2016年を振り返る その1

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2016年も世界では大雨、干ばつ、竜巻、台風、ハリケーン、地震、火山噴火と様々な自然災害が多発しました。今回は2016年の代表的な自然災害の内、地震について振り返ってみたいと思います。まず自然災害ではありませんが、12月23日に新潟県糸魚川市で大規模火災が発生しました。被害に遭われた方には、心からお見舞いを申し上げます。この火災は鍋の空焚きが原因だったようです...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
2016年も世界では大雨、干ばつ、竜巻、台風、ハリケーン、地震、火山噴火と様々な自然災害が多発しました。今回は2016年の代表的な自然災害の内、地震について振り返ってみたいと思います。

まず自然災害ではありませんが、12月23日に新潟県糸魚川市で大規模火災が発生しました。被害に遭われた方には、心からお見舞いを申し上げます。この火災は鍋の空焚きが原因だったようですが、折からの強風に煽られて大変な大火となってしまいました。空気が乾燥している冬場は、火の取り扱いには細心の注意を欠かさないようにしたいと思います。

1.国内の地震
(1) 熊本地震
2016年も多くの地震がありましたが、その中で特筆すべきは、やはり4月に発生した熊本地震です。4月14日にM6.5の地震が発生し、益城町で震度7が観測されました。この地震に対する余震は、その日だけでも震度6弱が1回、震度5弱が1回、震度4以下が37回と、総回数が40回に上りました。翌日15日は震度6強が1回、震度5弱が1回、震度4以下が110回と、総回数が112回にも上りました。そして最初の地震が発生した約28時間後にはM7.3の地震が発生して、再度益城町で震度7が観測されました。震度7は阪神大震災、新潟県中越地震、東日本大震災でも観測されましたが、同じ地域で震度7が2回観測されたのは観測史上初めてのことになります。この地震は当初14日の地震が「前震」、16日の地震が「本震」になるとの見解が気象庁から発表されました。しかし後から大きな地震が発生して初めて「前震」だったことが判明するため、現在気象庁では「前震」という言葉を用いないようになりました。
阪神大震災の後に住宅の耐震基準が見直され、震度7にも耐える構造になりました。住宅メーカーも耐震実験を重ね、丈夫な住宅づくりに努めていました。しかし続けて2回も震度7に襲われるという予測は誰もたてておらず、新しい基準で造られた建物にも多くの倒壊被害が出てしまいました。
よく地震特集番組で目にしますが、某研究所が行った耐震補強をした家としていない家を震動台で揺らすと、補強をしていない家だけが崩れてしまう映像をご覧になったことがあると思います。映像の公開はしていませんが、実は耐震補強をした家を再度揺らしたところ、倒壊してしまいました。東日本大震災の時にも多くの地域で震度6弱や強が観測されました。一見何の被害が出ていないように見える家屋も、家の中の見えない部分はどうなっているか分かりません。次に大きな地震に襲われた際には、倒壊の可能性も考えられます。せめて目に見える外側の部分のみでも、土台部分に亀裂が入っていないか等の確認をしておきましょう。

(2) 三重県南東沖地震
4月1日に三重県南東沖を震源とするM6.5の地震が発生しました。震源地が海上だったので最高震度は4でしたが、この地震の発生した場所は1944年の昭和東南海地震の震源に近く、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界付近のため、切迫する南海地震との関連が気になる地震です。この日は新年度の初日に当たり、役所や会社では新入社員や移動初日の人も多い日でした。移動したての防災担当者が、何をしていいのか分からずに戸惑っていたという声もあちこちで聞こえてきました。災害は時を選ばないで襲ってくることを、肝に銘じていたいと思います。
2017年1月3日には、上記とほぼ近い場所でM4.8の地震が発生しました。この地震の震源は深さ380kmと深く、震度が観測されたのが東北から関東地域でした。1月4日にフィジー諸島でM6.9の地震がありましたが、この2日前にも500kmを超える深い場所で、M5.3とM6.3の地震が発生しています。深発地震の後に必ずしも大地震が発生するわけではありませんが、「南海トラフ地震が2017年に発生してもおかしくない」と述べる専門家もおり、注意しておきたい地震です。

(3) 緊急地震速報の誤報
8月1日に、関東地方を震源とするM9.1、最大震度7という緊急地震速報が一部の人に配信されました。緊急地震速報は一般向けと鉄道事業者等の高度利用者向けがあり、今回の誤報は高度利用者向けのものでした。これはどこか1ヶ所の地震計で揺れを感知したら速報が配信されるようになっており、千葉県富津市にあった地震計で落雷によるノイズを観測し、配信されたのが原因のようでした。2013年にも奈良県を震源とする最大震度7の地震という、緊急地震速報の誤報がありました。この時は海底地震計で観測したノイズを、地震の揺れとして誤って計算したことが原因でした。
いずれも地震が本当に発生しなかったことは良かったですが、速報を受信した際にどのような行動をとるかが大切になってきます。年末の12月28日に茨城県北部を震源とするM6.3の地震の際にも、緊急地震速報が配信されました。該当地域にお住まいの方は、この時にどんな行動をとったでしょうか?前もって揺れが分かるのは有り難いですが、技術の限界もあります。改めて揺れが始まった時のご自身の行動を確認してみましょう。

