「地震予知前提の見直しについて」 追記

国では、10年から100年単位での長期的な地震発生の可能性と、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を公表しています。その中で、静岡県から九州の太平洋側に延びる南海トラフで、今後30年以内にM8~9級の巨大地震が発生する確率が「70~80%」に引き上げられました。この発生確率は、政府の地震調査委員会が毎年1月1日現在の発生確率を計算して公表されますが、2014年に発表された「70%程度」から確率が高まりました。...

国では、10年から100年単位での長期的な地震発生の可能性と、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を公表しています。その中で、静岡県から九州の太平洋側に延びる南海トラフで、今後30年以内にM8~9級の巨大地震が発生する確率が「70~80%」に引き上げられました。この発生確率は、政府の地震調査委員会が毎年1月1日現在の発生確率を計算して公表されますが、2014年に発表された「70%程度」から確率が高まりました。
今後10年以内の発生確率も、これまでの「20~30%」から「30%程度」に引き上げられました。50年以内の確率は「90%程度、もしくはそれ以上」に据え置かれました。
南海トラフでは、概ね100~150年おきにM8級の海溝型地震が発生してきました。地震は様々なパターンで起きることなどを考慮し、地震調査委員会は平均発生間隔を88.2年と仮定しています。最後の南海トラフ地震は1944年の「昭和東南海地震(M7.9)」と1946年の「昭和南海地震(M8.0)」で、既に70年以上が経過しました。
この30年以内の地震発生確率は、今現在から30年間の期間のことで、30年後ではありません。そのため明日にでも地震が発生することもあり得ます。次の地震が必ず発生し、その発生時期が近付いていることを忘れずに、各自の備えをしてください。

防災科学技術研究所 地震ハザードステーション
  http://www.j-shis.bosai.go.jp/maps-pshm-prob-t30i55



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地震予知前提の見直しについて

 いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。昨年9月に、南海トラフ巨大地震の防災対策を議論してきた政府の作業部会は、東海地震の直前予知を前提にした防災対応を見直し、広範囲で防災計画を定めるように求める最終報告書をまとめました。これは直前予知は「不可能」ということです。今回はこのことについて書きたいと思います。 1.これまでの経緯東海地震は1969年に東京大学教授(当時)の茂木清夫氏が遠州...
 いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

昨年9月に、南海トラフ巨大地震の防災対策を議論してきた政府の作業部会は、東海地震の直前予知を前提にした防災対応を見直し、広範囲で防災計画を定めるように求める最終報告書をまとめました。これは直前予知は「不可能」ということです。

今回はこのことについて書きたいと思います。

 

1.これまでの経緯

東海地震は1969年に東京大学教授(当時)の茂木清夫氏が遠州灘での大地震発生の可能性を指摘したのが最初で、1976年に東京大学助手(当時)の石橋克彦氏が「駿河湾地震説」を提唱し、研究が始まりました。1854年の安政東海地震では、紀伊半島潮岬沖から駿河湾までのプレートがずれたのに、1944年の東南海地震の際は紀伊半島から浜名湖まででプレートのずれが止まってしまい、浜名湖から東側の部分のプレートがずれ残りました。このため、その部分だけ歪みが蓄積したままになっていると考えられたのです。

東海地震の予知の可能性の根拠は、1944年の東南海地震直前に行われた測量中に発生した通常では考えられない誤差で、これをプレスリップ(前兆すべり)と言います。プレスリップは、プレート境界の強く固着している領域の震源域の一部が地震の発生前に剥がれ、ゆっくりとすべり動き始めるとされる現象です。水準点の掛川市を基準に御前崎では年間45mmの沈降を続けていますが、プレスリップが発生すると沈降速度が減少して隆起に転じる可能性があり、それを歪計によって捉えようというものです。

