命を守るには 番外編

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。今年も「防災の日」が来ました。各地域や職場で防災訓練が開催され、皆さんの中でも参加された方がいらっしゃると思います。大規模な訓練では閉じ込められた方の救出、トリアージを始め、応急処置のやり方、消火訓練など地域ぐるみで訓練に参加します。津波襲来が予想される地域では、避難経路の確認が行われたりします。今年は4月に熊本で二度の震度7が記録された大地震が発生...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今年も「防災の日」が来ました。各地域や職場で防災訓練が開催され、皆さんの中でも参加された方がいらっしゃると思います。大規模な訓練では閉じ込められた方の救出、トリアージを始め、応急処置のやり方、消火訓練など地域ぐるみで訓練に参加します。津波襲来が予想される地域では、避難経路の確認が行われたりします。
今年は4月に熊本で二度の震度7が記録された大地震が発生しました。8月24日にはイタリアでM6.2の地震が発生し、300名近い方が亡くなり、石造建物倒壊など大きな被害が出ています。また同じ日にはミャンマーでもM6.8の地震が発生しました。こちらは深さ80kmと深かったため、亡くなられた方は4名のみですが、多数の仏塔が崩れる被害が出ました。

1.家の耐震化について
熊本地震では耐震基準を満たしていない家屋に、多くの被害が出ました。家の耐震化は以前から叫ばれていますが、中々耐震化が進まないのが現実です。その理由としては
・自分の家(地域)には大地震は来ないという思い込み
・耐震診断、補強に必要な費用が出せない
・どこに頼んでいいかわからない
・耐震化しても津波で流れてしまう
・高齢なので、地震で死んでも構わない
このような声が多いようです。
日本に居住する限り、回数の違いはありますが、地震が来ない地域はありません。費用に関しては、最近は行政からの補助金制度が充実しています。例えば東京都墨田区は、家の倒壊率が常にNo.1、火災その他も含めて総合危険度No.1のエリアです。そのため墨田区では、家のバリアフリー化の改修工事の助成金20万円の他、この工事と同時に耐震化工事も行った場合、耐震化の助成金100万円、合計120万円の補助金が支給されます。地域によりその制度は様々ですが、是非お住まいの地域の制度を確認してみて下さい。
また、経済的な理由で大規模な工事は出来ないという方には、一部屋のみをシェルターにする方法もあります。既存の住まいに手を加えることなく、工期もわずか2日程度で設置でき、費用も25万円ぐらいです。
東京都 耐震ポータルサイト
http://www.taishin.metro.tokyo.jp/ploof/earthquake_resistant_shelter.html

2.豪雨時の運転
9月のこの時期は台風による豪雨や、天候急変によるゲリラ豪雨が発生します。最近は立て続けに襲来した台風により、特に北海道で冠水被害が発生しました。そこで豪雨時の運転について、改めて注意点を確認しておきたいと思います。
台風や局地的な豪雨では、下水管の排水の力を超えて道路が冠水することがあります。冠水した道路を車が走るニュース映像を目にしますが、冠水した道路は必ず迂回しなければいけません。濁った水に覆われた路面は、外れたマンホールや側溝が識別できず、脱輪する危険性があります。
また線路や道路の下をくぐる「アンダーパス」は水が深く溜まりやすく、吸気口から水が入るとエンジンが破損してエンストを起こす原因になります。このような場所も迂回することが大切です。水が溜まった場所でエンストを起こすと車内に水が入り、ある程度浸水すると水圧でドアが開けられなくなってしまいます。実際に亡くなられた事例もあります。
万一に備えて、窓ガラスを破るための緊急脱出用ハンマーを用意しておくとよいでしょう。脱出の際はフロントガラスはヒビが入る程度なので、ドアの窓ガラスを割って脱出しましょう。また常に仕事などで車に乗る時間が長い方は、脱出用ハンマーだけではなく、イザという時の非常持ち出しリュックも車に入れておくと安心です。
JAF 車が水没した時の脱出法
http://www.jaf.or.jp/qa/accident/trouble/04.htm

