感染症について

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インフルエンザも取り敢えずピークの時期は過ぎたようです。しかし、まだ安心は出来ません。比嘉良丸氏は春先の感染症の流行を懸念されています。今回はインフルエンザを始めとする感染症について書きたいと思います。

1.感染症とは
感染症というのは、病原微生物や病原体(細菌、スピロヘータ、リケッチア、ウイルス、真菌、原虫、寄生虫)が体内に侵入して定着・増殖して感染を起こすと組織を破壊したり、病原体が毒素を出したりして体に害を与えると、一定の潜伏期間を経て病気になるものを「感染症」といい、「伝染病」は伝染性を持つ感染症のことになります。
過去には、ペスト、天然痘、スペイン風邪、コレラ等の感染症の大流行がありました。天然痘は1977年を最後に患者の発生は報告されておらず、WHOは1980年に根絶宣言を行いました。現在はアメリカとロシアのバイオセーフティーレベル4の施設で、厳重に管理されています。ヒトに感染するものの中では、天然痘は人類が根絶した唯一の感染症です。日本では1976年までは予防接種「種痘」が行われていましたが、免疫の持続期間は一般に5~10年といわれており、現在では免疫を持っている人は殆どおりません。そのため、万一外部への流出があった場合は大変な事態が発生します。致死率は20%~50%と非常に高く、生物兵器として使用された場合には大きな被害を出す危険が指摘されています。また感染力の強さからも、短時間での感染の拡大が懸念されています。
その他にも日本国内での発生はなくても、海外で発生している感染症もあります。自由に海外へ行き来出来る現在、海外で感染する可能性もあります。海外へ行かれる際は、現地の情報を確認しましょう。
厚生労働省検疫所 国・地域別情報
 http://www.forth.go.jp/destinations/index.html

2.ノロウイルスによる感染症
毎年冬に流行し、嘔吐や下痢の原因になるノロウイルスを主な原因とする感冒性胃腸炎ですが、今年は2006年以来の大流行で、特に大人数による食中毒が目立っています。先ごろも東京立川市で900人を超える集団食中毒がありました。また和歌山県でも700人を超える人が、ノロウイルスを原因とした食中毒になりました。いずれも学校給食で用いられた食材が汚染されていたのが原因です。
ノロウイルスの特徴はその感染力の強さです。ウイルスに汚染された食品を食べて感染するほか、患者の嘔吐物や下痢便には大量のウイルスが含まれており、その処理の際に感染する可能性があります。そのため嘔吐物や便を処理する時には、使い捨ての手袋やマスクガウンを着用し、ペーパータオルなどで静かに拭き取った後には、ビニール袋に入れて密封して処分します。潜伏期間は2日前後と短く、発病すると激しい嘔吐や下痢を1日に10回以上繰り返すこともあります。1~2日で自然に治ることも多いですが、現時点では予防のワクチンや有効な治療薬はありません。
集団感染の発生場所をみると、幼稚園と保育所が約4分の3を占めており、ウイルスの分析では近年流行していないタイプのウイルスが大半を占めており、免疫のない幼児がかかりやすくなっているようです。また以前の型が変異したものも発生しており、過去に感染した人も罹りやすくなっている可能性があります。
・ノロウイルス等の食中毒の予防について
  http://www.gov-online.go.jp/featured/201106_02/

3.インフルエンザ
国立感染症研究所の2月17日発表によると、日本全国でのインフルエンザ患者は前週に比べて48万人ほど減少したようですが、それでも国内で報告のあったインフルエンザ患者は約151万人もいます。
2月6日~12日までの一週間に、全国5000ヶ所の医療機関を受診したインフルエンザ患者の数は、14万1666人に上ります。1医療機関当たりでは28.57人となり、前週に比べると10人近く少なくなりました。医療機関当たりの患者数を都道府県別にみると、高知県が最も多く41.63人、次に福岡県が39.77人、大分県が38.55人、鹿児島県が38.31人、愛知県が38.03人と、西日本を中心に患者数が多い状態が続いています。
インフルエンザウイルスはA, B, Cの3つの型があり、流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。A型インフルエンザでは、数年から数十年ごとに世界的な大流行が見られますが、これは突然別の亜型ウイルスが出現して、従来のウイルスと代わることによって起こります。1918年のスペインかぜ(H1N1)は39年間、1957年にはアジアかぜ(H2N2)が11年間続き、1968年には香港型(H3N2)が、そして1977年にソ連型(H1N1)が加わり、現在はA型のH3N2とH1N1、及びB型の3種が世界中で流行しています。インフルエンザのワクチンは、今年はこの型が流行するだろうと予想をして製造します。インフルエンザの予防接種を受けられた方も多いと思いますが、実は感染を予防する効果はありません。厚生労働省の研究班の報告によれば、感染した場合もインフルエンザ発症と重症化を抑える効果はあるそうです。また、ワクチンと違う型のインフルエンザには罹患してしまいます。そのため「予防接種したのに、インフルエンザに罹った」という声を聞くことがあります。予防接種をしたからと過信をせず、身の回りを清潔に保ち、十分な睡眠とバランスのとれた食事や基礎的な体力をつける、規則正しい生活を送ることが基本になります。そして予防法としては、外出時のマスク着用、うがい、手洗いという基本的なものになります。
・正しいマスクの着用方法
  http://www.medicom-japan.com/special/mask.html
・正しい手の洗い方
  http://www.medicom-japan.com/special/hand-washing.html
・正しい手指消毒の方法
  http://www.medicom-japan.com/special/hand-hygiene.html