(4) その他の地震
2016年は他にも6月に北海道内浦湾で震度6(M5.3)、10月に鳥取県中部で震度6(M6.6)、11月に福島県沖で震度5弱(M7.4)の地震が発生しました。福島の地震の際には津波注意報も発令されました。そして12月には茨城北部で震度6弱(M6.3)の地震がありました。
気象庁によると震度1以上の地震は昨年の3.5倍にもなり、一年間で6566回の地震を観測し、東日本大震災以降では最大の数字になったそうです。そのうち震度5弱が18回、震度5強が5回、震度6弱が7回、震度6強が2回、そして震度7が2回に上ります。
首都直下型地震や南海トラフ地震が確実に近付いてきている現在、改めて防災対策を見直しておくことが大切になります。
東京都防災ポケットガイドブック
 http://www.bousai.metro.tokyo.jp/bousai/1000031/1000804.html
消防庁防災マニュアル
 http://www.fdma.go.jp/bousai_manual/

2.外国の地震
2016年は外国でも大きな地震が発生しました。そのうちM7を超える地震は、1月にカムチャッカでM7.2、4月にバヌアツでM7.3、5月に南太平洋でM7.2、7月にマリアナ諸島でM7.7、8月にニューカレドニアでM7.6、南大西洋でM7.4、北大西洋でM7.4、9月にニュージーランドでM7.2、11月にニュージーランドでM7.8、エルサルバドルでM7.2、そして12月はソロモン諸島でM7.8、パプアニューギニアでM7.9、M5以上の地震は数限りないというような状況でした。
環太平洋のエリアは地震が当たり前の地域ではありますが、2016年はM6を超える地震がイタリアで8月と10月に発生して、それぞれ300名近くの犠牲者が出てしまいました。ニュージーランドでも多くの地震が発生しました。またミャンマーや韓国、チベットなど、余り地震が発生しない地域でも地震があり、被害が出ています。地震がない地域では建築物の構造も日本とは異なり、M5クラスの地震でも大きな被害を生む場合があります。

2016年は国内・国外で多くの地震があり、地球自体の活動が活発になっているように感じられます。2017年もまだ5日しか経っていませんが、フィジーでM6.9、福島沖でM5クラスが2回発生するなど、その動きが活発化しているようです。日頃から防災意識を高めていきたいと思います。
次回は「2016年を振り返る その2」として、火山噴火を始めとする地震以外の自然災害について振り返ってみたいと思います。



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大掃除のついでに防災を

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2016年もあとわずか、大掃除の時期がやって来ました。今回は大掃除をしながら、ついでに防災や備蓄の見直しについて紹介したいと思います。1.室内の点検大掃除の際には、普段はやらない家具の裏や見えない場所、手が届かない場所などもきれいにします。また家具を動かす場合も多くなります。この機会を利用して防災面の点検もやってみましょう。(1) 寝 室防災の観点から、真...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
2016年もあとわずか、大掃除の時期がやって来ました。今回は大掃除をしながら、ついでに防災や備蓄の見直しについて紹介したいと思います。

1.室内の点検
大掃除の際には、普段はやらない家具の裏や見えない場所、手が届かない場所などもきれいにします。また家具を動かす場合も多くなります。この機会を利用して防災面の点検もやってみましょう。

(1) 寝 室
防災の観点から、真っ先に点検する場所は寝室になります。寝ている間は無防備になり、地震などで家具が転倒すると身の危険に直結します。たんすなどの大きな家具は、出来るだけ寝室には配置しないようにします。寝室以外に場所がない場合は、ベッドや布団から遠ざけます。もし部屋が狭くてそれも無理な場合は、倒れてもベッドやドアを塞がないように場所や向きを変えます。家具を動かせない場合は、L字型金具や突っ張り棒などで固定しましょう。固定しても倒れるから無駄だと言われる方もおりますが、少しでもドン!→バタン!の直撃から身を守るために、家具類の固定はしておきましょう。
また突っ張り棒は地震が起きるたびに緩んで来るので、既に固定されている方は家具の上の埃を掃除するついでに、突っ張り棒の緩みを確認して締め直しておきましょう。
背の低い棚の上に小さな鉢植えやちょっとした飾り物を置く場合も、棚はドアやベッドのそばを避け、物は滑り止めマットを敷いた上に置きましょう。

(2) 廊下や玄関
廊下は避難する時の大切な経路になります。ここが通れないと家からの脱出が困難になるので、通路にある障害になる大きな物をどけたり、割れる恐れのある花瓶やつぼ、水槽などは移動させるか片付けましょう。玄関も大きな物が倒れて塞がないように、整理しておきましょう。またベランダも人が通りやすいように片付けておきましょう。特にマンションは逃げ道が玄関かベランダの2ヶ所しかないので、通路の確保はとても重要になってきます。