気象庁により掛川から御前崎を中心に東海地域各所に体積歪計が設置され、24時間体制の監視が行われており、もし異常な現象が捉えられた場合には、それが大規模な地震に結びつく前兆現象と関連するかどうかを緊急に判断するため、地震学研究者6名からなる地震防災対策強化地域判定会が開催され、データの検討が行われます。その結果、もうすぐ東海地震が起きそうだと気象庁長官が判断した場合、ただちにその旨を内閣総理大臣に「地震予知情報」として報告します。そして東海地震は予知が可能ということで1978年に制定された「大規模地震対策特別措置法(大震法)」に基づき、内閣総理大臣が「警戒宣言」を発令します。

警戒宣言の対象地域は、①地震の揺れによる被害は震度6弱以上の地域 ②地震発生後20分以内に高い津波(沿岸部で3m以上、地上で2m以上)が来襲する地域が、地震防災対策強化地域に指定されています。

警戒宣言が発せられると、これらの地域では全ての社会活動や生産活動が停止して、一日で莫大な損失額が発生します。事前に様々な活動を停止することで人的被害や経済被害を軽減できるという試算もありますが、地震はいつ発生するかわかりません。そのまま発生しない可能性もあります。その場合、休業に伴う損失額はどうするのかも解決されておらず、また1944年の測量値が本当に正しかったのかという疑問を持たれ続けたまま今日に至りました。幸いにもこの40年間、総理大臣が「警戒宣言」を発するのは91日の防災訓練の日のみで、実際に地震の発生はありませんでした。

 

2.なぜ見直すか

東海地震だけではなく、南海・東南海・東海を含めた「南海トラフ地震」という考え方になったのは、2011311日に発生した東日本大震災です。この時は岩手県から茨城県までの南北500キロが震源域になり、広範囲で地震が連動するのを目の当たりにしました。

東海地震が特別視されてきたのは、①震源が陸域に近く、地下の異常を捉えやすい ②199446年の南海トラフの地震の際に断層が動かず、ひずみがたまっている、などと考えられてきたためです。

しかし、この40年間で観測網が整備され研究が進むと、「地震予知は出来ない」との見方が逆に強まりました。予知が出来なければ警戒宣言は出せず、大震法の前提自体が崩れます。更に前回の南海地震から70年以上が経過し、東海地震単独ではなく、南海トラフ全域で起こる巨大地震を警戒する必要が出て来ました。これまで東海地震が単独で発生したことはなく、また「駿河湾地震説」を提唱した石橋克彦氏も東海地震単独では発生しないと述べています。こうした事情を背景に、大震法見直しや広域での防災対策を求める声が高まり、20169月より新たな防災体制の議論が始まりました。

 

3.見直しの内容

報告書では、大震法に基づく計画に代わり新たに南海トラフ沿いの広域で、事前避難などを含めた防災計画を策定することを求めました。

まず避難を開始する前提として「予兆」を捉えた場合ではなく、南海トラフのどこかで実際に地震が発生した場合を想定しました。南海トラフの地震は、これまで駿河湾から四国沖にかけて複数の震源が同時に、もしくは32時間後や2年後などの時間差で発生しています。このため、南海トラフの東側で大地震が起きてからの3日間程度は、「大規模地震の発生が特段に高い」として、被害がなかった西側沿岸部の住民も避難することを提案しました。4日目以降や、巨大地震よりも一回り小さい「前震」らしい地震が発生した場合は、高齢者や自力避難が困難な人は1週間ほど安全な場所に避難するとしました。

そして南海トラフの地震について、「臨時」と「定例」の2種類の情報が新たに発表されることになりました。臨時情報は、①南海トラフ沿いでM7以上の地震が発生するなどして、大規模地震と関連するか調査を開始・継続 ②大規模地震の可能性が高まった ③大規模地震の可能性が高くなくなった、場合にそれぞれ発信します。

調査は、新設する気象庁長官の私的諮問機関「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の助言に基づいて気象庁が実施します。大地震の可能性が高まった場合は関係省庁災害警戒会議を開き、避難経路や備蓄の確認など、地震への備えを国民に呼びかけます。同検討会は月に一度、定例会合を開き、異常がない場合は定例情報を出します。