4.新型インフルエンザ
インフルエンザは、数十年おきに今までのインフルエンザウイルスとは全く違う「新型インフルエンザ」に変異したウイルスが発生します。これまでに存在したことのない新しいウイルスのため、誰も免疫を持っておらず、新型インフルエンザが発生すると短い間に広がり、大流行(パンデミック)になる可能性があります。1918年にスペインかぜ、1957年にアジアかぜ、1968年に香港かぜと3回の新型インフルエンザが発生しました。
そして、現在最も心配されているのが、鳥インフルエンザの人から人への感染です。鳥インフルエンザに感染しても、患者から他の人にうつることは殆どありません。しかし人への感染が繰り返されるうちに、鳥インフルエンザウイルスが人の身体に合うように変異することがあります。人の体内で増えやすいウイルスが作られるようになり、他の人へ移っていく力をウイルスが持つようになるのです。こうして人から人へと感染するまでに変異したウイルスは、鳥インフルエンザウイルスではなく人インフルエンザウイルスに変異したことになります。元々が鳥のウイルスのため、殆どの人が感染した経験を持たず、大流行を起こす恐れがあります。
2014年の冬に鳥インフルエンザから新型インフルエンザに変異する可能性が心配されていたのが、「H7N9型鳥インフルエンザウイルス」と「H5N1型鳥インフルエンザウイルス」です。「H5N1型」は香港で発生し、東南アジア、ヨーロッパ、アフリカなど広い地域で鳥の間に広がり、人への感染も報告されています。
「H7N9型」は、中国での感染が報告されており、人の体内でも増えるまでに変異することがわかりました。2016年11月以降、中国全土で鳥インフルエンザウイルスに感染した人間の患者数は360人を超えています。2013年3月に鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染が中国で最初に報告されて以来、過去4年間で1000人以上が感染し、このうち少なくとも359人の死亡が確認されています。
今年に入ってから福建、雲南、湖南、湖北、浙江各省などで感染報告が上がっています。政府の統計によると、今年1月の感染者は192人に上り、そのうち79人が死亡と発表されていますが、実際の感染者はもっと多いとの見方もあります。中でも江蘇省では49人の感染者のうち21人が死亡、安徽省では40人以上が発症し20人が死亡したと発表されています。特に患者数が多い江蘇省と安徽省では、感染して入院中の父親を看護した家族や、同部屋に入院した別の患者が発症するなど院内感染のケースも報告されています。
アメリカ・ニューヨーク市では、保護された400匹近い猫が鳥インフルエンザに感染し、治療にあった獣医師からもウイルスの陽性反応が出ました。
日本でも2016年11月以降、青森県(2ヶ所)、新潟県(2ヶ所)、北海道、宮崎県(2ヶ所)、熊本県、岐阜県、佐賀県と10農場で高病原性鳥インフルエンザが発生し、家禽の処分が行われています。それ以外にも21都道府県、合計171事例の死んだ野鳥から鳥インフルエンザウイルスが検出されています。
厚生労働省検疫所 鳥インフルエンザ発生状況
 http://www.forth.go.jp/topics/2017/02211146.html
農林水産省 平成28年度国内発生事例
 http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/H28AI/h28_hpai_kokunai.html

まだ日本では人への感染は報告されていませんが、特に今年は野鳥から検出される事例が多くなっています。中国を始めとして東南アジアでは、生きた家禽を扱う市場が数多く存在しています。鳥インフルエンザの人から人への感染によるパンデミックは、もうすぐそこまで迫っているのではないでしょうか?



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