(3) 台 所
食器や調理器具などの収納も、大掃除の際に見直してみましょう。鍋や大皿などの重たいものは、棚の下段に収納します。食器棚は転倒防止のためL字型金具や突っ張り棒などで固定し、観音開きの扉が開かないようにストッパーを取り付けておきましょう。ガラスには飛散防止フィルムを貼りましょう。
台所や冷蔵庫の掃除は、備蓄用の食料が足りているか、賞味期限は大丈夫かといった確認も兼ねて行います。備蓄は一週間程度はあった方が安心ですが、冷蔵庫に大量の物があると停電した場合には痛んできます。量を把握して、日々の食事で使いながら買い足しておけば大丈夫です。
食料品以外にも、常備薬や電池、カセットコンロのボンベなど、使用期限のあるものの点検や買い足しをしておきましょう。
東京都防災ホームページ 家具・家電転倒防止対策
  http://www.bousai.metro.tokyo.jp/bousai/1000027/1000289.html
NHK備える防災 今すぐ出来る!家の中の地震防災
  http://www.nhk.or.jp/sonae/special/bousai_no_chie/index.html

2.非常持ち出し品
大掃除で家の中の点検をする時に、非常持ち出し品も改めてチェックしておきましょう。非常持ち出し品には、一次持ち出し品と二次持ち出し品があります。

(1) 一次持ち出し品
一次持ち出し品は、最初の3日間を乗り切るための物品です。災害が起きると、特に大規模な災害ほど、最初の3日間ぐらいは災害救助応援が来ないことも予想されます。この3日間をとにかく乗り切るための、命を守るために必要な物を備えましょう。
① 枕元に置いておくもの
地震は就寝中に起きるかもしれません。とっさの時でもすぐに持ち出せるように、まとめて置いておきましょう。
・懐中電灯、靴、ヘルメットや帽子、防災マスク、軍手、タオル、貴重品袋、スマホ充電器
② 非常持ち出し袋
非常持ち出し袋で持ち出せる重量は、成人男性で8kg、成人女性で6kg、高齢者や子供は3kgぐらいが目安です。本当に必要な物をよく選び、持ち出せる量のものにしましょう。
・懐中電灯、ホイッスル、手回し充電式ラジオ、ヘルメットや帽子、防災マスク、軍手、ラ
 イター、飲料水や非常食、簡易トイレ、トイレットペーパー、救急用品、衛生用品、スマ
 ホ充電器、貴重品(保険証、免許証、通帳、有価証券のコピー)、その他眼鏡や薬等
③ 常に持っていたい物
・持病の薬、携帯電話、ペンライト、ホイッスル、家の鍵

(2) 二次持ち出し品
自宅の安全が確認できれば、自宅での避難生活が始まります。二次持ち出し品は、避難生活のために備えておくべき物になります。一次持ち出し品が命を守るために必要な物ならば、二次持ち出し品は生活するために必要な物になります。
① 物置などにまとめて備蓄
避難生活をする上で必要になる物を、アウトドア用品などと共に纏めて置いておくと便利です。
・大型懐中電灯、小型消火器、簡易食器、寝袋、救出用具、飲料水や非常食、着替え、飲料
 用ポリタンク、カセットコンロと燃料、毛布、ビニールシート、衛生用品、ロープ、軍手
 や手袋、大型ビニール袋、簡易トイレ、ウエットティッシュ類、その他
② 備蓄しておきたい食品
加熱しなくても食べられるもの、水を余り使わずに調理出来るものをストックしておくとよいでしょう。家族の人数によって必要になる量も異なります。最低3日分は各家庭にあったものを揃えておきましょう。またペットを飼っている家庭では、ペットの分も忘れずに用意しておきましょう。
・水、無洗米、レトルトご飯、乾麺、インスタント食品、スープ、缶詰、レトルト食品、野
 菜ジュース、菓子、栄養補助食品 その他
防災グッズは何を用意したらいいのか?
  https://allabout.co.jp/gm/gc/2245/2/

大掃除の時に物を出来るだけ片付けて減らすと、災害時も安全で、今後の掃除も楽になります。また大掃除は家族で行うことが多いので、災害時にどんな物が危険になるか家族で話したり、非常時の連絡方法を確認したりすれば、防災意識を高めるのにも役に立ちます。


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備蓄品備忘録 その4

備蓄品備忘録 その4いつもブログをごらんいただき、ありがとうございます。今まで3回に亘り紹介して来ましたが、今回は最後に少し時間が経った頃の状況、あらためて感じられたことなどを紹介します。1.震災後の状況ガスが止まっていたので、自宅のお風呂には1ヶ月入れませんでした。ポットのお湯を2Lのペットボトルに水と半々入れて週に1回シャンプーしました。お風呂は半月後に入りました。何処で?それはラブホテル。多くが...
備蓄品備忘録 その4

いつもブログをごらんいただき、ありがとうございます。
今まで3回に亘り紹介して来ましたが、今回は最後に少し時間が経った頃の状況、あらためて感じられたことなどを紹介します。