この定例会は昨年1127日に第1回目の検討会が開かれ、「現在のところ、平常時に比べて発生の可能性が高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」との見解が発表されました。

気象庁 南海トラフ地震に関する情報

 

http://www.data.jma.go.jp/svd/eew/data/nteq/index.html

 

4.残された課題

内閣府は今後、静岡県と高知県、中部経済界を「モデル地区」に選び、具体的な防災対応を議論していく考えを示しました。そしてモデル地区での検討内容を踏まえ、自治体や企業が防災計画を作る際の目安となる運用指針を策定する方針です。

しかし避難計画を作成するにも、多くの課題が残されています。例えば、南海トラフの東側で大地震が起こった場合、西側の住民はいつまで避難生活を続ければいいのか。東側に続いてすぐ西側で地震が発生する場合もあれば、何年も地震が起こらないこともあります。そのような状況で、学校や鉄道、企業の経済活動をどこまで制限すればよいのか。あらかじめ決めるのも困難ですが、具体的な対策を示さないまま地震の発生確率が高まっていると発表しても、かえって社会の混乱を招く恐れがあります。

豪雨や火山噴火などの自然災害が発生する恐れのある場合、災害対策基本法に基づいて市町村長が住民に避難を指示します。また気象庁が出す大雨警報や噴火警報は気象業務法で災害の「警告」と位置付けられており、避難に直結する情報として運用されています。

一方、南海トラフ地震の臨時情報は、気象業務法の「観測成果」に過ぎず、市町村長が避難を勧告する法的根拠としては弱く、避難を勧告するかどうかは自治体による判断次第となります。

しかし専門家は、「地震に限らず、行政が適切なタイミングで避難勧告などを出せるとは限らない」と指摘しています。実際に避難勧告が遅れたり、勧告が出されなかった結果、大きな被害に繋がった災害は数々あります。行政からの避難勧告を待つのではなく、私達自身が「避難指示が出なければ逃げない」という発想から脱却して、早目の避難を心掛ける必要があります。

 

南海トラフ地震が発生しても、直接的な影響を受けない地域もあります。しかしその後の物流の停止など、日本全国に何らかの影響を及ぼします。自分の地域は関係ないと考えるのではなく、日頃から起こり得る災害を考え、防災意識を高めておくことが、自分や家族の命を守ることに繋がります。東日本大震災からもうすぐ7年を迎えます。改めてご自身の備えを確認されてはいかがでしょうか。


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速報 草津白根山噴火

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2018年1月23日午前9時59分頃、群馬県西部にある草津白根山の本白根山の鏡池周辺で噴火が発生しました。24日の時点で、1人が死亡、11人の負傷が確認されています。今回はこの噴火について、速報として紹介したいと思います。 1.これまでの経過草津白根山は、本白根山・白根山・逢ノ峰の三つの山の総称になります。もともと噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)の指定...
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

2018123日午前959分頃、群馬県西部にある草津白根山の本白根山の鏡池周辺で噴火が発生しました。24日の時点で、1人が死亡、11人の負傷が確認されています。今回はこの噴火について、速報として紹介したいと思います。

 

1.これまでの経過

草津白根山は、本白根山・白根山・逢ノ峰の三つの山の総称になります。もともと噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)の指定を受けていましたが、20146月に小規模な噴火が発生する可能性があるとされ、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引き上げられました。この時は白根山にある「湯釜」で白濁が見られたりの現象が発生しました。しかし、その後は特に活動の活発化もなく、20176月に噴火警戒レベル13年ぶりに引き下げられました。

白根山は明治以降に噴火を繰り返しており、湯釜と呼ばれる火口湖周辺には、地震計や傾斜計などの観測網が整備され、気象庁が重点的に観測していました。しかし本白根山は過去一千年以上にわたり大きな噴火の記録がなく、監視カメラ等の観測網の整備も進んでいませんでした。近年になり溶岩流を伴った3000年前の噴火を含め、約5000年前~1500年前に比較的大きな噴火が6回起きたことが分ってきました。しかし限られた人や予算の中、白根山の方の観測を充実すべきとされていました。