3.正常性バイアス
「正常性バイアス」は心理学の用語で、社会心理学や災害心理学だけではなく、医療用語としても使われます。
人間が予期しない事態に対峙したとき「あり得ない」という先入観や偏見(バイアス)が働き、物事を正常の範囲だと自動的に認識する心の働きです。何か起きる度に反応していると精神的に疲れてしまうので、そのようなストレスを回避するために自然と脳が働き、心の平穏を保つ働きが人間には備わっています。
しかし、大災害など未経験の事態に遭遇した場合、この働きが過剰反応し、脳が処理できなくなることがあります。そして自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価してしまい、「自分は大丈夫」と思い込んでしまいます。この心理が逃げ遅れにつながってしまうのです。
例えば学校や職場にいる時、いきなり火災報知機が鳴り出しても、「また故障した」とまず考えると思います。筆者も学生時代に何度か経験しましたが、鳴り出した瞬間は「えっ!」と思いますが、先生も何事もなく授業を続けていました。
では実際に煙が見えたら避難するか?これも2003年に韓国の大邱市で発生した地下鉄火災では、多くの乗客が煙が充満する車内の中で口や鼻を押さえながらそのまま座席に座っている映像が撮影されています。この火災では200人近い犠牲者が出てしまいました。「被害は大したことはないので、その場にとどまるように」という車内放送が流れたとも言われ、こうした対処が正常性バイアスを助長した可能性があります。2014年の韓国フェリー転覆事故でも、その場にとどまるようにという言葉を無視して脱出した人だけが生還することが出来ました。
地震による津波被害を何度も受けている東北地方では、津波の予想高さ1mと言われても実際は30cmだったりという経験を何度もしており、3.11の際にも「ここまでは津波は来ない」「こんな津波が来るとは思わなかった」という思いこみで、逃げ遅れた方が多く出てしまいした。これも「正常性バイアス」の為せる業です。
突発的な災害や事故に遭遇した場合、事態の状況をとっさに判断出来ず、茫然としてしまう人がほとんどと言われています。このような時にこそ、落ち着いて行動することが必要です。非常事態の際に「正常性バイアス」に脳を支配されないように、本当に危険なのか、何をしたらいいかを見極める判断力を養っておきましょう。


これまでシリーズで命を守るための紹介をしてきましたが、一人一人が防災意識を持つことが、結果として多くの命を守ることに繋がります。
「防災の日」をきっかけとして、改めて日頃の対策の見直しや、まだ何も準備されていない方は準備を始めてみてはいかがでしょうか。
政府広報オンライン 災害時に命を守る一人一人の防災対策
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201108/6.html

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命を守るには 備蓄編

いつもブログをご覧くださり、ありがとうございます。「命を守るには」という内容を続けていますが、今回は災害が発生して緊急避難をする際の持ち出し品、また家庭での備蓄品について書きたいと思います。1.物資支援の課題災害が発生して人々が避難所へ避難すると、そこに支援物資が送られて来ます。4月に発生した熊本地震では、自治体の要請を待たずに食料や毛布を送る「プッシュ型支援」が行われました。この「プッシュ型支援...
いつもブログをご覧くださり、ありがとうございます。
「命を守るには」という内容を続けていますが、今回は災害が発生して緊急避難をする際の持ち出し品、また家庭での備蓄品について書きたいと思います。

1.物資支援の課題
災害が発生して人々が避難所へ避難すると、そこに支援物資が送られて来ます。4月に発生した熊本地震では、自治体の要請を待たずに食料や毛布を送る「プッシュ型支援」が行われました。この「プッシュ型支援」は南海トラフ巨大地震や首都直下地震の際も計画されており、今回の熊本地震で試験的に実施されました。プッシュ型支援は主要物資の不足感がなくなり、被災者に安心感を与えた一方、必要のない物資が積み上がり、避難所の効率的な運営を阻害した面もありました。また、広域拠点から避難所までの物資が滞る一因にもなってしまいました。水や食料は常に必要ですが、その他、細かい面では必要な物品はどんどん変わっていきます。また高齢の方が多い避難所や、乳幼児が多い避難所など、避難所により年齢や性別の偏りが発生することもあり、それにより必要な物品も異なってきます。そのためには、ある時期からはプッシュ型支援から避難所で必要とする物品を送る支援方式に変更する必要が生じます。
そして熊本地震では、避難所などの食料難が問題になりました。これを受けて読売新聞が47都道府県と20政令市について調査したところ、食料3日分を確保するとの目標を定めているのは約3分の1の21自治体にとどまり、他の自治体は2日分以下など備えが不十分なことが判明しました。特に日向灘を震源とする地震が予想される宮崎県では1食分、岡山県では1日分しか備蓄していないそうです。三重県では自治体としての備蓄は県職員分に限定し、被災者向けは民間業者から物資の提供を受ける「流通備蓄」にしています。南海トラフ巨大地震など災害エリアが広域になった場合、輸送ルートが確保できるかも不明です。最悪の場合、水さえも飲めないかもしれません。東日本大震災の後、スーパーの棚から一斉に物資がなくなりました。この時はすぐに物資が搬入されましたが、被災規模が大きければ大きいほど、物資の流入は望めません。そのためにも各自が備えることが重要になってきます。

2.非常持ち出し品
地震に備えて、救援物資などが届くまでに必要な物を、各家庭で用意しておく必要があります。避難する時に持ち出す非常持ち出し品を準備し、リュックなどに入れておきましょう。非常持ち出し品は、重すぎると避難場所に移動する時に負担になってしまうので、必要最小限のものにします。食料は調理しなくても食べられるもの、水は1人1日3リットルを目安に3日分は用意しましょう。また非常持ち出し品は一家に一つではなく、家族1人に1個ずつ用意すると重さが分散されますし、薬やその他個人的に必要な物もあります。何を揃えてよいか迷う時は、最近は基本的な物品がセットになって販売されているので、それに足していくのもよいでしょう。
参考 地震対策30点避難セット
http://www.pro-bousai.jp/html/page19.html?gclid=CJvbnpG0lc4CFYOXvAodHcoEJA

