カルデラ噴火について その1

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現在、比嘉良丸氏に伝えられている啓示で、10月末までに起きる可能性のある自然災害についての話がありました。その中で最悪の出来事は、北海道の屈斜路カルデラや九州の薩摩硫黄島の大噴火、もしここが動くとM11クラスの大災害であり、生命の絶滅になると伝えられました。今回は屈斜路カルデラや薩摩硫黄島がある鬼界カルデラ、このカルデラが噴火することによる超巨大噴火について書きたいと思います。

1.火山噴火の大きさ
地震のエネルギーを示すものにマグニチュード(M)という指標がありますが、火山噴火も同様に火山爆発指数(VEI)というものがあります。これは火山そのものの大きさではなく、爆発規模の大きさを示す区分になります。噴出物の量で区分され、0~8までの段階に分けられており、VEIの値が1上がるごとに噴出物の量は10倍になります。
ウィキペディア 火山爆発指数

この分類によると、1707年の富士山の宝永噴火はVEI5の巨大噴火、969年の白頭山(長白山)噴火はVEI6、9万年前の阿蘇カルデラ噴火、約2万年前の姶良カルデラ噴火、7300年前の鬼界カルデラ噴火は超巨大噴火のVEI7に分類されています。
一方、群馬大学の早川由紀夫氏は、噴火マグニチュードという指標を提唱しています。これは噴出したマグマの総量を重量で表して、その対数で噴火規模を表現したものですが、専門家にとっては扱いやすい数字の表現ですが、一般向けに使うのは難しいようです。VEI7に分類された鬼界カルデラ噴火はM8.1、姶良カルデラ噴火はM8.3、阿蘇カルデラ噴火はM8.4に分類されています。最近ではM7以上のものを、巨大カルデラ噴火と呼ぶことが多いようです。
早川由紀夫 噴火データベース
  http://www.hayakawayukio.jp/database/index.php?kind=2k&mode=


2.カルデラとは
「カルデラ」という言葉は、スペイン語の「大釜」という言葉に由来し、火山活動で生じた大きな凹地のことを表し、日本ではその直径が2km以上の大きさのものを「カルデラ」と呼んでいます。大型カルデラは、大量のマグマが一度に噴出したことで地下のマグマ溜りに空洞が生じ、そのためにマグマ溜りの天井部分が崩壊して、直上の地表部分が大規模に陥没するために形成されます。
カルデラ噴火の起き方

3.11以降、富士山の噴火が懸念されています。この富士山を始めとして、噴火活動が活発な桜島や、2014年に突然噴火した御嶽山など、日本には多くの火山があります。これらの火山の噴火は「山体噴火」と呼ばれます。そして噴火の間隔も比較的短く、300年噴火していない富士山も、江戸時代に噴火した時の瓦版や見聞録等の資料も残されています。それに対して「カルデラ噴火」というのは噴火の間隔が非常に長く、前回噴火したのが何万年も前になり、地質を調べることにより噴火の痕跡がわかるというものです。そのため噴火の確率も1万年に1回になり、もし噴火が発生したら1億人近くが命を落とすと言われても、ピンと来ないのが現実です。火山学者も巨大カルデラの存在はわかっていますが、あまり研究されてはいませんでした。
しかし、石黒耀・著『死都日本』という小説が2002年に出版されてから、カルデラ噴火が注目されるようになってきました。九州の霧島火山の下には30万年前以上に活動した加久藤カルデラや小林カルデラがありますが、この小説は霧島火山がついに「超巨大噴火」を起こしたというものです。避難勧告地域は、北は熊本県の人吉市、南は鹿児島市、東は宮崎県都城市、西は鹿児島県菱刈町にわたる、大阪府に匹敵する1800平方キロの面積、住民人口は110万人にも及ぶものでした。そして霧島火山が大噴火した1時間余り後には、これらの地域は全て火砕流に呑み込まれてしまいます。そして成層圏まで到達した噴煙により、日本列島の主要部分が火山灰の下に隠れてしまい・・・詳しくは同書をご一読下さい。なお「破局噴火」という言葉は、この小説で作られた言葉です。