今回の噴火では、振幅の大きな火山性微動が約8分間捉えられましたが、カメラ映像がないためすぐに噴火の確認をとることが出来ませんでした。また2014年の御嶽山噴火を受けて導入された、噴火をいち早く知らせる「噴火速報」も発表できませんでした。

 

2.噴火の特徴

今回の噴火は「マグマ水蒸気爆発」と言われています。これは地下から上がって来るマグマが地下水に接触して、爆発する現象です。その際、火山灰や噴石などを噴出させます。今回もかなり大きな噴石が飛んでおり、レストランの屋根を突き破ったり、犠牲者も出てしまいました。

事前に何度か火山性微動が発生している場合は、噴火警戒レベルの引き上げや、スキー場の休止などの対策もとれますが、今回は微動発生直後に噴火したため、多くの方が巻き込まれてしまいました。

特に現場の草津国際スキー場は人気が高く、スキー客は「火山に来ている」という認識はほとんどなかったと思います。またスキー場のゲレンデは木や岩などの障害物を取り除いて整備されているため、噴火が起きた場合は身を隠す場所がありません。今回の噴火に遭遇された方で、雪の中に身を隠すようにして避難した方もいらっしゃいましたが、やはり噴石でケガを負われました。ロープウェイも窓ガラスが割れたりしましたが、特にスキーリフトは身体を守る物が一切ないため、噴石に襲われたらひとたまりもありません。

 

3.今後の状況

今回の噴火は、一般的には規模の小さな噴火になります。顕著な地殻変動や火山性地震も減ってきて、すぐに噴火活動は小康状態になったようです。しかし「マグマ水蒸気爆発」の場合は噴火が続く可能性があり、このまま終息するかはまだ分かりません。

積雪時に噴火が起きると、溶岩などの熱で溶けた雪が火山灰と一緒に一気に下流に押し寄せる「火山泥流」が起きる場合があります。また雪崩の可能性もあり、今回も噴火の影響で雪崩が発生したようです。

地元の草津町では、未だに避難計画が策定されていません。噴火警戒レベル2の時は、人の出入りが規制されていたので、避難計画の策定は後でよいという甘えがあったと、町の担当者は話しています。特に本白根山の噴火は、誰一人想定していなかったようです。

 

噴火の翌日から、草津国際スキー場は安全な一部のゲレンデを再開しています。また草津温泉は噴火箇所から約7キロ離れているため、特に影響はありません。これから草津温泉やスキーへ行かれる方は、安全を第一に考え、必要な情報を確認した上で、出かけるようにしてください。自然は人間の思うようにならないことを、くれぐれも忘れることなく!


 

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2017年を振り返る

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。2017年の酉年は、善き流れは一層善き流れとして未来へきちんと繋ぎ、結ぶ。そして悪きものは酉年にてすべてを清め、改め、浄化して、明日へと繋ぐことがないようにしっかりと清め改めるという意味を持つ年でした。今回は2017年の自然災害を振り返ってみたいと思います。 1.地 震(1) 日本国内気象庁のまとめによると、2017年に国内で発生した震度1以上の地震は2,025回に...

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

2017年の酉年は、善き流れは一層善き流れとして未来へきちんと繋ぎ、結ぶ。そして悪きものは酉年にてすべてを清め、改め、浄化して、明日へと繋ぐことがないようにしっかりと清め改めるという意味を持つ年でした。

今回は2017年の自然災害を振り返ってみたいと思います。

 

1.地 震

(1) 日本国内

気象庁のまとめによると、2017年に国内で発生した震度1以上の地震は2,025回にのぼりました。熊本地震があった2016年は6,500回を超えたので、その3割ほどになる少ない回数でした。また比較的大きな地震も少なかった一年で、震度4の地震は32回、震度5弱は228日の福島沖、71日の北海道胆振地方、72日の熊本県阿蘇地方、106日の福島県沖の4回、震度5強は620日の豊後水道、625日の長野県南部、711日の鹿児島湾、98日の秋田県内陸部の4回、震度6以上の地震はありませんでした。