1.震災後の状況
ガスが止まっていたので、自宅のお風呂には1ヶ月入れませんでした。ポットのお湯を2Lのペットボトルに水と半々入れて週に1回シャンプーしました。お風呂は半月後に入りました。何処で?それはラブホテル。多くがプロパンガスなので水さえ復旧していたら入れたんですよ。20分一人1,000円とかで利用していました。子供達も社会勉強と称して連れて行きました。他にもツイッター等から情報を集め必死に探して子供達だけでもと入れました。遠慮してあの寒い中、水でシャンプーする姿は今でも忘れられません。チャレンジャーですよ。落ち着いてくると、洗剤などの日用品、化粧品なども困る原因なので、お備え下さい。
またあんな日々が来るかもしれないなんて、そうならないでと祈らずにはいられません。
啓示のような事が起これば、向こう数年間は我慢が続くことでしょう。今度はさすがに暴動も起きると思います。
皆さん、ここに書いたのはあくまで自分と姉一家の例です。たまたま備蓄しまくって助かった一例です。
それぞれ、状況も何もかも違う中で、少しでも参考になればと、また自分自身の対策と確認の為にも書き出してみました。まったく、八畳の和室一つ埋まる訳ですよね。段ボールで保管してたものがほとんどですし。
何よりもまず自分の命と安全。大事にして下さい。モノは後から何とでもなります。でも生き残ったら次はモノです。これがないと生きていけません。矛盾しているようですが、あらゆる状況を考えてお備え下さい。
備蓄の場所が無いという方も多いと思います。震災後、色々と耳にした中で、県外や高台など離れた所に住む、子供や実家や知人の家に備蓄をお願いしたという話を聞きました。また、車をお持ちでしたらトランクにかさばるペーパーや一週間分の水と食料を備蓄している方も増えました。色々工夫なさってみて下さい。
今回に備えて、ディーラーに頼み車検を1ヶ月前倒ししました。戻ったら不足分を買い出しし、ガソリン満タンで備えたいと思っています。トランクには毛布などしか積んでいないので少し増やす計画です。

2.これが無いと大変だったもの
最後に、これが無いと大変だという、経験の上からの必需品です。
便秘薬!頭痛薬!これ絶対必要になります。薬なんて絶対買えませんから!普段と違う環境・食べ物・そして極限の精神状態。確実にヤラれますから。自分は毎日お通じがあるのに10日間止まって死ぬ思いしましたから。それと偏頭痛持ちで、少し落ち着いたあたりから大変でした。他には、整腸剤と風邪薬もあれば安心。
それから、ガソリンの携行缶。自分は車は乗らないと決めたので必要ありませんでしたが仕事などどうしても必要な方はあると助かると思います。バスも3ヶ月近く止まりひたすら片道1時間半かけて通勤したので自転車もあると便利ですね。競技用の10万とか20万する自転車もあっという間に売り切れました。
そして現金。これは絶対必要です。金融機関全て止まりますから。買い物するにもお金がなきゃ出来ません。1ヶ月で30万使いました。これだけ備蓄してたのに。皆さん腹を括って下さいね。
物の値段を見て買うのは平常時です。非常時は物を見つけたらまず確保が優先で値段なんて見ません。例えばカセットコンロ用のボンベ。当時は1本200円から300円でした。一人1本、在庫50本の状況では値段なんて見ませんよね。乾電池も2本で300円、500円とかだった気がします。全てがそうなので30万なんてすぐ消えました。
避難所にいれば基本、お金はかかりません。ただ、色々と制限やご苦労があると思います。
どういった形になるかは、その時じゃないとわからないと思います。 色んなパターンを考えてみて下さい。 そして備えてみて下さい。

写真
上の写真は3.11の時の我が家の台所の写真です。

戸棚も引き出しも食器棚も冷蔵庫も全て全開でした。食器はほぼ全滅。
左手前の冷蔵庫から飛んだ玉子が私のデスクトップPCにクラッシュ
したり、考えられない方向と距離にあらゆるものが飛びました。
家具の固定は、賃貸の場合、天井破損などで後日大変だと聞きました。
寝室などは固定必要ですが、寝る場所は物をおかないようにするのが
一番ですね。家の中で安全なスペースを確保するのも大切です。
我が家の場合、玄関に繋がる廊下にしています。玄関は作り付けの
下駄箱が移動し、中の靴が散乱、乗り越えないと出入りが出来ない状態で、こればかりは予想していませんでした。完全に塞がったらアウトでした。
あらゆるものが凶器になります。片付けは明るい内に、靴と軍手は必須です。
台所の時計が3.11の起きた 2時46分で止まっていることに気付いたのはだいぶ経ってからでした。
 
