平成29年7月九州北部豪雨について

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。7月5日に福岡県朝倉市と大分県日田市を中心に、豪雨災害が発生しました。被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。今回は、この豪雨災害について取り上げたいと思います。1.豪雨の経緯7月4日まで北陸付近にあった梅雨前線が西日本付近に南下、5日朝方島根県西部で発達した積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が発生し、記録的な降水となりました。島根県浜田市...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
7月5日に福岡県朝倉市と大分県日田市を中心に、豪雨災害が発生しました。被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。今回は、この豪雨災害について取り上げたいと思います。

1.豪雨の経緯
7月4日まで北陸付近にあった梅雨前線が西日本付近に南下、5日朝方島根県西部で発達した積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が発生し、記録的な降水となりました。島根県浜田市、益田市、邑南町、津和野町に大雨特別警報が発表されました。
この前線が同日昼頃までに、九州の北側まで南下。そこに南西の東シナ海から暖かく湿った空気が流れ込み、この空気が脊振山地の南北を回り込むようにして動き、山地の東端でぶつかって上昇、大雨を降らせる積乱雲が次々に発生しました。雨の元になる水蒸気量は海面水温に左右されますが、7月に入り海面水温が平年より1~2度高くなっていたことも被害を拡大させました。
特に被害が大きかった福岡県朝倉市では、次々にできた線状降水帯が長時間同じ場所に停滞し、局所的な大雨になりました。長さ数十キロ、幅10キロ未満の線状降水帯が4つも発生し、長時間維持されただけでなく、一つ一つの積乱雲が非常に活動的でした。
朝倉市では1時間雨量が130mm近くに達しました。6日午前までに降った24時間雨量も、平年の7月の月間雨量を上回る約540mmで、観測史上1位を更新しました。大分県日田市でも24時間雨量が370mmとなり、観測史上1位を更新しました。人は80nnを超える雨量で、圧迫感や恐怖感を覚えます。想像を絶する猛烈な雨が、長時間降ったことがうかがえます。
茨城新聞 防災科学技術研究所ゲリラ豪雨再現実験
  https://www.youtube.com/watch?v=7FrQ7-wk5P4

2.気象庁や自治体の対応
今回大きな被害を受けた九州北部は、2012年にも「九州北部豪雨」で被災しています。5年前にも大きな被害を受けた朝倉市では、災害時の対応を定めたマニュアルに従い、雨脚が強まった5日午後2時26分に災害対策本部を設置し、市全域に避難勧告を発令しました。観測史上最大の1時間雨量129.5mmを記録した同3時半頃には、避難勧告を避難指示に順次切り替えました。その後も避難所の受け入れ準備を進めましたが、雨の勢いが想定を上回り、全域に避難指示を出したのは気象庁が同5時51分に大雨特別警報を出した後の同7時10分でした。市の対応はマニュアル通りに行われましたが、人的被害は防げませんでした。
大分県日田市では、雨量や河川水位のデータなどを基に避難指示を出すかどうかを判断。同7時55分の大雨特別警報までに、全世帯の約3割に避難指示を出しました。それでも川の氾濫などで複数の集落が孤立。雨量や川の増水の速さが予想を上回ったためで、避難の呼びかけのタイミングが重要になりました。
「数十年に一度の重大な災害」の恐れがある場合に気象庁が発表する大雨特別警報が福岡県と大分県に出されたのは、既に大雨のピークを過ぎた後のことでした。朝倉市に特別警報が出たのは、1時間当たり最大雨量が記録されてから2時間以上経過した時で、すでに雨脚はやや弱まっていました。大分県日田市も同様で、1時間雨量が最大となった1時間以上後のことでした。
気象庁の主任予報官は、特別警報の目安となる「数十年に一度の重大な災害」にあたるか判断が難しかったと説明しています。今回、雨を降らせた「線状降水帯」は予測するのが難しく、空振りも懸念されたとのことです。大雨警報は出していましたが、特別警報を出した時には結果的に雨のピークが過ぎていました。
*豪雨に対しての対応
午前11時 4分  大分県日田市に大雨警報を発表
午後
 1時14分  福岡県朝倉市に大雨警報を発表
   2時26分  朝倉市が災害対策本部を設置
   3時26分  日田市が災害対策本部を設置
   3時38分  朝倉市で129.5mmの1時間雨量を記録
   5時51分  朝倉市に大雨特別警報を発表
   6時44分  日田市で87.5mmの1時間雨量を記録
   6時45分  日田市が一部地区に避難指示
   7時10分  朝倉市が全域に避難指示
   7時55分  日田市に大雨特別警報を発表
気象庁 特別警報発表基準
  http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/tokubetsu-keiho/kizyun.html

3.今回の災害で考えるべきこと
(1) 避難のタイミング
地震と異なり大雨の場合は事前にある程度の予測が可能ですが、最近の水害では雨が短時間に集中して降ることが多く、避難の迅速な呼びかけが課題となっています。今回も朝倉市では全域に避難指示が出たのは、雨のピークを過ぎた後でした。
住民は避難指示・勧告だけに頼らず、主体的に避難を判断することが大切です。特に増水の恐れがある川の近くに住んでいる住民は早目の避難を心掛けるなど、家屋の立地条件や家族構成なども考慮して行動することが求められます。また今回は避難指示が出たのが夜7時を過ぎており、暗い中での避難は危険が伴います。暗いために動けずに自宅にとどまり、被害に遭われた方もいらっしゃいました。
(2) 避難場所
今回の豪雨で最大規模の土砂崩れが発生した日田市の小野地区の斜面は、「土砂災害危険箇所」の指定区域外でした。これは国が定めた斜面の傾斜や高さ、民家などの基準に基づいて都道府県が調査・公表し、市町村のハザードマップにも反映されます。しかし土砂崩れが起きた地域は、市のハザードマップの危険箇所に挟まれた空白域でした。そのため付近を見回り中だった消防団員が巻き込まれてしまいました。斜面の近くに住む人は、危険箇所の区域外でも土砂崩れの危険があると認識し、早目の避難行動をとることが大切になります。
逆に早目の避難を行った住民が、避難所の指定ではない市の施設に集まり、そのまま避難所になった建物がありました。しかし河川の氾濫により、その地域は孤立してしまいました。早目早目に行動しても時として厳しい状況がありますが、命を守ることは出来ました。
(3) 連絡手段の欠如
大雨による電線の切断、落雷による停電等により、防災無線が使えなくなっていた地域がありました。またラジオの電波も入らない地域もあり、状況が全く把握できない住民の方々もおられました。
河川の整備等のハード面の対策も大切ですが、今後は連絡手段をどうするかなどの新たな課題も浮かび上がってきています。

九州北部豪雨災害から二週間が経過しました。亡くなられた方が34人、未だに行方が分からない方が7人いらっしゃいます。避難所に身を寄せておられる方は、福岡・大分両県で882人になります。仮設住宅の建設も始まりましたが、日常生活を取り戻すにはまだまだ時間がかかります。この地域は2012年にも大きな豪雨災害を受けたのをもとに対策に取り組んできましたが、それでも人的被害が出てしまいました。
自然の動きは人間の想像を超えます。想定外の被害を招かないための対策を行うことは、実際には不可能です。線状降水帯は6~8月に発生しやすく、九州以外の地域でも急な大雨に見舞われる恐れがあります。各自がイザという時の意識を持ち普段から備えておくことが、命を守ることにつながります。
日本気象協会 朝倉市現地調査
  https://tokusuru-bosai.jp/try/try06.html









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