地震の規模を示すマグニチュードで見ると、最大のものは59日に宮古島近海を震源としたM6.4106日に福島沖で発生したM6.3921日に三陸沖で発生したM6.3が挙げられます。

昨年で特筆すべき点は、東海地震の事前予知を基本にした防災計画が全面的に見直されたことです。これは地震の事前予測は不可能ということを認めたことになります。なおこの件については、次回に詳述します。

(2) 海 外

比較的静かだった日本国内に対して、海外ではM7を超える地震が12回も発生しました。そのうち2回はM8を超えています。昨年発生した最も大きな地震は、122日の南太平洋ソロモン諸島でのM8.4になります。しかし震源の深さが170kmと深かったため、特に被害はありませんでした。

98日にはメキシコ太平洋側チアパス州沖でM8.2の地震が発生し、102人の方が亡くなりました。そして20日後の919日には、今度はメキシコ中部を震源とするM7.1の地震が発生し、369人の方が亡くなりました。この時には首都のメキシコシティでも建物倒壊などかなりの被害が発生しました。地震の発生が日中だったため、幾つかの小学校が倒壊して、多くの児童が犠牲になりました。またこの919日は、32年前の1985年の同じ日にも1万人近くが亡くなった大地震が発生しており、午前中に各地で避難訓練が行われたその午後にまさかの大地震発生でした。メキシコシティは震源地から約90キロほど離れていますが、元々は湖を埋め立てた土地のため地盤が悪く、多くの建物の倒壊や一部損壊が発生してしまいました。筆者は地震発生2日後にメキシコヘ行きましたが、往復の飛行機で日本の緊急援助隊と一緒になりました。国内ではあまりニュースにも取り上げられませんでしたが、メキシコの空港ではそこに居合わせた一般のメキシコの人々から、救助に来てくれたという感謝の思いの拍手を受けていました。

1113日にはイランとイラクの国境付近でM7.3の地震が発生し、500人近くの方が亡くなりました。この地震が昨年では最も犠牲者が多く出た災害でした。

 

2.火山活動

2017年は環太平洋火山帯での噴火数が、近年では最高のレベルになってきました。同時に33もの火山が噴火していたり、コスタリカでは3つの火山が同時に爆発的噴火を起こしました。以前より噴火が続いているメキシコのポポカテペトル山では、9月の地震の後、その活動が一時的に活発になりました。またインドネシア・バリ島のアグン山では、噴火の兆候が現われて近隣住民が避難してから1ヶ月以上も経過してからの大噴火となりました。一時的に空港が閉鎖されたため、観光客が足止めになったりしましたが、事前避難のため人的な被害はありませんでした。

国内での火山活動は比較的静かでした。日光の男体山が新たに「活火山」に指定されましたが、現在のところ噴気活動は認められません。一方、20119月に噴火した新燃岳が6年ぶりに、201311月に活動が始まった西ノ島が201511月以来、15ヶ月ぶりに活動が再開しました。阿蘇山は20148月以来出されていた噴火警戒レベル2が、レベル1の「活火山であることに留意」に引き下げられました。

 

3.台風などの風水害

日本には毎年数個の台風が上陸しますが、2017年もいままでにはない動きをする台風が発生しました。

72日に発生した台風3号は、九州に上陸して日本列島を横断して行きましたが、台風通過後も福岡県と大分県では豪雨が続き、平成297月九州北部豪雨が発生し、甚大な被害が出ました。7月下旬頃になると熱帯低気圧が多発し、21日から30日の10日間で台風が6個も発生し、7月の台風発生数は8個となり史上最多タイ記録となりました。723日には4個の台風が同時に存在しました。これは1994年以来、23年ぶりのこととなります。