3.家庭での常備品
(1) 食料品
非常持ち出し品の他に自宅で避難生活を送る場合は、最低一週間を過ごせるものを常備しておきます。テレビなどで「これだけの物が必要です」と机の上に物品を積んで紹介しますが、あれを見ると「こんなに置く場所はない!」と思いがちです。
そこで最近は非常食の備蓄で「ローリングストック法」という考え方が出て来ました。備蓄する食料品は調理しなくてもいいものだけではなく、簡単な調理で食べられるレトルトやインスタント食品を用意します。これって普段の生活の中で食べてますよね。「ローリングストック法」は長期間保存のきく缶詰等を災害時の時に食べるのではなく、日常生活の中で普通に食べてゆき、食べた分をまた買い足していくというやり方です。最近はかなり多様な種類が発売され、味もおいしくなっています。7月中旬には浅間山北麓にある浅間火山博物館の中に、市販されている非常食を利用した飲食店がオープンしました。
お湯が沸かせる場合は、お湯を注ぐだけでOKのスープや味噌汁、各種カップ麺や乾麺、またアルファ米は水を注ぐだけでも食べられます。缶詰のパンや温め不要のレトルトもあります。お菓子のビスケットも最近は長期保存缶があります。災害時というと乾パンが代表的ですが、これはかなり一緒に水分が欲しくなります。その他、様々な缶詰類も実際には日常の中で食べています。
NHK 備える防災
  http://www.nhk.or.jp/sonae/column/20130217.html

(2) その他の物品
食料以外では消火器、折りたたみ式ポリタンク(水をもらう)、ラップ、アルミホイル、粘着テープ、ビニールひも、ロープ、ビニールシート、ビニール袋(大・中・小)、トイレットペーパー、ウエットティッシュ、衛生用品、携帯トイレ、カセットコンロと予備のボンベ、応急手当用品、軍手、乾電池なども必要です。このあたりの物品も、通常家庭にあるものが殆どです。オール電化の家は停電すると一切使えなくなるので、必ずカセットコンロを備えておきましょう。脱出用にはバールやハンマー、また車に備えられているジャッキは、転倒した物を持ち上げるのに役立ちます。キャンプをされる方は、キャンプ用品がそのまま非常時に使えます。生活用品は1ヶ月分を目安にストック、特に災害時に活躍するトイレットペーパーやウエットティッシュなどは多目に用意しておくと安心です。
ピントル 防災グッズ全リスト
  http://life.pintoru.com/emergency-goods/

ペットを飼われている方は、ペット用品も備蓄しておきましょう。災害時の支援では、どうしてもペットは二の次の扱いになってしまいます。筆者はネコ4匹を飼っているため、火災がなければ自宅籠城を考えています。そのため缶詰とドライフードのストックを欠かしません。熊本地震では、ペットが地震に驚いて逃げ出してしまい、現在もご自分のペットを探している飼い主の方が多くいらっしゃいます。ペットも大事な家族です。飼い主さんがわかるように名札を付ける等、万一の時に備えておきましょう。
環境省 ペットの災害対策
  https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/disaster.html
PEPPY 愛犬・愛猫のための防災への心がけ
  https://www.peppynet.com/feature/id/204

(3) 常時携帯品
地震はいつやってくるか分かりません。外出中に被災した時のために、ホイッスル、家族の連絡カード、ペンライト、携帯ラジオ、予備電池、携帯充電器、防災コンパクトシート、マスク、ティッシュ、絆創膏、アメ類、ペットボトルなどが持ち歩きたい非常用品です。ちょっと重いですが、万一の時の安心感につながります。

8月1日午後5時過ぎに「東京湾を震源とするM9以上の地震が発生し、東京23区や千葉県南部、神奈川県東部で震度7」という緊急地震速報が流れました。通常のものとは別の特定業者のみに連絡が入るものでしたが、個人のスマホ用防災アプリで情報を見た方も多かったと思います。また緊急停止した電車に乗り合わせていた方も多いでしょう。その瞬間、皆さんはどのようなことをされたでしょうか?自分のいる場所で咄嗟に身を守る姿勢をとる、周囲を確認するという行動をとった方、「えっ!」と思ってそのままだった方、いろいろだと思います。
2013年8月8日には「奈良県で震度7」という誤報が出ました。比嘉良丸氏の啓示によると、この時の誤報も今回の誤報も実際に起こるとされていた地震だったようです。幸いにも「誤報」という結果で済みましたが、いつ、どこで、震度7の地震が発生してもおかしくない状況が現在の日本列島にはあります。今回の“その時”を体験された方は、ご自分の行動を思い出し、改めてどのような行動をとれば良いかを考えてみて下さい。

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