3.震災後の街の様子
仙台の中心部は、あれほどの揺れに襲われたとは思えない程、一見するといつもと変わらない状態でした。いずれ宮城県沖地震が来ると言われていたので、建物の耐震化や水道管を地震に強いものに交換したりと色々と対策をしていたことが大きかったようです。ただ、都市ガス施設は津波で全壊してしまいました。全国の自治体のガス部隊が次々と乗り込んで必死に復旧作業をされました。日本海側からパイプラインを構築して下さいました。各家庭の開栓作業に、何処の自治体の方が来たのか、みんなでワイワイ話しました。本当に感謝です。
今電力会社は散々苦情にさらされていますが、揺れがおさまった直後から電柱に次々と電力会社の方が登り、主要交差点の信号機の復旧をされ、大きな事故も起こらずとても助かりました。震度5クラスの余震が次々と来る中、雪が降りしきる中、末端の作業員の方々は黙々と復旧作業をされていました。 ほんとうにありがたい事でした。
とにかく皆さん、よく歩いていました。移動の基本は徒歩でした。お店は全て、コンビニもデパートもスーパーも閉まっていました。一週間位すると、街中のアーケードの両脇にみかん箱の上に広げたお店が出始めました。最初はおにぎりだけ。日を追うごとに漬物が付き、揚げ物が付きと変わって行きました。きっと戦後の闇市ってこういうんだったのかもと思いました。売っている人を見ても、買っている人を見ても涙が出ました。ありがとうございますと、感謝の言葉しか出ませんでした。
やがて、ぼちぼちと時間制限で1時間とかお店が開き始めました。みんな寒い中黙って並んでいました。でもいつまでも開かないお店もありました。オーナーさんや従業員の方が津波被害にあわれたり、スプリンクラーの誤作動で水浸しになり再開不可になったりしたと聞きました。
震災という共通の体験をしたせいなのでしょうか、普段は見えないバリアで人の間が仕切られていますが、震災後は誰かれとなく言葉を交わしました。当日、雪の降る中を皆さん徒歩で帰宅されていましたが、不思議と「どちらまでですか?」「お荷物お持ちしますか?」等と声を掛け合いました。足の弱ったご年配の方を見つけ、通りすがりの見ず知らずの車の方にお願いして乗せて頂いたり、そんな事が普通にあちこちで自然にありました。
日本という国と、そこに住む日本人って素晴らしいなと心から思いました。誰も文句も言わず、黙々と粛々と現実と向き合い、助け合い、思いやり、ここが日本で良かったと思いました。何を見ても、何を見ても、「ありがとう」と自然に出ました。
震災当日の夜に、子供たちが空を見上げ、「うわー!仙台ってこんなに星が綺麗なんだ」と大騒ぎしていました。毎日、子供たちにたくさん笑わせてもらいました。ゲラゲラとお腹を抱え涙を流して笑いました。ありがたいことです。どんな時でも、顔を上げて、笑顔が多いように過ごしたいですね。
もちろん、驚くような悲しみがこみ上げるような悪い出来事も色々と耳にしました。同じ人間なのにどうしてそんな非道な事が出来るのかと悲しくもなりました。でもそれは自分たちの中にしまって、反面教師としています。幸い、良い話が国内だけではなくて、海外にも伝わり、日本人としての誇りの再確認になって良かったです。自分達としては当たり前。お互い様と感謝と思いやりなんですけどね。

長い長い文章に目を通していただき、ありがとうございました。皆様の平穏な日々を心から願っております。
以 上

東日本大震災を仙台で実際に体験された方の備忘録、参考になった点が必ずあったと思います。膨大な備蓄をされておりその量に驚くばかりでしたが、南海トラフ巨大地震のような広域災害になった場合は、自分で自分の身を守るしかありません。救援の手が届くまで、かなりの日数を要します。

実際に発災したらどうなるか、内閣府が作成した南海トラフ巨大地震の被害と対策に係る資料映像を紹介します。17分ありますが、ぜひご覧になって下さい。
こちらをクリック⇓
"南海トラフ巨大地震 全体版"


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備蓄品備忘録 その3

いつもブログをごらんいただき、ありがとうございます。前回に引き続き、地震前に買い置きしていた物品について紹介したいと思います。1.飲料関係・水 2Lペットボトル6本入り×3箱 12Lのウォーターサーバー用ボトルが7本、500mlペットボトル48本・長期保存の牛乳1L×12本・   〃  豆乳1L×12本・小岩井の野菜ジュース 850mL×24本  これは貴重な野菜源となりました・インスタントの味噌汁 10食・コーンスープ・コンソメスープ・オ...
いつもブログをごらんいただき、ありがとうございます。
前回に引き続き、地震前に買い置きしていた物品について紹介したいと思います。

1.飲料関係
・水 2Lペットボトル6本入り×3箱 12Lのウォーターサーバー用ボトルが7本、500mlペットボトル48本
・長期保存の牛乳1L×12本
・   〃  豆乳1L×12本
・小岩井の野菜ジュース 850mL×24本  これは貴重な野菜源となりました
・インスタントの味噌汁 10食
・コーンスープ・コンソメスープ・オニオンスープ 各30食
・電気ポット これはガスが止まっていたのでまさに命綱の一つでした 
4L×2本 2L×1本
・お茶・ドリップコーヒー 200杯分
・紅茶ティーパック 400杯分
・ココア・ミルクティーの粉、他  各2缶
・ポカリスエットの粉 10袋 
・醤油・味噌・コンソメ、その他調味料  各5本前後