また20日に南鳥島付近で発生した台風5号は、台風として19日間も存在し、これまでで1位タイの長寿台風となりました。台風5号は日本のはるか東の太平洋上で大きな楕円を1周描くような進路をとり、小笠原諸島付近を迷走した後、31日には950hPaまで急速に発達して「非常に強い」台風へと勢力を強めて九州に接近しました。87日には室戸岬付近を通過し、和歌山県に上陸してから日本海側へ抜け、8日に温帯低気圧になりました。

1016日に発生した台風21号は、強風域が半径800km以上、中心付近の最大風速が44m/s以上の「超大型」台風になりました。静岡県掛川市付近に上陸した時の中心気圧は950hPa、最大風速は40m/sでした。「超大型」での日本への上陸は、台風の確実な記録が残る1991年以降初めてのことでした。

9月には大西洋でハリケーン「イルマ」が発生し、ハリケーンの等級として最大の「カテゴリー5」に発達しました。「カテゴリー5」は風速70m/s以上で、多くの建物が破壊され、幹線道路が切断される状態を指します。直撃されたカリブ海の島々では、建物の95%が何らかの被害を受けた島や、ほぼ居住不可能なまでに破壊された島もあり、甚大な被害が発生しました。「イルマ」は大西洋で発達したハリケーンの中で、過去最強のものでした。また直後にはハリケーン「マリア」が発生し、プエルトリコを直撃し、強風と豪雨に伴う「壊滅的」な洪水に襲われました。

 

2018年が始まったばかりの15日、富山県を震源とする地震と茨城沖を震源とする地震が3秒違いで発生し、緊急地震速報が流れるという出来事がありました。これは二つの地震を一つの地震と捉えた結果の誤報でした。また同日の夜中、日付としては翌日になりますが、千葉県北西部を震源とするM4.8の地震が発生し、東京23区や横浜市で震度4が観測されました。

比嘉良丸氏によると、これらの地震は啓示的には震度5強以上が発生し、その動きが関東の内陸部を中心に広がり、その後震度7クラスの地震へと繋がり、最終的には一気に地殻変動へ連鎖連動してゆく流れの地震であると伝えられていたそうです。幸いにも小さな震度で済みましたが、油断出来ない状況が続いているようです。イザという時には自分や家族を守るという強い意識を持ち、物事が起きた際の集合場所の取り決めや連絡方法など、すべての物事に意識を傾けきちんと決めておくことは大切なことになります。

110日には中米・コスタリカのカリブ海で、M7.6の大地震が発生しました。幸いにも津波は観測されず、また震源地が陸地から離れていたので、被害もありませんでした。

また現在夏になる南半球のオーストラリア・シドニーでは、観測史上2番目に高い47.3℃を記録、反対に冬の北半球のアメリカは大寒波に襲われ、ニューヨークのマンハッタンでは25cmもの降雪がありました。12月に大規模な山火事に襲われたカリフォルニアでは、大雨による洪水と土石流に襲われました。

新しい年が始まったばかりで、大地震、洪水、異常高温、寒波などに見舞われています。今年は戌年ですが、過去の戌年を振り返ると19589月の狩野川台風では犠牲者1,269人、都心の1日降水量が371.0mmで、この記録は半世紀以上たった現在でも最高記録です。19707月は関東南部で集中豪雨、19827月は長崎大水害で犠牲者299人、19949月は大阪北部で局地的大雨、そして前回の20067月は九州から本州にかけての記録的大雨で犠牲者30人と、戌年は豪雨災害が多い傾向にあるようです。果たして2018年はどのような一年になるでしょうか。
 


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インフルエンザについて

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。11月も半ばになり、インフルエンザが流行しやすい季節になってきました。今回は感染症の一つであるインフルエンザについて、改めて考えてみたいと思います。1.どんな感染症かインフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こるウイルス性呼吸器感染症です。インフルエンザウイルスがのどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症します。世界中で全ての年齢の方が...

