損壊しました。山間部の被害も甚大で、阿蘇大橋は土砂崩れのため谷底へ落ち、まだ一名の方が行方不明になっています。地元の方の生活道路も亀裂や崩壊した箇所が多く、通行不能の箇所が数多くあります。
二週間が経過した現在、一日の地震の発生回数は減少傾向にありますが、まだ震度4の地震が観測されたりと、14日に最初の地震が発生して以降1000回を超える地震が発生しています。
気象庁 熊本地震関連情報
  http://www.jma.go.jp/jma/menu/h28_kumamoto_jishin_menu.html
NHK NEWS WEB
  http://www3.nhk.or.jp/news/liveblog/kumamoto/

2.特 徴
(1) 本震と前震の入れ替わり
大きな地震が発生する際、通常は最初の地震が最も大きく、その後「余震」と呼ばれるマグニチュードが少し小さくなった地震が続きます。ただし地震が発生する深さにより、震度は同等の場合もあります。
「余震」という言葉は、もうこれ以上大きな地震はないというイメージを持ってしまいます。今回14日が「本震」で、「今後一週間は強い余震に注意してください」との発表で、自宅の整理もあるため多くの方々が一旦自宅へ戻られました。そこに今度は新たにM7.3の地震が発生したため、倒壊を免れていた多くの建造物が倒壊し、そこで新たな犠牲者が出てしまいました。
今回、最初のM6.5の地震の後に震度6強や6弱を始めとしてかなり大きな地震があり、今後更に大きな地震が発生するのではないか?という懸念を抱いていた専門家もおりました。しかしそれが「本震」になるとの確信を持っていた人は誰一人いなかった、というのが実情です。
また今回の地震は布田川断層帯と日奈久断層帯で発生しましたが、ここは断層が連なる「断層帯」が何本もある場所で、国が以前からM7程度を想定していた地域です。複数の地震が影響し合い、大きな地震が立て続けに起きたと考えられ、14日と16日の二つの地震は「前震」「本震」というより、いずれも二つの断層帯の「本震」と考えられるという専門家もいます。

(2) 震源が動く
大地震が発生すると、最初の震源付近で数多くの余震が発生します。しかし今回はその後に発生する地震の震源地が、阿蘇山の北東方向や南西方向にどんどん広がり、大分県でも震度5強を観測するなど震源地が移動しています。これは従来の「本震-余震型」ではなく、本震の連続あるいは群発地震という流れになっています。
通常、気象庁は本震発生の1~7日後程度までは3日おき、その後は1週間おきに、例えば今後3日以内にM6程度の地震が発生する確率は○%という「余震発生確率」を発表します。これは「余震の数は本震直後に多く、時間と共に次第に少なくなっていく」という性質に基づいたものですが、今回は震源地も広がり、時間と共に地震が少なくなることもありませんでした。そのため「単純な本震-余震型ではなく、過去の経験則にあてはめることが出来ない。余震確率を計算するのは難しい」と余震発生確率の発表を取り止めてしまいました。

(3) 眠れる巨大活断層の目覚め
日本列島には西日本を東西に貫く「中央構造線」という巨大な活断層があります。今回の地震はその直上で発生しました。この中央構造線沿いに、震源が更に東に伝播する可能性を指摘する専門家もいます。
1596年9月1日にM7の慶長伊予地震、3日後の9月4日には同規模の慶長豊後地震、さらに翌5日には死者千人以上を記録した慶長伏見地震が発生しています。いずれも中央構造線上で発生した地震と考えられ、今回も同じ様なことが起こる可能性は十分に考えられます。実際、4月18日の奈良県でのM3.1、同日の徳島県でのM3.1は、中央構造線上で発生しています。もし中央構造線が全部動けば、M8を超えるかつてない内陸部の巨大地震になってしまいます。

3.今後はどうなる?
(1) 地震はいつまで続く?
今回の熊本地震は、その後の地震の回数が非常に多くなっています。最近は発震回数は減ってきましたが、活動が活発な日と穏やかな日が交互に繰り返しています。揺れが続くため、なかなか本格的な復旧活動に入れません。
このまま治まっていくのか、それとも新たな箇所が震源になり、再び大きな地震が発生するのか、はっきり言って現時点では不明です。また過去の地震でも、今回の地震のようなものはありませんでした。それほど、今回は異常な地震になっています。

(2) 南海トラフ巨大地震
中央構造線を見た時、今回の熊本地震は西の端にあたります。そして4月1日には東の端に当たる紀伊半島沖で、M6.1の地震が発生しました。この地域での震源は、1944年の昭和東南海地震以降70年ぶりになります。ここは中央構造線の東の端にあたります。中長期的には南海トラフ地震の前兆地震の一つと考えられます。
しかし比嘉良丸氏の啓示にもあるように、すぐに南海トラフ地震が発生するわけではありません。海溝型地震の前には、熊本地震のような内陸直下型地震が多発するケースが多いです。2011年の東日本大震災の前には、2003年に宮城県北部地震、2008年に岩手宮城内陸地震が発生しました。
このようにプレート境界の海溝型巨大地震は決して単体では発生せず、内陸型地震とセットになってやってきます。南海トラフ地震は、いずれは必ず発生する地震です。日頃から防災意識を高めておきましょう。

(3) 日向灘での地震
今回の熊本での地震は、日向灘からのフィリピン海プレートの沈み込みによる歪が蓄積して発生したと考える研究者もいます。日向灘は南海トラフ地震と連動する可能性も言われていますが、日向灘のみでの発震リスクも高まったと考えられています。

熊本では新幹線も再開し、ボランティアの活動も始まり、少しずつですが復旧の道を歩み始めました。皆さんも何かご自分が出来ることがありましたら、ぜひ力添えをお願いしたいと思います。なお現在、募金を装った詐欺も発生しているようなので、くれぐれもご注意ください。


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