飲み水と限定しがちですが、実際に水だけを飲むことは少なかった気がします。出掛ける時に必ずバッグに入れましたが、自宅にいる時は口にしませんでした。寒い時期でしたので、子供たちもとにかく温かいものをよく飲んでいました。これもたまたまなんですが、キャンプに行く際にいつも缶入りの飲み物の粉など大量に持っていくので、それの延長線で手持ちがありました。スープ類や珈琲・紅茶・味噌汁、本当に心までホッとしたのを覚えています。長期保存の牛乳や豆乳・野菜ジュースは自宅まで箱で届けてもらうのでいつも買置きしていたもので、とても助かりました。全く手に入らないものばかりで子供たちの必需品ですからね。

2.その他の災害用品
・懐中電灯 キャンプ用に大小10個 
・ランタンとキャンドル ランタン3個、中に置く丸いキャンドル100個  これもキャンプ備品
・乾電池  単3×40個 (ゲーム機用に大量買いしてた)
・携帯ラジオ  FMも入るものが音も聞きやすい
・ろうそく・マッチ・ライター  これもキャンプ備品
・CDラジカセ  
・使い捨てカイロ 50個入り×5箱
・ティッシュペーパー  5個入り×10パック
・使い捨てマスク  50枚入り×6箱  もう少し欲しいかもしれません
・生理用品  10パック
・紙おむつ・粉ミルク 無いと本当に大変です!絶対買えませんから!
・アルコール消毒液  プッシュ式3本と詰め替え5L
・軍手・ゴム手袋・
・スニーカー・マリンブーツなどの底の厚い長靴 (どこもかしこも危険です。厚い底ではきやすいものを)
・布ガムテープ (貼るのは当然、段ボールの家の組立や、傷口の止血・カバーも出来文字も書ける万能選手)
・マジックペンなど書くものとメモ紙 (伝言や覚書用。布ガムテープや救急用の絆創膏に書いても可)
・レジャーシート・使い捨てレインコート・エアー枕・ナイフ・カッター等

001.jpg 

↑ イケアで一つ499円で買ってキャンプで重宝してました。(※現在は599円です)
まさか震災であんなにも活躍するとは思ってもみませんでした。
買っておいて良かった~
下記の写真のろうそくをセットして使います
002.png
↑ 同様にイケアで100個399円で買ったろうそく。 お皿などの上でも使えます。(※現在は499円です)

携帯ラジオはずっと聞いていると音も悪くイライラしてきます。CDラジカセですと広い場所でみんなで聞けますし音質も良く、また疲れた時にCDを聞く事も出来て、電池と場所が許せばCDラジカセを2台目にお勧めします。
懐中電灯は夜間のトイレや真っ暗な外の移動の必需品。乾電池は無いと悲惨です。携帯の充電が出来ません。ラジオも聴けません。音があるだけで安心できます。ろうそくは倒れたり風で消える事もあるのでランタンと中に置く丸いキャンドルがあると重宝します。どちらもイケアで安く大量買いしていて助かりました。
ティッシュペーパーは大量に使います。寒い時期でみんな鼻水垂らしまくりでしたし、水が出るまでは洗う代わりに拭く事も多く、用途に合わせトイレットペーパーとウェットティッシュと使い分けして重宝しました。マスクも片付けや外出時に色々なものを防いでくれたり、また防寒用にもなります。お化粧出来ない女性の顔隠しにも使えますね。絶対買えなくて、手持ちがないと困るのが生理用品と紙おむつと使い捨てカイロです。
買い出しの時に毎朝5時前からぐるぐるに着込んで開店の10時までじっと並びました。本当に骨まで凍えて寒さで気を失いそうになりながら、唯一使い捨てカイロから暖を取って耐えました。当初は一人3個限定。それが5個になり、10個になり、少しずつ買える数が増えて行って1ヶ月後位にやっと個数限定なしとなったような気がします。朝の水汲みを終えて子供達が交代に来てくれて、つかの間朝日の当たる場所で固まった体をほぐして、また並んでと、今思えば夢のようです。ほんの2年前なんですよね。何でか涙が出ます。
何も言わなくても、姉と私の行動を見て、子供たちで集まって色々と話をしたようで、たくさん手伝ってくれて、自主性とか奉仕の精神とか、なかなか口で伝えられない大切なものを自分たちで育みしっかりと根付かせてくれたようです。そういう意味において、災害も良い面とそうではない面があると私は思います。

3.これだけは普段から準備していたい
自分にとって必要な物、無ければ困るものを優先して一つの袋等に入れておいて下さい。メガネやコンタクトレンズ、持病の薬に入歯や補聴器。これらはある程度流通が戻ってもなかなか調達が難しいですし、何より自分が日々困ります。これらは避難所でも手に入りません。
それから、携帯は命綱に近いものがあります。最初は安否確認、少し経つとツイッター等で色々な情報収集に必須です。3.11の時、○○スタンドで何時からガソリンや灯油販売する とか△△店でおにぎり販売があるとか、××は片側通行出来るようになったなど、電気が復旧するまでの間の貴重な情報窓口になりました。使う為の充電器・電池と電池式充電器は必須です。
*筆者注
3.11の際、津波から避難して建物の屋上で孤立状態になった方が、海外留学中の息子さんに現在の状況をメールで送り、それを受け取った息子さんがツイッターでその旨を発信し、それをリツイートされた方々からの連絡で救助されたという実例がありました。日頃から携帯の充電をこころがけておきましょう。