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。
11月も半ばになり、インフルエンザが流行しやすい季節になってきました。今回は感染症の一つであるインフルエンザについて、改めて考えてみたいと思います。

1.どんな感染症か
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こるウイルス性呼吸器感染症です。インフルエンザウイルスがのどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症します。世界中で全ての年齢の方が罹患しますが、特に小児と高齢者で重症化しやすいとされています。流行の規模は一定ではありませんが、毎年冬季に流行が見られ、学級閉鎖の原因や高齢者施設における施設内流行の原因にもなります。
インフルエンザウイルスはA, B, Cの3つの型があり、流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。A型インフルエンザでは、数年から数十年ごとに世界的な大流行が見られますが、これは突然別の亜型ウイルスが出現して、従来のウイルスと代わることによって起こります。1918年のスペインかぜ(H1N1)は39年間、1957年にはアジアかぜ(H2N2)が11年間続き、1968年には香港型(H3N2)が、そして1977年にソ連型(H1N1)が加わり、現在はA型のH3N2とH1N1、及びB型の3種が世界中で流行しています。
インフルエンザは主に、インフルエンザに感染した人の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるインフルエンザウイルスを吸い込むことによる飛沫感染によって感染します。

2.インフルエンザの症状
いずれの型のインフルエンザも1~3日の潜伏期を経て、普通のかぜとは異なり突然の悪寒を伴う38℃以上の高熱、全身倦怠感を伴って急激に発症します。鼻汁、咳、咽頭痛などの呼吸器症状や、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状を伴うことが多く、頭痛、関節痛も現れます。筋炎を起こすと筋肉痛が生じ、下肢の場合は歩行困難になることがあります。
症状の程度、持続期間は、流行しているウイルスの種類、患者の年齢、過去の罹患状況などにより様々ですが、合併症がない場合は7日~10日以内に軽快します。発症した場合の重症度は、前回の流行からの期間やウイルスの変異の度合い、罹患した人の感染歴や免疫状態などによって決まります。
乳幼児は成人に比べて重症化しやすく、インフルエンザ脳炎を発症したり、高熱による熱性けいれんを起こすことがあります。また慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害などの持病がある方は、インフルエンザウイルスに感染すると重症化するリスクが高くなるので、手洗いやうがい、人混みを避けるなどの予防対策を積極的に行うように心がけましょう。
普通のかぜは1年を通してみられますが、インフルエンザは季節性があり、日本では11~12月頃に流行が始まり、1月~3月にピークを迎えます。発症後の経過も、普通のかぜは経過がゆるやかで、発熱も軽度であり、くしゃみ・のどの痛み・鼻水・鼻づまりなどの症状が現れます。これに対してインフルエンザの発症は高熱を伴って急激に発症し、全身倦怠感や食欲不振などの全身症状が強く現われます。
インフルエンザの予防接種を受ける方も多いと思いますが、実は感染を予防する効果はありません。ワクチンは、今年はこの型が流行するだろうと予想して製造しますが、ワクチンと違う型のインフルエンザには罹患してしまいます。厚生労働省の研究班の報告によれば、感染した場合もインフルエンザ発症と重症化を抑える効果はあるそうです。予防接種をしたからと過信をせず、身の回りを清潔に保ち、十分な睡眠とバランスのとれた食事や基礎的な体力をつける、規則正しい生活を送ることが基本になります。そして予防法としては、外出時のマスク着用、うがい、手洗いという基本的なものになります。
・正しいマスクの着用方法
  http://www.medicom-japan.com/special/mask.html
・正しい手の洗い方
  http://www.medicom-japan.com/special/hand-washing.html
・正しい手指消毒の方法
  http://www.medicom-japan.com/special/hand-hygiene.html