3.日本列島にあるカルデラ
巨大カルデラを形成する「超巨大噴火」は、数万年から数十万年といったきわめて長い間隔をおいて噴火を繰り返します。巨大なカルデラが存在するということは、はるか大昔に、そこから数百万立方キロにも及ぶ大量のマグマが噴出して、地下空洞が出来たことを意味しています。過去12万年の間に、M7以上の巨大カルデラ噴火が少なくとも10回は発生したことが確認されています。
日本列島には北海道から東北地方北部にかけてと九州地方に集中してカルデラが存在します。
① 摩周カルデラ
摩周火山は屈斜路カルデラの東壁上に1万数千年前以降に形成され、7000年前に大規模な噴火を起こし、約6×8キロの現在の摩周カルデラが生じました。摩周カルデラの東壁上には、カムイヌプリ火山が噴出しています。
② 屈斜路カルデラ
屈斜路カルデラは28×20キロの大きさを持つほぼ円形のカルデラで、日本列島最大のカルデラです。4万年前(M7.0)及び11万7千年前(M7.4)の2回の巨大噴火で現在の地形が出来上がりましたが、その火山活動の始まりは約34万年前に遡ります。環状に分布する中央火口丘には、活発な噴気活動を続けるアトサヌプリ火山と中島火山があり、特徴的な形状になっています。
③ 支笏カルデラ
支笏カルデラは、直径12キロほどの大きさで、今から6万年前と4万1千年前(M7超え)の噴火によって形成されました。カルデラ内には、北西部に恵庭火山、南東部に風不死火山と樽前火山があります。支笏カルデラは北海道の中心地である札幌からわずか40キロの場所に位置しています。もし4万年前と同じ規模の超巨大噴火を起こした場合は、苫小牧、千歳、恵庭、北広島、札幌などの諸都市が火砕流によって壊滅することになり、その被害は人口にして230万人にも及びます。
④ 洞爺カルデラ
洞爺カルデラは直径約10キロのほぼ円形をしたカルデラで、約11万年前に大規模な噴火(M7.4)が起こり、火山灰が東北・北海道のほぼ全域を覆いました。およそ5万年前と2万年前にカルデラの中央に溶岩ドームが作られ、現在は中島火山と呼ばれています。また1万年前には南西壁に有珠火山が誕生しました。有珠火山は日本列島で最も活動的な活火山の一つで、江戸時代以降も頻繁に噴火を繰り返しており、最近は2000年の噴火が記憶に新しいところとなっています。
気象庁 北海道の活火山
⑤ 十和田カルデラ
十和田カルデラは青森県と秋田県の県境に位置しています。十和田カルデラは二重式のカルデラで、直径9キロのカルデラに中央火口丘である五色岩火山があり、さらにその中央部に直径3キロほどの中ノ湖カルデラがあります。これまで激しい噴火を繰り返して来ており、最新の噴火は10世紀初めの平安時代中期に起きました。噴火の総噴出量は約7立方キロであり、最近1100年間の日本列島では最も大きな噴火でした。この規模の噴火が現在起これば、秋田県北部や青森県東部を中心に、相当な被害が生じるものと思われます。
気象庁 十和田
⑥ 阿蘇カルデラ
阿蘇カルデラは18×25キロのカルデラで、九州にあるカルデラの中で最大のものになります。約27万年前、14万年前、12万年前、9万年前の、4回の巨大噴火によって形成されてきたものです。その中で最大規模の噴火が、M8.4の阿蘇4噴火と呼ばれる最も新しい噴火です。この時の噴火の火山灰は日本列島全域を覆い、北海道でも15cm余りも降り積もりました。現在、阿蘇カルデラ内には、5万人近い人々が生活しています。
気象庁 阿蘇山
⑦ 姶良カルデラ
2万9千年前に超巨大噴火を起こした姶良カルデラは、24×20キロの大きさで鹿児島の錦江湾の最奥部を構成しています。この時の噴火での火山灰は、関東地方の丹沢でも発見されています。ここは現在もマグマが溜まり続けている活動中のカルデラで、そのマグマは桜島火山に供給され、活発な噴火を繰り返しています。
気象庁 桜島
⑧ 鬼界カルデラ
九州最南端、大隅半島佐多岬のさらに南西50キロに位置する鬼界カルデラは、25×15キロの規模の海底カルデラで、最深部は水深500mにも達しています。北西縁部には薩摩硫黄島、新硫黄島、竹島があり、活発な火山活動を続けています。このカルデラは約15万年前と9万2千年前、そして7300年前に噴火しています。特に7300年前のアカホヤ噴火と呼ばれる超巨大海底噴火では、南九州の縄文人が全滅しました。この時の火山灰は東北地方にまで達し、海上を走った火砕流は九州南部を直撃しました。
気象庁 薩摩硫黄島
巨大カルデラ噴火と通常の火山噴火の違いは、その規模にあります。M7以上の巨大カルデラ噴火では、琵琶湖1.5杯分ものマグマを一気に吹き出し、その噴煙は数十kmにまで達し、数百km離れた所にまで火山灰をもたらすこともあります。また成層圏を漂う火山灰や、火山ガスに含まれる硫酸エアロゾルが太陽光を遮り、「火山の冬」と呼ばれ地球全体が寒冷化することもあります。ひとたび巨大カルデラ噴火が起これば、日本という国が存在しなくなるだけではなく、地球全体へその影響が及びます。
次回は、実際にカルデラ噴火が発生したらどうなるか、そして現在の状況を紹介したいと思います。






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