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阿蘇山について

いつもブログをごらんいただき、ありがとうございます。10月8日午前1時46分頃、熊本県・阿蘇山の中岳(標高1506m)の第1火口で爆発的噴火が発生しました。噴煙は高さ約1万1000mまで上がり、熊本・大分・愛媛・香川の4県で降灰が確認されました。阿蘇山は2014年夏頃から火山活動が活発化していましたが、爆発的噴火は1980年1月26日以来の36年ぶりでした。昨年9月に火砕流を伴う噴火が発生し、噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げら...
いつもブログをごらんいただき、ありがとうございます。
10月8日午前1時46分頃、熊本県・阿蘇山の中岳(標高1506m)の第1火口で爆発的噴火が発生しました。噴煙は高さ約1万1000mまで上がり、熊本・大分・愛媛・香川の4県で降灰が確認されました。阿蘇山は2014年夏頃から火山活動が活発化していましたが、爆発的噴火は1980年1月26日以来の36年ぶりでした。
昨年9月に火砕流を伴う噴火が発生し、噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられ、同年2月にレベル2(火口周辺規制)に戻っていました。しかし今後も同じ規模の噴火が起こる可能性があり、気象庁は噴火警戒レベル2からレベル3に引き上げ、火口から約2キロは立ち入り制限区域になりました。
「備蓄品備忘録」の連載中ですが、緊急で阿蘇山について取り上げたいと思います。

1.阿蘇山とは
阿蘇山は、東西18キロ、南北25キロにわたる世界最大級の巨大カルデラ内に主峰の高岳など十数座の中央火口丘群がほぼ東西方向に並んでいます。高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳、根子岳を阿蘇五岳といい、この中央火口丘群のことを阿蘇山と呼んでいます。
カルデラは約27万年前~9万年前までに4回の大規模な火砕流の噴出で形成され、この4回目の噴火による火砕流の堆積物が海を隔てた島原、天草や山口県でも確認されました。北海道にはこの頃に九州で噴き上げられた火山灰が、10cmの厚さになって残っている場所があります。
有史以降、噴火を繰り返しているのは中岳(標高1506m)になります。成層火山である中岳には、南北に連なる長径1100mの複合火口があり、近年はその北端の第1火口のみが活動しています。活動していない時の中岳では、噴火が沈静化すると「湯だまり」と呼ばれる火口湖が形成されます。そして火口湖が消失して噴火孔の赤熱現象が起きると、次の噴火が発生するというサイクルが繰り返されています。そのため、噴火の兆候を事前にとらえやすい火山とされています。

2.火山がもたらす事象
(1) 噴石
火山が爆発的に噴火すると、火口やその周辺から様々な大きさの噴出物が出ます。気象庁はそれらを総称して「噴石」と呼び、大きさが65mm以上の物を「大きな噴石」と呼称しています。
大きな噴石は噴火により火口やその周辺から上空へ上がり、放物線を描いて2~4キロ程度の範囲に落下します。落下速度は噴火の規模による上昇高度によって決まりますが、噴石のサイズが大きくなれば被害も大きくなります。今回の阿蘇山の噴火でも広範囲に噴石が飛散して、現在休止中のロープウェイ火口西駅の屋根に複数の穴が開きました。
2014年の御嶽山の噴火では、半身大や巨大な噴石が落下したという目撃証言もあり、山頂にある社務所の屋根を貫きました。こうした噴石に当たれば命の危機もあり、もし噴石の落下範囲にいた場合はとにかく噴石を避ける行動をとりましょう。
早川由紀夫の火山ブログ 火山れきと火山弾
http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-category-8.html

(2) 火砕流
火砕流は、噴火により発生した高温の火山灰や岩塊、空気や水蒸気などが一体となって急速に山体を流下する現象で、平成3年に発生した雲仙・普賢岳の噴火で、マスコミや防災関係者43名が巻き込まれ、その映像が記録されたことで広く世間に認知されました。
火砕流の周辺では高温のガスが爆風(火砕サージ)となって吹きつけ、斜面を上ったり横に広がるなどして、火砕流本体より広範囲に広がり被害をもたらします。雲仙・普賢岳の火砕流による被害も、火砕サージによるものだったと言われています。
大規模な火砕流が発生すれば、その通過域を焼失、埋没させます。イタリアの都市ポンペイが一夜にして喪失したのも、ベスビオ火山から発生した火砕流に襲われたためということが近年の発掘調査で判明しました。
火砕流の流下速度は時速数十キロから百数十キロ、温度は数百度にも達し、破壊力が大きく極めて恐ろしい火山現象です。そのため突然の火砕流から身を守ることは不可能で、事前の避難が必要になります。
防災科学技術研究所 防災基礎講座:火砕流
http://dil.bosai.go.jp/workshop/02kouza_jirei/s18kasairyu/kasairyu.htm