3.インフルエンザがパンデミックになる可能性
インフルエンザは、数十年おきに今までのインフルエンザウイルスとは全く異なる「新型インフルエンザ」に変異したウイルスが発生します。これまでに存在したことのない新しいウイルスのため誰も免疫を持っておらず、発生すると短い間に広がり、パンデミック(大流行)になる可能性があります。1918年のスペインかぜ、1957年のアジアかぜ、1968年の香港かぜと3回の新型インフルエンザが発生しました。
そして現在最も心配されているのが、鳥インフルエンザの人から人への感染です。2014年の時点で新型インフルエンザに変異する可能性が心配されていたのが、「H7N9型鳥インフルエンザ」と「H5N1型鳥インフルエンザ」でした。このH及びNというのは、その表面上の2つのタンパク質を指し、数字は特定のウイルスが有するタンパク質の型を指しています。この型の違いによりヒトが感染するものや、鳥だけが感染するもの、豚だけが感染するものなどに分けられます。
2013年3月、中国で鳥インフルエンザウイルスのヒトへの感染が初めて報告されました。H7ウイルスは鳥に感染し、ヒトへの感染はごく稀でしかありませんでした。しかし2013年に感染した135人のうち、およそ4分の1が死亡しました。それ以降、毎年H7N9の新しい流行がありましたが、鳥類と哺乳動物の両方でより効果的に増殖することを可能にする突然変異を獲得し、進化しました。2017年9月20日の時点で、中国でのH7N9の感染者数は1,589例となり、そのうちの39%が死亡しています。
新たな変異ウイルスの哺乳類への影響を確認するため、東京大学医科学研究所などのチームが、中国の患者からとったウイルスをマウスやフェレットに感染される実験を行いました。その結果、フェレットの実験では従来型のH7N9ウイルスを感染させても死にませんでしたが、変異型では4匹中2匹が死にました。更に周囲にいた3匹のフェレットにも飛沫感染し、そのうち2匹が死にました。
日本国内ではH7N9型にヒトへの感染例はありません。中国の症例では数例の家族内感染が発生していましたが、家族全員が直接H7N9に触れたのか、あるいは同じ鳥から感染したのかの証拠はありません。また感染したうちの多くの人々が家禽市場や車両、または自宅の鳥類と直接接触しているために、一般市民に対するリスクは非常に低いと考えられています。

4.治療法がないマールブルグ病流行の恐れ
世界保健機関(WHO)は、アフリカ東部ウガンダとケニアの国境地帯でマールブルグ病が発生し、これまでに医療関係者2名を含む5人が感染し、3人が死亡したと発表しました。マールブルグ病は発症が突発的で、自然界からヒトへの感染メカニズムは明らかになっていませんが、重症化するとエボラ出血熱によく似た症状を引き起こし、特異的な治療法がないため死亡率は最大88%になります。
ウイルスの宿主はルーセットオオコウモリだと考えられており、コウモリが住んでいる洞窟や鉱山に近寄った観光客が感染したというケースも確認されています。ヒトからヒトへは血液や体液、排せつ物で汚れた寝具や衣類に接したり、性的接触で感染する可能性も高いです。ウガンダで死亡した3人の診断に当たっていた医療関係者も感染した可能性が高く、先月末時点で患者に接した150人以上に感染リスクがあると言われています。

比嘉良丸氏の御神事の中には、感染症や伝染病を防ぐための御神事も含まれています。
アフリカで発生したマールブルグ病は、発症した人数こそまだ5人ですが、感染した可能性の高い人が入院を拒否して村へ帰るなど、アフリカ特有の習慣や考え方により、今後、患者数が急増する可能性があります。
鳥インフルエンザも、鳥からヒトへ感染しても直接接触したことが感染の原因なら、接触した個人のみしか発症しません。もしH9N7ウイルスがヒトからヒトへ感染する能力を獲得したら、その時が新たなパンデミックの始まりかもしれません。
人間が全ての生きとし生けるもの達や自然との共存、地球に生かされていることに気付かずに今の生き方を変えなければ、自然界は人間排除の方向へ動き出します。その時には既存のインフルエンザウイルスの変異や、新たな感染症や伝染病の大流行が待っているのかもしれません。



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