(3) 溶岩流
噴火というと、火口から溶岩が噴出し、山肌を流れて行く溶岩流の光景がまずイメージされると思います。溶岩は、地下から上昇したマグマが地表に溢れ出て溶融状態にあるものと、溶融物が冷えて固まったものを示します。このマグマが火口から噴出して、高温の液体状態のまま山体を流れ下ると溶岩流と呼ばれます。
溶岩流は摂氏800~1200度の高温で、溶岩流の通過域にある建造物、道路、農耕地、森林、集落を消失、埋没させ、その経済的ダメージは非常に大きくなります。
また溶岩流は山頂だけではなく、山体の地質が脆い線に沿って出来た数珠つなぎの火口や、一連の「割れ目噴火」からも噴出します。日本では伊豆大島や三宅島などで割れ目噴火が発生し、溶岩流が流下しました。
溶岩流が通過した地域を復興するには多大な困難が生じますが、溶岩流の流下速度は比較的遅く(ただし地形や溶岩の温度・組成にもよる)、流下する方向も予測しやすいものです。そのため溶岩流が流下し始めても、基本的に人の足による避難が可能で、人的な被害は抑えられやすいものです。海外では流下する溶岩流に多量の放水を行い、被害を限定した事例もあります。1997年に公開された映画「ボルケーノ」でも、ロサンゼルスの都市の真中で噴火が始まり、流れて来る溶岩流を大量の放水で流れを止める場面がありました。
浅間山の「鬼押し出し」や富士山の「青木ヶ原樹海」は過去に溶岩流が発生した痕跡で、現在は観光地になっています。またハワイのキラウエア火山から流れ出る溶岩流も、すぐ近くで見ることが出来ます。
ハワイ・キラウエア火山の溶岩流
https://www.youtube.com/watch?v=TOluYmqJDhE

(4) 火山ガス
火山の噴火による被害で最も長期的な影響を及ぼすのが火山ガスです。人体に多大な悪影響を及ぼすため、ガスが低濃度になるまで近づくことは不可能で、過去には50年以上も立ち入ることが出来なかった事例もありました。
火山ガスの主成分は水蒸気が95~99.5%を占め、この他に二酸化硫黄、硫化水素、塩素、フッ素、水素、二酸化炭素、一酸化炭素などを含みます。活動している火山地域は日常的に噴気と呼ばれる火山ガスを排出しています。箱根の大涌谷など「硫黄臭」があるガスは危険を察知しやすいですが、二酸化炭素などの無色無臭の気体は気付くのが困難で、登山中の死亡事故も発生しています。
平成12年(2000年)から活動を始めた三宅島では、多量の火山ガスが放出され、それが集落などの居城地域に流下し続けました。そのため三宅島の住民は噴火が一段落しても、4年半におよぶ長期の避難生活を強いられました。
気象庁 火山ガス
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/rovdm/Miyakejima_rovdm/miyakejima_gas.html

(5) 火山灰
火山灰は粒子径が2mm以下の火山噴出物のことです。「灰」とあるので誤解しやすいですが、実際にはガラス片や鉱物結晶片になり、人体に悪影響を及ぼします。目に入ると角膜剥離や結膜炎を引き起こすので、特にコンタクトレンズを使用している方は注意が必要です。また呼吸で吸い込むことにより、鼻や喉の炎症を起こしたり、ぜんそくや気管支炎を引き起こす可能性もあります。
大量の火山灰が空中に拡散すると、空の交通に影響が及びます。平成22年(2010)4月のアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル山の噴火では、欧州各国の航空便の飛行が不可能になった出来事は記憶に新しいと思います。
また大量の降灰は農作物に被害を与えるだけではなく、社会インフラに大きな打撃を与えます。降り積もった火山灰の厚さが僅か1mmでも、車や鉄道が運行中止になる可能性があります。また火山灰は精密機器に入り込み故障を引き起こすと考えられ、様々な情報システムにより制御されている現代社会は大混乱を招き、その復旧までには膨大な時間がかかってしまいます。
雨が降ると火山灰はセメントのように固まり、かつ重量が増すため、10cmほどの降灰でも家屋の崩壊を招いてしまいます。濡れた火山灰が付着した送電線は漏電を起こし、停電や火災の発生につながりかねません。
そしてカルデラ噴火などの巨大噴火が発生すると、火山灰が分散して微細な粒子(エアロゾル)となって長期間滞空し、日照を阻害して「火山の冬」を招き、地球規模での冷害が発生する恐れもあります。
国際火山災害健康リスク評価ネットワーク 火山灰の健康影響
http://www.geocities.jp/ychojp/ivhhn/guidelines/health/ash_health_japanese.html#Respiratory effects


今回噴火した阿蘇山は、過去にもカルデラ噴火を起こしている火山で、将来的にもその可能性を指摘されています。現在は噴火活動が安定しているようですが、火山は突然噴火する場合があります。草千里など近郊の観光地へ行かれる場合は、事前に情報を確認するなどの準備をしっかりとして、楽しんできていただければと思います。
なおカルデラ噴火については、別記事で改めて紹介いたします。

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